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Conversation対談

2024.07.29

第80回『5秒で3万円がなぜ喜ばれるのか』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

現代は裏方が集客をする?!

  • 安田

    JR東日本のイベントで、なんと5秒間の撮影が3万円という。デゴイチっていう列車の撮影なんですけど。
    ご存知ですか?

  • こち亀で見た気がします(笑)

    生田
  • 安田

    正式にはD51という蒸気機関車らしいんですけど。
    その車両撮影会の参加料金が3万円で20人限定の企画が即完売したそうです。

  • 好きな人にとってはぜんぜん安いんじゃないですか。

    生田
  • 安田

    メインイベントが「吹き込み作業の撮影」というもので。その作業に要する時間がなんと5秒。

  • いいじゃないですか。今までだったら作業現場を撮影することすらできなかったはずで。

    生田
  • 安田

    その5秒間の撮影に3万円払う価値があるってことですよね。参加した人は大満足だったらしくて。

  • 参加したのは何歳ぐらいの人なんですか。

    生田
  • 安田

    20代から70代までのファンが集まったそうです。
    綺麗に撮影できるように太陽の向きとかも考慮して作業するんですって。

  • それは嬉しいでしょうね。JR東日本もやりますね。

    生田
  • 安田

    第2弾としてそのSLに試乗するイベントを1人13万円で売り出したそうで、これもあっという間に完売しちゃったらしくて。

  • 好きな人にとってはプライスレスですよ。

    生田
  • 安田

    でもこの不景気が叫ばれる時代に。何が商品になるかわからない時代というか。

  • まさに今の日本に必要な商品開発ですよ。これは。

    生田
  • 安田

    海外の人が来たらもっと値段が上がりそうですよね。

  • 間違いなく上げるでしょ。プレミアが付くんじゃないですか。

    生田
  • 安田

    JRからこういうアイデアが出てくるのがすごいですよ。時代を感じるというか。

  • そもそもJRはコンテンツの宝庫だと思いますよ。
    古い車両とか、その部品とか、裏方の技術とか、いくらでも商品化できます。

    生田
  • 安田

    確かに。
    移動手段としてはもう使いようがないですけど、こうやって付加価値ビジネスにすれば、いくらでもコンテンツが湧き出てきますね。

  • コンテンツが山のように埋もれてるわけですよ。

    生田
  • 安田

    今まで一円にもならなかった裏方の作業が、こうやって日の目を浴びて、しかも大金まで稼いでくれて。

  • たった5秒間の作業を撮るためだけに3万円払ってくるっていう。時給換算したらめちゃくちゃ高い収益率ですよ。

    生田
  • 安田

    ドクターイエローがこの前引退しましたけど。これもコンテンツになりそうですよね。

  • 間違いなくなるでしょう。修理車両のドクターイエローを修理する作業を撮影させてあげるとか。

    生田
  • 安田

    もはやエンターテイメント事業ですね。

  • インスタでも寿司屋とか焼肉屋の仕込み動画が多いじゃないですか。

    生田
  • 安田

    私もよく見ます。焼肉の肉磨き動画は大好きです。

  • 裏方が集客のメインイベントになる時代なんですよ。

    生田
  • 安田

    昔は裏方とかは見せちゃいけないものだったのに。

  • 逆に今はそこに価値があるっていう。だって5秒の吹き込み作業が3万円ですよ。

    生田
  • 安田

    元々のファン層がいるから成立するビジネスではありますが。

  • D51という車両そのもののブランド価値が高いんでしょうね。
    車両として美しかったり。当時のままその美しさを保っていたり。

    生田
  • 安田

    きっとファンから見たら美しいんでしょうね。

  • その車両が年に1度この日だけお目にかかれて、なおかつ撮影体験ができる。
    しかも裏側まで見せてもらって。その掛け合わせにすごい価値があるんでしょう。

    生田
  • 安田

    考えてみれば、日本の地方都市にはこういうコンテンツがたくさんありそうですね。

  • 山のようにありますよ。ただそれを商品価値に変えるのがあまり上手じゃない。

    生田
  • 安田

    日本人はそういうのが苦手ですよね。
    こういうイベントも「オタクの集まり」みたいに見られて。一般ウケしない感じがします。

  • オタクというターゲットは間違ってないんですよ。

    生田
  • 安田

    一般ウケしなくてもいいってことですか。

  • だってランボルギーニを買う人はオタクじゃないですか。フェラーリを買う人もオタクじゃないですか。
    車オタク、スーパーカーオタクでしょ。お金があるから富裕層VIPみたいに見えますけど。

    生田
  • 安田

    確かに。ゴージャスに見えるけど結局はオタクだと。

  • そうなんですよ。問題は国内のオタクだけを相手にしていることですね。
    海外向けにリブランディングすればもっともっと可能性は高まると思います。

    生田

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