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Conversation対談

2023.09.04

第33話『裏が表になる時代』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

ブランド=認知ー普及

  • 安田

    集客とか営業って、どうやっていくのが正しいと思いますか。中小企業にとって。

  • まず「買ってくれ」っていう広告は出さない方がいいですね。認知を高めるための広告ならいいけど。

    生田
  • 安田

    営業に関してはどうですか?

  • 人は基本的には営業されたくないので。自分で選びたい人が圧倒的に多い時代じゃないですか。

    生田
  • 安田

    でも営業がいらないかと言われると難しいですよね。人によって売上が大きく変わるわけですし。

  • そうですね。紹介取ってくるのがうまい人とか。
    だけど営業が上手い人って、なんか営業っぽくないんですよ。

    生田
  • 安田

    確かに。

  • やってることが営業ではなくカスタマーサクセスなんです。

    生田
  • 安田

    カスタマーサクセス?

  • たとえばコムデックでは「この商品はあなたの会社のどういう弱点をカバーしてくれます」という相手に寄り添った説明をします。

    生田
  • 安田

    「だから買ってください」とは言わない?

  • 言いませんね。
    他社のサービスと比較した投資対効果とかも言わないです。聞かれたら言うぐらい。

    生田
  • 安田

    なぜ言わないんですか?

  • それをやると相見積になるから。こっちとしても効率が悪いわけです。

    生田
  • 安田

    なるほど。営業しない方が結果的に効率はいいと。

  • はい。ただし、うちとお付き合いしたい人が集まってくる設計にしないとダメ。

    生田
  • 安田

    そのための広告はしないんですか?

  • 基本的に広告はしません。とくに営業広告はしません。

    生田
  • 安田

    「10分だけお時間ください」みたいな営業もしない?

  • ありえないです。

    生田
  • 安田

    営業スタイルが変わりつつあるんでしょうね。
    ゴリゴリ営業する代わりにホームページを充実させるとか。

  • 商品ごとにLPを作るとか。YouTubeも大きな意味での営業の一環だと思ってます。

    生田
  • 安田

    広告や営業が必要ないってことではなく、時代に合わせて形を変えなきゃいけないってことですね。

  • 「買ってください」の広告はバカがやることで、僕らがやる広告は買えないことを広告してるんですよ。

    生田
  • 安田

    ほほう。買えないことを広告する?

  • 正確に言うと、僕らは「買えない人を増やすため」に広告してるんです。

    生田
  • 安田

    面白いですね。

  • 「ブランド=認知ー普及」という考えなので。だから僕らは1000社までと決めてるわけですよ。

    生田
  • 安田

    でも断るほど集めるのは経費の無駄じゃないですか。

  • 僕らは「イケてる会社」とお付き合いしたいので。言い換えるなら長く付き合いたいわけですよ。

    生田
  • 安田

    なるほど。いい会社なら長く付き合える。そのためのコストだと。

  • そういう戦略ですね。認知が増えた方がイケてる1000社を集めやすい。

    生田
  • 安田

    断るべくして集めてるわけですね。

  • 結果的にそうなってます。
    狙ってる魚を集める過程で狙っていない魚も寄ってくるじゃないですか。

    生田
  • 安田

    「安くしてくれ」って人も当然来ますよね。

  • そういう人はもう基本的にお付き合いしないわけです。

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • イケてる1000社を集めると同時に、お付き合いできない人も同時に増えていく。
    結果的に買えない人も増やしてるって感じです。

    生田
  • 安田

    買えないとイメージが悪くなりませんか。

  • それがブランドの本質なので。
    クリスチャンディオールもルイヴィトンも、広告しまくってるけど買えない人の方が圧倒的に多いわけですから。

    生田
  • 安田

    確かにそうですね。
    エルメスのバーキンなんて買えないことがブランドで。

  • 買えない人を増やす広告の方が中小企業には合ってると思います。

    生田
  • 安田

    中小企業はガンガン広告をやるほどお金がないですよ。

  • だから僕らはYouTubeをお勧めしてるんですよ。

    生田
  • 安田

    YouTubeは中小企業に合っていると。

  • なんせ人もブランディングできますからね。
    「この商品、このサービスが欲しい」って思わせるのも大事ですけど、商品やサービスは代替されやすいじゃないですか。

    生田
  • 安田

    人は真似ができないと。

  • 人も含めての商品やサービスは真似がしにくいです。

    生田
  • 安田

    差別化もしやすいですよね。同じ人はいませんから。

  • そうなんですよ。

    生田
  • 安田

    だけど1人でこなせる社数は限られてしまう。そこがボトルネックにはなりませんか?

  • 当然、断る人も増えてくるけど、それによって「この人に頼みたい」というブランドが高まっていくわけです。

    生田
  • 安田

    そういう人材が集まって会社のブランドになっていくと。

  • 今の時代にはまずいラーメン屋なんてないわけですよ。
    A店の醤油ラーメンも、B店の醤油ラーメンも、まずくはないわけです。

    生田
  • 安田

    みんな美味しいラーメンは作れると。

  • なぜ美味しいかが重要なわけです。
    A店のマスターはこだわった出汁の取り方をしてるとか。そういうのが伝わって強力な集客力になる。
    【集客に関するサービスについてはこちら】

    生田
  • 安田

    なるほど。人プラス商品ってことですね。

  • 動画は一番そこを伝えやすい。じつは最近、町中華のYouTubeばっかり見てまして(笑)

    生田
  • 安田

    どんなYouTubeですか。

  • 厨房の中できびきび動くスタッフの動画。
    材料を切るのがめちゃくちゃ上手かったり。炒め方がカッコよかったり。
    「ああ、この人が作った炒飯食べたいなあ」ってなる。

    生田
  • 安田

    炒飯を作ってる動画とか多いですよね。

  • 同じ炒飯の動画でも連携とかが違うんですよ。最高の手際で作ってるチャーハンはうまそうだなって思います。
    やっぱプロセスが大事なんです。出来上がったものの味だけじゃなく。

    生田
  • 安田

    プロセスが分かると余計おいしく感じますよね。

  • そう。それがブランドになる時代。

    生田
  • 安田

    となると仕事のプロセスも公開しないといけないですね。

  • だから動画が合ってるんですよ。中小企業にはもう必須です。
    肉磨きの動画とか見て勉強しないと。

    生田
  • 安田

    肉磨きって焼肉屋さんの仕込みの動画ですよね。

  • そう。肉の塊から余計な筋を取って切り分ける動画なんですけど。昔は完全に裏方の仕事だったわけですよ。
    だけど今は「この人が切り分けたこの肉めっちゃ美味しそう」って食べたい人が集まってくる。

    生田
  • 安田

    その人はその店にしかいないから店のブランドになると。

  • 裏方が表になっちゃう時代なんですよ。今は。

    生田

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