渋谷から直進500キロ?
渋谷にすごい看板があるらしいんです。
どんな看板ですか?
「USJまで直進500キロ」という看板。
USJって大阪の?団体のバス向けですか?
いや、そうじゃないんですよ。案内するためのものじゃなく洒落っていうか。
なるほど。おもしろい!
面白いですか?
「USJは楽しいですよ」って書くより面白いじゃないですか。「USJまで直進500キロ」って遠すぎて面白い。
広告のセンスが問われる時代ですよね。
何かしらの引っかかりとか、くすっとした笑いが必要な時代でしょう。
Aという価値がある時に、そのまま「Aという価値です」みたいに言っても、なかなか響いてくれない。
それにしても大阪じゃなく、わざわざ東京の渋谷に直進500キロの看板を出すって。効果あるんでしょうか。
集客効果は十分ありますよ。「USJってセンスあるよね。面白いよね。大阪行ってみるか」みたいな。
アトラクションをたくさん並べる看板はダメですか。子供ウケしそうですけど。
オフィシャルサイトと同じで「これもできるし、あれもできます」って機能優先で書くとぜんぜん記憶に残らない。集客もできないし。
確かにそうですね。「これに特化してます」という弁護士や税理士さんは集客が上手いです。
【集客に関するサービスについてはこちら】
絞り込むことで結果的に問い合わせが増えていきます。
ウリは多い方がいいと思ってる人が多いけど、書けば書くほど普通になっていくというか。
スケール化したい会社はどうしても「なんでもできます」「なんでもあります」みたいになっていきますよね。
大きくなる秘訣はラインナップの数よりも再現数ですね。
再現数?
「ここに特化したスペシャリストです」っていう人を2人、3人、4人、5人とアメーバ的に増やしていくこと。
なるほど。
「何でもできます」という人を増やすのではなく、「ここに特化してます」という人を増やすことが大事だと。
たこ焼き器みたいなイメージですね。
たこ焼き器ですか。
たこ焼きを焼きながら、お好み焼きもやって、焼きそばもやって、ってワンオペやったらお客さんを捌けない。
たこ焼きマシーンでひたすらたこ焼きの行列を捌く。この再現が大事。
たこ焼きを看板にして、お好み焼きと焼きそばも売る、というのはダメですか?儲かりそうですけど。
単に商品を増やすだけだと効率が下がります。売るなら高付加価値のバックエンド商材ですね。
高付加価値のバックエンド商材?
ロイヤルカスタマーに向けた1個三百円のたこ焼きとか。
なるほど。単に商品を増やすのではなく同じ系列の高単価商品を売っていくと。
儲かるビジネスをやるならそっちですね。
「銀だこ」はたこ焼き屋ですけどハイボールもあるし、唐揚げもあるし、いろんなおつまみがあります。
あれはどうですか?
「銀だこ」のようなチェーン店はたこ焼きだけじゃ難しいです。利益率の高いお酒も置きたいじゃないですか。
チェーン店は別のビジネスモデルということですか。
だって「銀だこ」は誰が焼いてるかって関係ないでしょ。
町のたこ焼き屋さんだったら「おっちゃんに会いに行く」みたいな意味も出てくるわけで。
人にファンが付くということですね。
そうです。銀だこが参入してきてもお客さんを取られないし、銀だこの1.5倍ぐらいの値段でも売れます。
おっちゃんとのウィットな関係みたいなのがあるので。
おっちゃんが多店舗化をやると銀だこにやられちゃいますか。
やるなら徹底的にやらないとダメですね。スケールとスモールの中途半端なポジション取りに行ったら死亡します。
スケールする場合はおっちゃんとのウエットな関係は捨てるんですか?
おっちゃんをIP(キャラクター)化するとか。
ただ大きくするっていうのは相当な覚悟がいります。ローカルで戦うなら大きくし過ぎない方がいいです。
その方が儲かるし楽しいですよ。