ホーム  >  対談一覧  >  第73回『潜在マーケットの扱い方』

Conversation対談

2024.06.10

第73回『潜在マーケットの扱い方』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

自らお客さんを掘り起こせ!

  • 安田

    今日は潜在マーケットについてお話したいんですけど。

  • いいですね。

    生田
  • 安田

    じつは私「すでに売られている商品」とか「他社がやっている事業」とかにあまり興味がなくて。

  • そんな感じですね(笑)

    生田
  • 安田

    「まだない商品」「まだないサービス」を作ることがすごく好きなんです。

  • 分かりますよ。潜在マーケットを掘り起こすことで「自分だけのお客さん」も手に入るし。

    生田
  • 安田

    そうなんです。でもほとんどの中小企業は顕在マーケットしかアプローチしないじゃないですか。

  • しないというより出来ないんでしょうね。
    「まだない市場を作る」という発想がそもそもなかったりするし。

    生田
  • 安田

    それでやっていけるんでしょうか。

  • 今まではやってこれたんでしょう。だけどこれから先は難しいと思います。
    新規顧客の獲得は必須という時代ですから。

    生田
  • 安田

    新規集客に関しても顕在マーケットしか見ていない気がします。

  • そうですね。本来、顧客価値の創造って、潜在マーケットの探求とニアリーイコールなんですけど。

    生田
  • 安田

    顧客価値を追求し続ければ、自然と新たなマーケットも開拓できると。

  • そうです。僕はドラッカー好きなので。

    生田
  • 安田

    ドラッカーさんは「マーケティングとは顧客の創造である」と言ってましたよね。

  • はい。顧客の奪い合いではなく顧客の創造。ここがポイントですね。

    生田
  • 安田

    顧客の創造なくして会社はもう成り立たないと。

  • 顕在マーケットで戦い続けるなら物量を追い求めるしかない。それも1つのロマンですけど。
    個人的には新しい価値を生み出す方が社会的意義はあるかなと思います。

    生田
  • 安田

    そもそも中小企業ってそこでは勝てないわけで。
    どう考えても「小さな潜在マーケット=自分だけのマーケット」を手に入れたほうがいいと思うんですけど。

  • はい。本当は選択の余地なんてないんですよ。自らお客さんを掘り起こすしかない。

    生田
  • 安田

    でも現実的に99%の中小企業は「すでに売られている商品」しか扱ってない気がします。

  • 残念ながらそうなんですよ。

    生田
  • 安田

    マーケットを掘り起こすなんて「中小企業には無理だ」と思ってるんでしょうね。

  • 卵が先か鶏が先かみたいな話で。
    GoogleもSONYもPanasonicも元々は中小企業だったわけですよ。

    生田
  • 安田

    「ウチはそこまで大きくならなくていいんだ」と思ってるんでしょうね。

  • 1つ忘れちゃいけないのは「小さな会社のままでいる」という選択肢が通用しないケースもあるってこと。
    むしろほとんどの会社は200〜500人の中堅組織ぐらいは目指さないと生き残れない。

    生田
  • 安田

    ある程度の規模も必要だと。

  • よほどのオンリーワン企業じゃなければ規模も必要ですよ。

    生田
  • 安田

    でも単に規模を追求するだけでは大企業に勝てないですよね。

  • もちろん。独自のマーケット開拓は必要です。その上である程度の規模まで拡大していく。
    その可能性がある潜在マーケットを狙うのが1番いいってことです。

    生田
  • 安田

    実際には掘り起こしてみないと分かりませんけどね。潜在マーケットのポテンシャルって。

  • たとえばポテンシャルが5億だとしたら、それを10億〜50億の規模にしなきゃいけない。
    それが経営者の仕事ですよ。100億、1000億を目指す必要はないですけど。

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • そもそも日本には零細企業が多すぎるんです。独自の価値を持っている会社ではなく単に小さい会社ばかり。
    これはもう生き残っていけないと思います。

    生田
  • 安田

    独自のマーケットを見つけつつ、ある程度の大きさまで育てられる人じゃないともう無理だと。

  • そう思います。

    生田
  • 安田

    でも両方って難しくないですか。
    潜在マーケットを掘り起こすのと、見つけたマーケットを拡大するのと、別の能力が必要というか。

  • そういう場合は売却するのもありですよ。能力の高い人に委ねるというか。
    また新たなマーケットをどんどん作ればいいだけで。

    生田
  • 安田

    なるほど。ゼロイチをやった経営者が拡大までやる必要はないと。

  • できる人はやればいい。だけど出来ないからといって小さなままでいることが許されない時代なので。

    生田
  • 安田

    自分が作った会社を売るって身を切られる思いでしょうね。しかも業績がいい時にしか売れないだろうし。

  • 若い経営者ってもうそれが当たり前ですよ。それについていけない経営者は早く引退したほうがいい。

    生田

生田智之 伊勢で働く社長のチャンネル生田智之 伊勢で働く社長のチャンネル

※掲載されているすべてのコンテンツの無断での転載、転用、コピー等は禁じます。©Copyright Comdec. All Rights Reserved.