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Conversation対談

2024.05.13

第69回『教育ゲームの勝ちどころ』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

外国は遊びと教育をミックスしている

  • 安田

    桃鉄って知ってますか?

  • 桃太郎電鉄ですよね。はい。もちろん知ってます。

    生田
  • 安田

    それが今、学校の教材で使われているらしくて。
    地理の勉強はもちろん、算数や経済の授業にも使われるみたいです。

  • 決算とかもありますもんね。桃鉄は。

    生田
  • 安田

    そうなんですね。私やったことがないんですけど、決算あるんですね。

  • 毎年3月と4月の間に、1年間の収益をどうのこうのみたいなことをやります。

    生田
  • 安田

    なんと日本で7000校以上に導入されてるそうです。

  • 小学校ですか?

    生田
  • 安田

    当初は小学校の地理での利用を考えてたらしいですけど、どんどん応用範囲が広がってるみたいで。
    美味しそうな郷土料理を選んでレポートにするとか。

  • なるほど。全国のお土産物とか。福岡は博多ラーメンがうまいとか。そういう授業はいいかもしれないですね。

    生田
  • 安田

    遊びとビジネスの境目が曖昧になったと言われて久しいですが、
    日本の学校もようやく柔軟になってきたということでしょうか。

  • どうなんでしょうね。

    生田
  • 安田

    でも画期的じゃないですか。授業でゲームを使うなんて。
    今までだったらひたすら年表や単語を覚えるとか。暗記主体だったじゃないですか。

  • もはや暗記は必要ないスキルになってきてますから。勉強のやり方も当然変えていかないといけない時代ですよ。

    生田
  • 安田

    柔軟な発想が必要な時代ですよね。
    本を読んで学ぶだけじゃなく、こうやってゲームをやりながら社会体験を積んでいくとか。

  • 会社の決算を覚えるとか。 こっちの方がはるかに価値がありますよ。
    ただ、なんて言ったらいいんですかね。もっと斬新なことはできないんですかね。

    生田
  • 安田

    確かに。「今さら桃鉄かよ」みたいなところはあります。
    国家主導で新しい教育ゲームを作るぐらいやってもいいですよね。

  • それこそ世界の教育を変えるぐらいの目標を立てて。

    生田
  • 安田

    結局プロダクトアウトの発想なんでしょうね。
    すでにある桃鉄を使って「教育現場でこう活かせないか」ぐらいで。
    「教育のインフラを根本的にゲームで変えよう」とか「どうせだったら世界を視野に作ろう」とか、そういう発想は全然ないですもんね。

  • 鉄道というものを使うとしても、もっと複合的に学べると思うんですよ。
    台風が来たら農作物の被害が出てそこのオーナーは損しますとか。それによってその期の収益が下がりますとか。

    生田
  • 安田

    でも、桃鉄を導入するだけでも大きな進歩ですよ。

  • そうですけどね。せめて10年前にやってほしかった。
    ようやく重い腰を上げて、ひねり出して、「それなんかい?」みたいな。

    生田
  • 安田

    この10年で世界はもっと進んでますもんね。これくらいでニュースになってるようじゃダメってことですね。

  • そうですね。もう学校に行く必要がないとか。家でみんなで桃鉄でやればいいですよとか。
    ゲームから学べることってもっと多い気がする。

    生田
  • 安田

    うちの4歳の子供がiPadで勝手に色々勉強するんですよ。
    英語の発音のゲームとか、足し算や掛け算のゲームとか。
    よく出来ているなあと感じるゲームは全部外国製ですね。

  • やっぱそうですか。

    生田
  • 安田

    計算が合っていてポイントが貯まるとモンスターゲットできるとか。
    これぐらい日本でも出来そうなのに。日本製のゲームは面白くないみたいで全然やりません。

  • なるほど。

    生田
  • 安田

    日本語の読み書きが好きになるゲームとか作って欲しいんですけど。子供が夢中になるものがないんですよ。

  • 海外のゲームってそんなによく出来てますか。

    生田
  • 安田

    ほんとよくできてます。子供の関心を引きつけるような作りになっていて。
    勝手にはまり込んでいって、 気づいたら割り算ができるようになってました。4歳にして。

  • もう小学校いらないじゃないですか(笑)

    生田
  • 安田

    いや、ほんとに。だけど日本語の読み書きはやっぱり必要なので。
    これを日本のメーカーが作ってくれたら、もう学校に行く必要がない。

  • 何が足りないんですか?日本製のゲームは。

    生田
  • 安田

    足りないというか、いかにも教材って感じなんですよ。それが子供にバレちゃってる感じ。

  • なるほど。たぶん遊び心が足りないんでしょうね。

    生田
  • 安田

    そんな感じです。学研のしまじろうも真面目すぎるというか。
    学研だけが悪いわけじゃないんですけど、せっかくそこに莫大なマーケットがあるのに勿体無い。

  • 遊びと教育とか、遊びと仕事とか、日本人は分けて考えてしまうから。ミックスするのが苦手なんでしょう。

    生田
  • 安田

    遊びでお金を稼ぐ=不真面目で悪いこと、みたいな感覚がありますよね。

  • そこから変えていかないといけないでしょうね。

    生田

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