人手不足を解消するためには商品力・サービス力の向上が不可欠
いま日本中で人手不足倒産が大変なことになっていまして。
そうですよね。
私もいろんな会社のお悩みを聞く立場なんですが。100社中98社くらいが人不足です。
僕の感覚でもそれくらいですね。
人が足りなくてどうしようもないっていう。だけど人を集めるには待遇を良くして給料も増やさなきゃいけない。そのためには値上げしないといけない。
値上げは必須でしょうね。商品単価を上げないともう人は雇えないですよ。
でもこれができないんです。値上げするとお客さんが離れてしまうと思っていて。
値上げしないと社員がいなくなるし。八方塞がりという状況で。
値上げ云々の前に「商品力やサービス力」が上がってないということでしょう。
値段だけ上げるのは無理だと。
無理でしょう。僕らは中小企業のIT活用をサポートしてますけど、多くの中小企業はITを使って業務改善をやるんです。
業務改善ですか。
はい。それって簡単に言えばコストを下げる仕事なんですよ。
ほうほう。
だけど本当のIT活用っていうのは会社や事業のバリューアップをしていくことで。
コストダウンではなくバリューアップが本来の目的だと。
それが本来あるべき姿なんですが、まだまだそこに至る中小企業は少ないです。
故に、値上げできている中小企業が少ないのかなと。
なるほど。順番としてはまずは商品力・サービス力を上げるってことですか。
商品力、サービス力を上げてその価値をマーケットにしっかり伝える。
中小企業は情報発信が少な過ぎますよね。
そうなんですよ。情報発信して「正しく価値を伝える」ってことが大事です。
コムデックさんは情報発信もお手伝いされてますよね。
はい。DXart(デザート)というサービスで「顧客のファン化・新規顧客の獲得」を目的とした情報発信サポートをしています。
やはり値上げするには新規集客が必須ですか。既存の顧客だけでは値上げしづらいというか。
理想を言えば2兎追ってほしいとこではあります。
新規のお客さんもしっかり獲得しながら既存のお客さんの値上げも実現していく。
その気になれば両方できると。
できると思います。
ただ双方に共通するのは、昨日より1%でも商品力・サービス力を高め続ける継続的工夫なんですよ。
やはり基本はそこですか。
中小企業って皆さん勤勉なんですよ。真面目なんです。
社長が一番勤勉ですよね。
そう。社長が朝1番に出社して最後までいる。
でもそれで戦えるのは人口増加時代なんです。マーケットが拡大している時代の話。
真面目なだけでは商品力は上がらないと。
上がらない。必要なのは勤勉さではなく工夫です。
「真面目にやり続ければ商品力も上がっていく」と考えている経営者は多いですけど。
それは間違いですね。お客さんに聞いたらすぐ答えは出ると思います。
そもそも多くの中小企業は顧客の声というものを聞いてない。
そうですか?聞き過ぎているイメージですけど。
「もっと安くしろ」とかそういう表面的な声しか聞いてない。
新規市場が何を求めているのか、潜在的に抱えてる課題は何なのか、そういう声を聞くためのコストを割いてない。
表面的な声だけ聞いて「安く売るしかない」と結論づけてしまっているわけですね。
そういうことです。社員の給料を抑えてなんとかしのいできたわけですよ。
だけどそれは真面目な方の努力であって、この延長線上には未来はないってことです。
潜在的な声を聞くにはどうしたらいいんでしょう。
しっかり情報発信して新規顧客にアプローチすることだと思います。
そもそも中小企業は既存のお客さんに頼りすぎてるんですよ。だから安くしてくれって言われてもノーと言えない。生殺与奪権を握られちゃってる。
既存顧客に値上げしてもらうには新規顧客の開拓が必須だと。
新規顧客にアプローチしながら商品力・サービス力を磨いていく。
その結果として既存顧客の値上げも実現する。これが正しい努力だと思います。