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Conversation対談

2023.09.11

第34話『潜在ニーズの掘り起こし方』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

顕在ニーズより潜在ニーズを掘り起こす

  • 安田

    相見積って顕在ニーズだから起こると思うんですよ。エアコンが壊れたからエアコン買いたいとか。

  • そうですね。確実にエアコンを買ってくれる顧客ではあるけど、当然、競合も出てくるわけで。

    生田
  • 安田

    そう考えると潜在ニーズの掘り起こしって大事ですよね。

  • 大事です。まだお客さんが「欲しい」とは気づいてないもの。そこを気づかせてあげる。

    生田
  • 安田

    コムデックさんはそれをやってるんですか?

  • やってますね。

    生田
  • 安田

    「キントーンを使いたい」という明確なニーズを持った人が来るわけじゃなく?

  • 何らかの課題を持った人が来ます。そこから「キントーン」というニーズを掘り起こしてあげる感じ。

    生田
  • 安田

    話を聞いているうちにキントーを使いたくなると。

  • 「自分がやりたいのはこれだ!」って分かってくる感じですね。

    生田
  • 安田

    なるほど。ちなみにニーズを掘り起こすコツってありますか?

  • 伊勢に来たとき安田さん「マガタマサブレ」を衝動買いしてたでしょ。

    生田
  • 安田

    しちゃいました(笑)他のものを買いに行ったんですけど買っちゃいました。

  • なぜ欲しくなったんですか?

    生田
  • 安田

    缶のデザインがカッコよかったのと、あとは商品説明ですかね。
    マガタマにちなんで硬めの食感にしているとか。食べてみたくなったのと家族に見せたくなったのと。

  • 分かります。僕も時々買います。アレなんてまさに潜在ニーズの掘り起こしですよね。

    生田
  • 安田

    サブレを買おうなんて思ってなかったんですけど。

  • 観光地だから「何か買って帰るか」ぐらいのニーズはあって。
    そのお財布の中の「潜在マーケットの掘り起こし」という戦略ですよ。

    生田
  • 安田

    コムデックさんも同じような戦略なんですか。

  • うちの場合はBtoBなので課題から入るんです。
    課題解決のための予算の中の「潜在ニーズ」を掘り起こす感じ。

    生田
  • 安田

    たとえば今だったら「人不足」とか?

  • そうですね。「人が採れないから何とかしたい」とか。「人不足だけど何とかして利益を増やしたい」とか。

    生田
  • 安田

    普通は「人材紹介会社」や「求人媒体会社」に行きますよね。

  • それが顕在ニーズ。だけどそれでは人不足が解消できないのでどうしようかと。

    生田
  • 安田

    だったら「業務効率化をして人を要らなくしたらどうですか」と。

  • 最低限の人数で回るようにしましょう。そのために何が必要で何が無駄なのかをまずは洗い出しましょう。
    そのためには現場の情報収集が必要ですね。という順番です。

    生田
  • 安田

    業務効率化を全く想定していない人も来るんですか?

  • 想定してなかった人もいますし、「こんなことができたらいいな」というイメージを持っている人もいます。

    生田
  • 安田

    なるほど。潜在ニーズにもいろんなレベルがあるわけですね。

  • はい。あまりにも遠うニーズは掘り起こすのが難しいです。

    生田
  • 安田

    ほとんどの会社は人不足を採用で解決しようとするでしょうから。

  • そうですね。
    課題は人不足なんですけど、それを「本人が想定してなかった方法で解決する」というのが、潜在マーケットを掘り起こす有力な方法かなと。

    生田
  • 安田

    そのために意識してることってありますか。

  • wants(ウォンツ)とneeds(ニーズ)を分けて考えますね。
    今すぐ欲しいのが「ウォンツ」で本質的なところまで深掘りすると「ニーズ」が出てきます。

    生田
  • 安田

    なるほど。ウオンツではなくニーズ。

  • それをうまく引き出すには、お客さんの課題ヒアリングを丁寧にやらなくちゃいけない。

    生田
  • 安田

    深いところまで聞いていくと、本人も気づいてない課題に行きついたりしますよね。

  • そうなんです。

    生田
  • 安田

    たとえばライザップって、結構大きな潜在ニーズを掘り起こしたじゃないですか。

  • 大きかったですね。

    生田
  • 安田

    あれはどういう潜在ニーズを掘り起こしたんでしょう?

  • 「痩せたいとは思っていたけどジムに行くことは考えてなかった人」を掘り起こしたんでしょうね。

    生田
  • 安田

    これまでもジムはあったし、トレーニングして食事制限すれば痩せるに決まってるし、すごく新しい手法でもない気がするんですけど。

  • 「必ず3ヶ月で痩せる」というのが新しいんじゃないですか。

    生田
  • 安田

    コミットメントってことですか。

  • コミットですね。それが莫大な潜在ニーズを掘り起こしたわけですよ。

    生田
  • 安田

    でも言われた通りの運動して、言われたものしか食べなかったら、絶対痩せますよ。

  • それで痩せないことは医学的にはあり得ないですね(笑)

    生田
  • 安田

    それで痩せなかったら逆に病気じゃないですか(笑)
    そこをコミットするだけで、あれだけ大きなニーズが掘り起こせると。

  • ライザップは大発明ですよ。
    結局人はダイエット器具が欲しいわけではなく、走りたいわけでもなく、痩せたい!

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • ドリルやスコップが欲しいわけではなく穴が欲しいのと同じ。

    生田
  • 安田

    このパターンって、いろんなところに使えそうですよね。

  • 「売り方」や「見せ方」を変えるだけで潜在マーケットは掘り起こせます。

    生田
  • 安田

    「8分どん兵衛」も潜在ニーズを掘り起こしてるんですか?不便になってますけど。

  • 不便なんですかね?

    生田
  • 安田

    不便でしょ。8分もかかるカップラーメンですよ。

  • いまは隙間時間の埋め方が多岐に渡ってるじゃないですか。

    生田
  • 安田

    そうですね。隙間時間というものが無い状態というか。

  • じつは最近、移動のストレスを感じなくなったんです。
    昔は新幹線で東京に行くのが面倒だったんですけど。今はスマホさえあれば仕事もできるし、映画も観れるし。

    生田
  • 安田

    8分どん兵衛も不便だとは思わないと。

  • 余裕で8分待てる世界になってきたのかなと。

    生田
  • 安田

    確かにそうですね。東京→名古屋の1時間半も苦にならないですからね。

  • 逆に30分だと逆にやることがなかったり。

    生田
  • 安田

    マンガをゆっくり読むのに1時間半はちょうどいいです。

  • 昔はパソコンも重かったし、立ち上がるまで面倒だったし。
    今はパパパっと隙間時間でいろんなことができちゃう。

    生田
  • 安田

    3分だと逆に短すぎると。

  • 待たせることがデメリットじゃない世の中になってきてる。
    逆に「待たせる」という潜在マーケットがあるんじゃないかな。

    生田
  • 安田

    なるほど。面白いですね。

生田智之 伊勢で働く社長のチャンネル生田智之 伊勢で働く社長のチャンネル

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