社長はお金を惜しんで時間を消費している
「新マーケットを掘り起こすのは大企業の仕事だ」って思っている経営者が多いですよね。
多いですね。莫大な費用がかかると思っていたり。
それって0→1のイメージが強すぎるからだと思うんですけど。
同感です。
「世の中にこれまでなかったような概念やサービス」を生み出すイメージが強いんでしょうね。
でも新マーケットってもっと身近なところにありますよね?
そうなんですよ。
高齢者向けだった商品を若者向けに変えるとか、女性向けを男性向けに変えるとか。
ターゲットをズラすだけで新商品になる。
ほんのちょっと見え方を変えたり、ターゲットをズラすだけで新マーケットって出来ちゃいますよ。
というか本当の意味での0→1の方が逆に少ない。
ほとんどないと言ってもいいと思います。
つまり中小企業がやるべき「マーケット開発」「新規顧客の創造」は、ほんのちょっとの工夫ってことですよね。
そうなんです。ほんの少しズラすだけで状況はガラッと変わります。
プラスアルファの市場がドカンと見えてきたり。
マーケットリーダーになれますね。だけどビックリするほど皆さんやらないんですよ。
ですよね。
前にも話しましたけど小さいレベルで満足しすぎ。
事業内容も二番煎じ三番煎じみたいなのばかりで。
「新たなマーケットを切り開こう」なんて人の方が少ない。
残念ながら成長志向があんまりないですよね。「食っていくためにやってるだけ」という感じ。
だから売上1億とかで満足しちゃう。
食っていくだけなら十分ですからね。
そうなんですよ。
3億もやったら地方のライオンズやロータリーでそれなりに認められちゃうから。成功者として。
それで満足してしまう。
「早く10億を目指さなきゃ」って自分にプレッシャーをかける経営者は地方にはいない。
そもそも成長意欲が足りないと。
足りないですね。マーケットをデカくしようなんていう気持ちがない。
経営者なのに成長意欲がないって、ちょっと信じがたいですけど。
もちろん本人は「意欲がない」とは思ってないでしょう。
だけど去年と同じことをやってるってことは意欲がないということですよ。
ずっと同じことをやってる中小企業って多いですよね。
人不足で困る原因も同じですよ。3年前と同じことを言ってるだけ。
「この3年間でどんなチャレンジしたんですか」ってこと。行動せずに結果が変わるわけがない。
社員には「行動しろ」と言っているはずなのに。
社員にも見抜かれていると思いますよ。「社長は全然変わんないじゃん」って。
まずは社長が変わることですか。
それしかないですよ。
仮に社長が変わる気になったとして何から始めればいいですか。
まずは自社の事業を俯瞰的に見る訓練ですね。
「ウチはこういうことで顧客の課題を解決している会社だ。
だったらターゲットをこっちにズラしても成り立つはずだ」みたいに考える訓練。
なるほど。
その上で事業を細分化して掘り下げていく。
「ここを3つに分けてみよう」「ここを深掘りしてみよう」という順番ですね。
俯瞰的に見るところで大部分の社長が躓く気がするんですけど。
それって事業を抽象化するということですよね。
そうそう。みんな具体化ばっかりやろうとするから。まずは抽象化する。
でも日本人は抽象化が苦手みたいですよ。具体化していくのは得意みたいですけど。
苦手とか言ってる場合じゃない。すぐ近くにニューマーケットがゴロゴロしてんのに。
なぜそれを取りに行かないのかっていう話。経営者の仕事ですよ。
どうやったらそういう能力が身につくんでしょう。
もう練習あるのみですよ。できないんじゃなくて、やってないんですよ。圧倒的に時間をかけてない。
なぜやらないんでしょうね。自分の会社の未来がかかっているのに。
すぐ忙しいとか言うんですよ。月末だからとか月初だからとか。
でもそんなの関係ないんです。社長って作ろうと思えば時間なんて作れるわけですよ。
確かに。
だけど目先のお金を惜しんで大切な時間をどんどん消費してる。
足りないのはスキルじゃなく経営者のやる気ってことです。