「私を素直にさせてくれる」
敏腕営業マンの彼の名は…『AI』?!
保険のセールスは「すでにAIが人間の成績を超えてる」って聞いたんですけど。これは本当ですか。
はい。これは奥が深くてですね。人間は素直じゃないっていうことなんですよ。
素直じゃない。どういうことですか?
もしくは素直になれない。
どういうことかって言うとですね、保険の現場において重要なのは真実なんですよ。
真実ですか。
先々のリスクに備えてどういう保険をかけておいた方がいいのか、それに対して自分の所得はいくらなのか、という真実。仕事の将来性だとか、はたまた体のコンディションであるとか。
保険の提案をするにはそういう情報が必要でしょうね。
そうなんですよ。だけどそれって人に秘密にしておきたい情報だったりするじゃないですか。
それを見ず知らずの人につまびらかにできますか?ということなんですよ。
なるほど。でも必要な保険を提案してもらうには教えるしかないですよね。
そうなんですけど色々勘ぐっちゃうじゃないですか。人間が相手だと。
すっごく高い保険を売りつけられるんじゃないか?とか。
そう。素直になれないのが人間なんです。
なるほど。だからテレビCMで「安心」をアピールするんでしょうね。
「私たちはあなたのことをこんなに一生懸命考えてます」みたいな。
そうなんですよ。だけど相談相手として人間には限界があるってことです。
見ず知らずの人に全てつまびらかに話をできるかっていうと、人間はそんなに素直じゃない。
英会話のレッスンもAI相手が流行っているみたいですね。
一時期フィリピン人の安いレッスンが流行ってましたけど。
AIを相手に練習した方が成長が早いんですよ。なぜなら人間相手だと恥ずかしいから。
AI相手だったら全然恥ずかしくないですもんね。
そうなんですよ。というわけでAIの方が優秀だから成績がいいというわけではなくて、AIの方が素直に相談できるというのが現状のAIの好成績の要因なんです。
この先どうなっていくんですか?
どんどん差が開いていくでしょうね。
保険の提案に関しても人間より幅広くきめ細かになっていきますので。
悲しいですね。キャリア30年の営業マンよりAIの方が良い提案をすると。
情報量が違いますから。
AIが相手なら素直に情報も打ち明けられるし、最適な提案も出してもらえると。
そうなんです。「お金を優先するんだったらAですよ」とか「この辺が心配だったらBですよ」とか。
ものすごく的確に出してくんでしょうね。
そうなると、もう保険は人から買わないでしょうね。
セールスレディーがオフィスを回ってお菓子を置いていくような時代もありましたけど。
今はそもそも会社に入れないですから。
確かに。
オンラインでAI相手に相談したら自分にとってベストな商品が出てきて、人間が関わらない分、今までよりも安くていい保険が買えるようになっていく。
これって保険セールスに限らず、他の営業分野にも広まっていきますよね?
間違い無いですね。
営業の本質っていうのは「売り手と買い手の情報格差を埋める」っていう、ただそれだけに尽きますので。
お客さんが知らない商品情報を教えたり、どの商品がいいか相談に乗ったり。
はい。シンプルにそう考えると、AIというテクノロジーを使った方が圧倒的に優秀なんですよ。
つまり全ての営業をAIがとって代わるのはもう間違いないです。
人間を使うとパワハラとかうるさいですしね。残業もさせられないし。
AIだったら24時間、土日でも文句を言わず働いてくれます。しかも残業代なしで。
そもそもAIの世界にハラスメントはないんですよ。だからAIは病まない。
今は病む人が多いですもんね。
どんなに素晴らしい職場環境であっても、気が滅入って出社しない人とか出てくるんですよ。
鬱が増えてますからね。大好きな仕事ばかりやってるわけじゃないし。
「10年間、一言一句間違わず、同じトークを続けてくれ」って言われたら、人間は間違いなく病みます。
病む前にハラスメントで訴えられますよ(笑)
はい。炎上して大変なことになっちゃいます。
だけどAIだったら許される。しかも勝手に進化していきますから。
同じトークを続ける必要があればいくらでも続けられるし、変える必要があれば自分で進化して変えていくと。
考えてみたらめちゃくちゃできる営業マンですね。
そうなんですよ。だから営業にAIを使わない手はないということです。