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Conversation対談

2025.02.17

第106回『ラーメン店がファストパス?』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

ラーメン店の生存戦略は「1万円のコース料理」

  • 安田

    ラーメンって1,000円の壁を超えるか超えないかに「生き残りがかかっている」と言われてまして。

  • 原価上がってますもんね。

    生田
  • 安田

    そうなんですよ。材料費は高いし、人件費は高いし、燃料費も高いし。
    値上げできない店がどんどん潰れていまして。

  • 高い店も増えてきた印象ですけど。

    生田
  • 安田

    なんと人気店は2,000円を超え始めたそうです。

  • ですよね。

    生田
  • 安田

    しかも人気店の中に「ファストパス」なるものを導入するお店が出てきまして。

  • ファストバスってあれですよね。お急ぎ便みたいな。

    生田
  • 安田

    ディズニーランドの横入りチケットみたいな。

  • はいはい。お金持ちは並ばなくて結構です、みたいな。時間をお金で買う感じの。

    生田
  • 安田

    そのファストパスが500円で売られてたりするんです。

  • つまり予約制ってことですか?

    生田
  • 安田

    でしょうね。今いるお客さんを退かすわけにもいかないし。
    人数分の席が確保されてる感じでしょう。

  • それが500円だと。いいじゃないですか。

    生田
  • 安田

    ラーメンを入れると2,000円〜2,500円するわけです。

  • 時間かかってもいいから「安く食べたい」って人は並ぶだろうし。いいんじゃないですか。

    生田
  • 安田

    でもこれ人気のない店がやったら大顰蹙でしょうね。

  • 並んでること前提じゃないと。ファストパスの意味がないですよ(笑)

    生田
  • 安田

    確かにそうですね。

  • 花火もいちばん綺麗に見える場所を指定席で売る時代なので。

    生田
  • 安田

    花火を見るだけで数万円するそうです。これがまたあっという間に完売しちゃうそうで。

  • でしょうね。「お金で買えるならそっちがいい」って人はたくさんいますから。

    生田
  • 安田

    「もうラーメンは金持ちの食べ物じゃないか」みたいな意見もありまして。

  • インバウンドも多いじゃないですか。旅行だと使える時間も決まっちゃうし。
    2,000円だろうが2,500円だろうが彼らにしたら安いもんでしょう。

    生田
  • 安田

    それで1時間〜2時間も短縮できるんだったら、安いと。

  • ぜんぜん安いでしょう。日本人はちょっとこの手のサービスに関して感覚が麻痺してるんですよ。

    生田
  • 安田

    海外ではラーメン2,000〜3,000円なんて普通ですもんね。
    でも庶民の味方と言われていたラーメンがですよ。
    ディズニーランドも夢の国と言われてのに、お金持ち優遇みたいになって。

  • 僕はもうファストパスならぬスーパーファストパスとか、貸し切りシステムとか、やって欲しいですよ。

    生田
  • 安田

    ラーメン屋を貸し切るんですか?

  • 友達たちと2〜3時間貸し切ってゆっくり食べる。その間に大将の仕込みの話も聞けて。
    スープのこだわりとか。あとは麺やスープの食べ比べがあったり。

    生田
  • 安田

    もはやコース料理ですね。

  • それぐらい日本のラーメンって価値があると思うんですよ。

    生田
  • 安田

    確かにそうですね。
    めちゃくちゃこだわって作ってますから。コース料理にできるかも。

  • ロサンゼルスやニューヨークなら1万円とか1万5,000円の世界になるわけですから。

    生田
  • 安田

    ラーメンだから「早く食べて早く帰らなくちゃいけない」ってわけじゃないですもんね。
    ゆっくり味わいたい人もいるわけで。

  • そうですよ。わざわざ海外から日本に来て、今やラーメンもミシュランを取ってる店があるわけですから。
    そういう高級志向のお店も出てきて然るべき。むしろ遅すぎる。

    生田
  • 安田

    味噌、醤油、塩とか、ちょっとずつ味変して提供するとか。

  • いいですね。

    生田
  • 安田

    そうなると2,500円でも安い気がします。

  • 安いですね。業界全体的に「回転数で稼ぐ」という思考が強すぎるんですよ。
    寿司屋だって回転寿司もあれば1日2組限定の店もあるじゃないですか。

    生田
  • 安田

    確かに。ネタもひとつずつ丁寧に説明してくれたり。お客さんに合わせて食材を選んでくれたり。
    そういうお店に行けない人がネットで叩いたりするんでしょうね。

  • そこに合わせる必要はないですね。
    寿司だって昔は庶民の食べ物だったんですから。時代とともに変わるんですよ。

    生田
  • 安田

    庶民的なラーメンが食べたければ日高屋さんとかに行けばいいわけで。
    高級店を叩く理由がないですよね。

  • そもそも小さな店は高く売っていかないと。生き残れないですよ。
    ラーメン1杯5000円とか。コースで1万円とか。発想を変えていかないと。

    生田
  • 安田

    何日もかけてスープを取ったり、焼き豚を作ったりするわけですからね。
    でも値上げすることにはかなり抵抗があるみたいですよ。

  • 2割、3割高くしようという発想が良くないんです。2倍、3倍でいかないと。

    生田

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