「高く売る」という決断と「直販する」という決断。
佐賀県の嬉野市でティーツーリズムという凄いことが始まっていまして。
温泉が有名な場所ですよね。お茶も有名なんですね。
そうみたいです。
そこでなんとお茶を3杯飲んで1万5000円という商品。これが売れているそうです。
凄いですね。お茶だけなんですか?
もちろんお茶菓子もついていますけど。
あくまでもお茶の料金ですね。
それって観光客向けの商品ですか?
はい。
観光客向けのティーツーリズムというサービスで。
美味しいお茶を体験するコースが大人気らしくて。
すごくいい取り組みだと思います。
お茶って手間がかかっている割に安すぎですよ。
日本人は「お茶はタダ」って感覚ですからね。
一杯5000円のお茶ってどうなんだ?みたいな。
前にも言いましたけど、日本人にとってのサービスって「ただ(無料)」って意味なんですよ。
そこを変えていきたいという取り組みで。
お茶はタダじゃないんだと。ちゃんとした茶葉を使ってプロが入れると「すごい価値があるんだ」っていう。
すごくいいと思います。
サービスはタダとか、お茶はタダとか、おしぼりタダとか。日本はこういうのが多すぎですよ。
茶畑の真ん中に簡易茶室みたいなのがあって。
お茶のスペシャリストが説明しながら淹れた美味しいお茶を、綺麗な茶畑を見ながら味わうっていう。
その世界観が商品なんでしょうね。
高級志向、vip志向、サービス志向に振り切った方がいいです。
地元の人には全然売れないみたいですけど。
別に売れなくてもいんじゃないですか。
人口増加時代のビジネスモデルだったら地元の日本人顧客は大事ですけど。
グローバル相手に商売をするのであれば高級志向、個別最適化でいいと思います。
日本人でも価値を感じてくれる人はいるでしょうし。
スターバックスも目黒にあるSTARBUCKS RESERVE(R) ROASTERY TOKYOは1杯5000円ですよ。
なんと。スタバで1杯5000円ですか。
スターバックスって実は3段階あるんです。
スターバックスリザーブっていう、一般には流通させていない豆を使う店が10店舗に1店舗ぐらいあって。
そうなんですね。
看板にアールがついてる店は特殊な良いコーヒーを提供しています。スーパーバリスタが焙煎すると3つの豆ができるそうで。
悪い部分は捨てる、普通の部分が全国に流通する、凄く良くできた部分をスターバックスリザーブロースタリーで1杯5000円で提供する。
5000円で飲む人いるんですね。
いますよ。
コーヒーの価格は豆の品質と、誰が淹れてくれるかと、どこで飲むか。ここでの価格差が当たり前に受け入れられているわけです。
だったらお茶もできないわけがないって話ですよね。
なるほど。
確かに高級ホテルのラウンジでコーヒー飲むと1杯2000円ぐらいしますもんね。
ロケーション、シチュエーションは大事です。
このお茶屋さんは先祖代々やっていらして。継いだ時にはもうお茶だけでは食べていけない状態だったそうです。
品質はすごく良いらしいんですけど卸しでは食えない。それで小売にチャレンジしたみたいです。
凄くいいことだと思います。
最初は百貨店でイベント販売をやったみたいです。でも結局「それで何割引で売ってもらえるの?」って話になるみたいで。
自分で集客をやらないとそうなりますね。
直販は基本ですよね。
卸しはまとめて売れるので楽ですけど。どうしても安く買い叩かれてしまう。
「直接ユーザーと繋がる」という発想が今の時代は必須です。ちゃんと価値のあるものを分かってくれる人に直接届けるっていう。
このお茶屋さんも直接集客することでインバウンド人気に火がついて。
今は評判を聞いた都内の高級ホテルが茶葉を高く買ってくれるそうです。
素晴らしい流れですね。
インバウンドの方がまとめ買いもしてくれるそうで。
自分の国で飲むために400〜500万円分のお茶を買っていくそうです。
そうやって進化させていくのが理想だと思います。イベントだけだと集客にも限界があるので。
まずは「高く売る」という決断ですよね。そこからビジネスを進化させていく。
はい。中途半端な金額だったらこうなっていないはずなので。
「高く売る」という決断と「直販する」という決断。この二つが凄く大事ですね。