中小企業の経営者に必要な感覚は「9億円でバナナを買う」こと?
今日はですね、どうしても理解できないニュースを生田さんにぶつけてみたいと。
何ですか?
「テープで壁にバナナを張り付けただけ」というアート作品がありまして。コメディアンっていうタイトルの作品なんですけど。
ニュースで見ました。作ったのは有名なアーティストさんらしいですね。
イタリア人アーティストの作品で、サザビーズというオークションに出品されたんですけど、なんと9億6000万円で落札されたそうです。
写真で見るとすごいですよね。本当に普通のバナナを普通のガムテープでぺトっと貼ってあるだけで。
そうなんですよ。そのバナナがなんと9億6000万円。ちょっと訳がわからないんですけど。
安田さんを持ってしても理解が難しいですか(笑)
全く理解できません(笑)
サザビーズのコメントとしては「芸術の定義と芸術に求める価値をもう一度考えるように世界に促した」と書いてあるんですが。なんじゃそれって感じ。
中国のコレクターさんが落札したらしいですね。
はい。ものすごいお金持ちなんでしょうね。
9億6000万ですから。
でも、いくらお金持ちとは言え、なぜバナナ1本に9億も払ったのか。
買った本人は「これは単なる芸術作品じゃない」「芸術や暗号資産のコミュニティをつなぐ文化の象徴なんだ」とのコメントですね。
こんなの買ってどうするんですかね?バナナなんて腐っちゃうじゃないですか。
普通のバナナですからね。「数日後には食べますよ」って言ってます。
でも食べたらなくなるわけですよ。
なくなりますね。
ちょっと理解できないです。これ、生田さんは意味わかりますか。
わからないですね(笑)
やっぱわからないですよね(笑)
ちょっと前にトイレの便器を「アート作品だ」って言った人がいましたよね。
いました!中古品の便器。それも高く落札されてましたね。
人間って本当におバカな生き物ですよね。
まあそう言ってしまえばそれまでなんですけど。カロリーゼロの食品を買って食べたりしますから。
それにしても高すぎでしょ。
正月のマグロの競りみたいに宣伝狙いでしょうか。マグロ1本を億単位で競り落としてテレビに取り上げられる作戦。
テレビを見たお客さんがお店に押し寄せますからね。CM効果として考えるなら高い方がいいんでしょう。
あれが100万だったらニュースにならないですもんね。
「1月1日に1億円で購入する」ということに意味があるわけで。
バナナもそういう広告効果を狙ってるのかも知れませんけど。どうやって回収するのか、ちょっと理解できない。
まあ結局のところ「欲しい」ってことなんでしょう。価値がものではなく意味に変わってるってことですよ。
物を買ってるわけじゃないと。
便器だってTOTOとかイナックスで買えばせいぜい10万くらい。しかも新品で。
だけど近代アートの便器は数億円するわけですよ。そこには意味が乗っている。
有名なアンディウォーホールの絵もスープの缶の絵を丁寧に描いただけですからね。
今やその版画が何億もするわけですから、アートって不思議ですよ。
しかも便器と違ってバナナは無形資産ですからね。
腐ったらなくなりますからね。価値を維持しようがない。
しかも食べてしまうっていう。もしかしたら体に取り込むってこと自体に何か深い意味があるのかもしれない。
9億のバナナとして食べるんですか。
体験も残りますし、一昔前で言うNFT的な取引の履歴も残りますよね。
そうか。そこに価値があるのか。
いわゆるブロックチェーン上にきちんと残りますので。
これを機に世界のアートのが変わるとしたら、この落札した人がその度に登場するわけですもんね。落札したコレクターとして。
そうなんですよ。永久にメディアに登場するわけです。
その費用対効果は9億円以上の価値があるのかもしれないですよ。1億円のマグロと一緒で。
我々にはちょっと理解できないですけど、もしかしたら何十年後かに「あの人はすごい先見の明があった」と言われる日が来るかもしれない。
それがお金持ちや新しい価値を作る人の考え方ですよ。
中小企業の経営者もこういう感覚を磨かないと。私は買いませんけど(笑)