日本の考えが日本経済を負けにしている
刑務所パスタって知ってますか?今流行ってるみたいなんですけど。
いや、わからないです。刑務所パスタ?
犯罪を犯した囚人の人たちって、刑務所の中で労働してるんですよ。
してますよね。
家具を作ったり。そのひとつがパスタで「刑務所パスタ」というネーミング。
それが今めっちゃ人気あるんです。
え!美味いんですか?
めちゃくちゃ美味いらしいです。食べたことはないですけど。生パスタみたいな食感だそうです。
へえ〜
めちゃくちゃ丁寧に作っていて。1本1本検品して、不良品が出ないようにしてるらしいです。
なるほど。囚人って時間がめちゃくちゃあるから。
そうなんです。時間があるから品質にこだわって、美味しさにもこだわれる。
価格も安いんでしょうね。
「この価格でこんなに美味しいんだ」と驚くパスタだそうです。
食べた人が結構リピートするらしいです。
分かります。
でも食べ物ってイメージが大事じゃないですか。犯罪者が作ったパスタなので。
そうですね。プラスのイメージにはなりませんね。
悪いことをした人だから手抜くんじゃないかとか。いい加減な作り方してんじゃないかとか。
そのマイナスイメージからこんな人気商品が作れるっていう。
逆にそこがウリになってるんでしょうね。
そう思いました。「うちは地方だから」「こういう業界だから」ってマイナスを持ち出しますけど。
どこでもブランドって作れるんだなと。
ぜんぜん作れますよ。僕らも伊勢本社ですけど。
コムデックさんも全国ブランドですもんね。このパスタも売り切れちゃって買えないぐらい人気らしいです。
これ1袋330円って書いてますね。めちゃくちゃ安いわけでもない。
品質を考えると高くはないんですけど、めちゃくちゃ安いわけでもない。
安いパスタなんていくらでもありますからね。機械で大量生産して。
価格ではなくクオリティで売るってすごいですよね。
犯罪をした人というマイナスイメージはありますけど、それ以上に時間を持て余しているが故に、手作業でたくさんこねているという。
そうそう。そんな感じ。
ここのトレードオフがちゃんと理解されているということですね、市場に。
そうなんですよ。
おそらく囚人にもいろんな人がいて、家具を作るのが上手な人とか、こういう美味しいものを作るのが好きな人とか。
検品みたいな作業がものすごく得意な人とか。
まさにそういう人がテレビに出ていました。適材適所というか。
でも普通に考えたら「刑務所パスタ」なんて名前じゃなく、違うブランドで売りそうなのに。
そこがまたいいんじゃないですか。
「こういう環境だからこそ美味しいパスタが作れます」というストーリーが出来ていて。
ほんと、そうなんですよ。作ってる人たちもすごくプライドを持っていて。
普通の企業もこのやり方を見習った方がいいと思うんですけど。
見習った方がいいですよ。ストーリー次第でマイナスがプラスになる時代なので。
どこが価値になるかわからない。
そうですよね。マイナスをプラスにするストーリーなんていくらでも作れるし。
「うちの地方は閉鎖的だから無理なんだ」とか言い訳してちゃいけない。
伊勢でもめちゃめちゃありますよ。
刑務所パスタが人気になる時代ですからね。
逮捕されたのは短所にフォーカスが当たった結果なわけですよ。
短所が厄介を起こしたわけで。でも必ず長所があるわけなので。
その長所にもう1回光を当てて、それを価値に転換すればいいっていう発想。
なるほど。
短所で刑務所に入った人も長所で社会貢献できる。
刑務所よりはずっと恵まれた環境なんですから。