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Conversation対談

2025.01.20

第103回『フェラーリの赤は16種類!?』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

圧倒的な「赤」で熱狂させるということ

  • 安田

    イタリアの小さな靴屋では70万円の靴がガンガン売れるって話でしたよね。

  • はい。イタリアの地方都市には凄いビジネスヒントが埋もれてます。

    生田
  • 安田

    聞くところによるとフェラーリにも見学に行かれたとか。

  • 行きました。ただ社内見学っていう感じではなくて。
    フェラーリ博物館に行って、広大な敷地をバスで回ってきました。
    フェラーリ国と言っても過言じゃないぐらい広大な地域で。

    生田
  • 安田

    フェラーリ国?そんなに大きいんですか?フェラーリって。

  • 車を作る工場もあるし、テスト走行してたりもするわけですよ。
    そのエリア内をバスで観光する感じなんですけど。

    生田
  • 安田

    そこにある車は全部フェラーリですか?

  • フェラーリです(笑)

    生田
  • 安田

    そりゃそうですよね。フェラーリ国でトヨタが走ってたらおかしいですもんね。

  • でも従業員さんがみんなフェラーリに乗ってるわけじゃない。
    そうじゃないのがまたおもしろい。

    生田
  • 安田

    靴屋さんと同じで、地元の人のためにフェラーリを作ってるわけじゃないですもんね。

  • そうなんですよ。
    イタリアにはフェラーリもあるし、マセラティやランボルギーニもある。

    生田
  • 安田

    イタリアと言えば「車高が低いスーパーカー」というイメージです。
    とにかく速くて低くて、かっこいい感じ。

  • そういうイメージですよね。
    でもそういう車がイタリアの町を走ってるわけではないんです。

    生田
  • 安田

    走ってないんですか。

  • はい。1台も走ってなかったです。

    生田
  • 安田

    なんと!フェラーリの本社がある町でフェラーリが走ってないんですか。

  • 走ってないですね。ベネチアでも走ってない。
    そもそもイタリアにほとんど走ってないかも。フェラーリは石畳の道を走れないから。

    生田
  • 安田

    フェラーリは地元での走りには適してないと。

  • 全く適してないですし、地元の人たちに向けた商品じゃないですね。

    生田
  • 安田

    そもそも乗用車として不向きですもんね。乗り心地がいいわけでもないし。

  • そうなんですよ。だけど、やっぱり欲しくなるっていう。
    つまりフェラーリのお客さんは世界中のフェラーリファンなんですよ。

    生田
  • 安田

    フェラーリファンって世界中にいそうですよね。

  • ファンを超えて信者、オタクって言ってもいいかもしんない。

    生田
  • 安田

    富裕層や成功者の象徴ですよ。

  • ちなみにフェラーリーって赤色のイメージがないですか?

    生田
  • 安田

    まさに。独特の赤ですよね。
    オレンジっぽい赤い色というか。そういうイメージです。

  • でも信者から言わせると違う。

    生田
  • 安田

    違うんですか?信者は何色が好きなんですか?

  • もちろん赤が好きなんですけど。
    フェラーリの赤色は16種類あるんですよ。

    生田
  • 安田

    赤色が16種類?

  • はい。16種類の赤から選ぶんですって。

    生田
  • 安田

    つまり我々が街で目にする赤いフェラーリも微妙に色が違うと。

  • 違うんですよ。
    たとえばフェラーリを2台所有していて、どっちも赤だとするじゃないですか。
    16種類だから「1番の赤と2番の赤を俺は持ってる」みたいな世界観です。

    生田
  • 安田

    それ、フェラーリを持ってる人にしかわかんないですよ(笑)

  • 信者コミュニティの中でしか通用しないですね(笑)
    つまり何が言いたいかって言うと、フェラーリという会社は赤い色だけでもファンを熱狂させる。

    生田
  • 安田

    そもそもイタリア人って色に対するこだわりがすごいですもんね。

  • そうなんですよ。ロゴとか作ると大変で。ほんの少しの色の違いに徹底的にこだわるから。

    生田
  • 安田

    逆にそれくらいのこだわりがないと、これだけのファッションの国にはならないですよね。

  • ならないです。ファッションしかりスーパーカーしかり。
    こだわり=ブランディングみたいなことですよ。

    生田
  • 安田

    それだけ細かい色だと、ちょっとこすっちゃった時にカーコンビニ俱楽部には行けないですね。

  • それはご法度なんですよ。
    自分で色を塗ったらフェラーリコミュニティから排除されるらしいです。

    生田
  • 安田

    え!自分で色塗ったらダメなんですか?

  • ダメです。バレたらとんでもないことになる。
    2度とフェラーリが買えなくなる。

    生田
  • 安田

    それぐらいのこだわりがないと、これだけ強固なファンは生まれないってことですね。

  • 「圧倒的なこだわり」とか「商売に対する誇り」みたいなものが、「お客さんを選べるポジショニング」を作り上げているわけです。

    生田
  • 安田

    燃費なんて関係ないと。

  • そんなことは全く眼中にないです。
    どれだけ燃費が悪くても、とにかく早く走れてかっこいいことが大事。
    かっこよくないと、もはや車ではない(笑)

    生田

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