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Conversation対談

2025.03.24

第112回『SNSをやっていない人は社長にあらず』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

「伝えなければ意味がない」
社長のSNS発信こそ、最大のブランディング戦略

  • 安田

    今日は社長のSNS配信について聞きたいんですけど。

  • もう必須ですね。

    生田
  • 安田

    採用でも集客でも「経営トップ自ら発信しなくちゃいけない」なんて言われてます。

  • はい。だから私もpodcastやyoutubeチャンネルをやっているわけで。

    生田
  • 安田

    とはいえ周りを見渡すとまだ少ない印象です。登録してるだけとか。
    投稿してる内容も「お昼にこんなごはんを食べました」とか。

  • 僕よくラーメン屋に例えるんですけど。

    生田
  • 安田

    ラーメン屋?

  • この10年でまずいラーメン屋ってなくなったと思いませんか?

    生田
  • 安田

    あまりラーメン食べないんですけど、美味しいラーメン屋がたくさんある印象です。

  • そうなんですよ。
    何が言いたいかって言うと、もう味では勝負になんないってことです。
    どこで食ってもうまいんで。

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • じゃあ、どういうラーメン屋が勝ち残っていくんだっていうと、味だけじゃなく「こだわり」の部分をいかに伝えるかだと思うんですよ。

    生田
  • 安田

    開発ストーリーみたいなものですか。

  • そう。それを聞くことで美味しく感じる、食べにいきたくなるストーリー。
    「なぜ、そのラーメンを作ったのか」とか。鶏油のこだわりの抽出の仕方とか。

    生田
  • 安田

    大間のマグロだって言われたら美味しく感じるのが人間ですからね。

  • そうなんです。
    つまり店主のこだわりがラーメンをより美味しく感じさせる「右脳の調味料」になるわけですよ。

    生田
  • 安田

    確かにそうですね。

  • 中小企業もこれと全く同じ状態なわけです。
    重要なのはこだわりとか思いを「誰が伝えるんだ」って話じゃないですか。

    生田
  • 安田

    ラーメン店なら作ってる大将が自分で伝えるしかない。

  • そう。つまり中小企業なら社長じゃないですか。

    生田
  • 安田

    「うまいもんを出しとけば客は来るんだ」みたいな考えはもうダメってことですね。

  • だって僕たちのスマホには店主のこだわりが毎日バンバン飛んでくるわけですよ。

    生田
  • 安田

    飛んできますね(笑)

  • SNSに情報が流れてきたら、そっちに行きたくなるじゃないですか。

    生田
  • 安田

    行きたくなっちゃいます(笑)

  • 誤解してる人が多いんですけど、別に話がうまいとか文章が上手とか、そういうことじゃないんですよ。
    「この人の店で食べたい」というムードを醸し出してることが大事で。

    生田
  • 安田

    焼肉屋の仕込み動画とかもそんな感じですよね。
    ひたすら肉をキレイに掃除してる動画とか。

  • そうなんですよ。別に上手な発信をしろってことじゃなくて。
    その会社らしさ、その社長の思いみたいなのがストレートに伝わる方がいいわけですよ。

    生田
  • 安田

    苦手だから「得意な社員に任せてる」というケースも多いですが。
    これはどうなんでしょう?

  • やらないよりはマシですけど。やはり効果はだいぶ違います。
    今は変化のスピードが早いじゃないですか。
    だから商品やサービスも日に日に進化していかざるを得ないわけです。

    生田
  • 安田

    ですよね。

  • 来月こんな機能を追加しようとか、来週からこんなトッピングを加えようとか。
    様々なアイデアや企画が社長の頭の中を巡っているわけです。

    生田
  • 安田

    そうですね。

  • となると、最新の情報をタイムリーに発信できるのはやっぱり社長なんです。

    生田
  • 安田

    受け取る側の熱量も変わりますよね。

  • 広報チームが発信することで熱量は毀損されますね。

    生田
  • 安田

    採用に関してはどうですか。
    社長がSNSで発信したところで「人不足は解消しないでしょ」って思ってる人が多いんですが。

  • 採用への影響はめちゃくちゃ大きいですよ。
    求職者は会社のホームページと共にSNSも必ず見ますので。「A社長は事業のことや商品のことを発信していて、B社長は全く投稿がない」ってなれば、間違いなくA社が選ばれるわけです。

    生田
  • 安田

    「余計なことを言わない方がいいんじゃないか」という意見もありますけど。

  • 求職者目線になるとそういう風には捉えられないですね。
    このB社の社長は「きっと奥ゆかしい人なんだ」とはならない。
    検索したのにホームページが出てこないのと同じ印象になります。

    生田
  • 安田

    それはかなり不信感が強くなりますね。

  • もうそういう時代なんですよ。
    求職者は結構な割合で社長のSNSをチェックしますから。
    別に求職者に媚びる必要はなくて。自分のこだわりとか商品の特徴とかを発信すればいいんです。

    生田
  • 安田

    人不足の時代に社長が情報発信するってのは必須だと。

  • しないというのは自殺行為と言っても過言ではないですね。
    よほどの覚悟がないとやらないという選択肢は取れないはずです。

    生田
  • 安田

    なるほど。
    では社長自ら発信する時に気をつけることってありますか?

  • より社長を中心とした会社になる覚悟が必要です。
    集客とか仲間集めみたいなものがどうしても社長に依存してしまうので。

    生田
  • 安田

    それはもう仕方がないってことですか。

  • 良くも悪くも「この社長と働くの無理」って人は来なくなります。
    逆に「こういう社長と働きたい」「こういう社長がいる会社から買いたい」という人が集まる。
    これはもうSNS時代には避けようのないことですね。

    生田
  • 安田

    社長の人間性が大事ってことですよね。

  • 配信し続けると人間性はバレちゃいますから。

    生田
  • 安田

    それでも社長は発信していかざるを得ない。

  • そういう時代なんです。
    人不足とか値上げできないとか言いながら、配信すらやってないのは経営者失格ですよ。

    生田

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