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Conversation対談

2023.11.27

第45回『売ってから作る。これが正しい順番』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

普通逆では?と思いますよね

  • 安田

    イーロンマスクの本は読みましたか?

  • 読んでないです。あの上下巻のやつですよね?

    生田
  • 安田

    そうそう。ジョブズの本と同じ人が書いているみたいです。
    そこにすごく興味深い話が書いてあって。

  • どんな話ですか?

    生田
  • 安田

    イーロンマスクの従兄弟が「ソーラーパネルを屋根に取り付ける事業」を立ち上げるんです。
    だけど、なかなか上手く広がっていかなくて。

  • はいはい。

    生田
  • 安田

    それで営業部隊に力入れるんですけど、マスクがそれをすごく嫌うわけです。

  • なぜですか。

    生田
  • 安田

    営業力で売ろうなんていうのは、もう逃げだと。いい商品は営業なんてしなくても売れるんだと。

  • はいはい。なるほど。

    生田
  • 安田

    営業なんて無駄なことをせず「もっといい商品を安く作れ」って、みんなクビにしちゃうんですよ。従兄弟も。

  • クビですか(笑)さすがマスクですね。

    生田
  • 安田

    やることが極端なんです。生田さんはどう思います?良い商品を作れば売れると思いますか。
    営業部隊なんて要らないし無駄でしかない。

  • まあ、一理あるかなとは思いますね。本当に突出していい商品は売れると思います。

    生田
  • 安田

    へえ〜

  • 0→1だと、ちょっと状況は違うかもしれないですけど。

    生田
  • 安田

    0→1の場合は営業力も必要だと。

  • 営業というか広報活動が必要でしょうね。
    マスクの場合は自分で「こんな商品を作る」とか「こんなにすごいぞ」って、大風呂敷広げてPRするわけで。

    生田
  • 安田

    普通の経営者はそんなやり方できないですもんね。あんなに有名じゃないし。

  • エンタメに例えるとわかりやすいんですけど。たとえば「ライオンキング」って今はあまり広告してないですよね。

    生田
  • 安田

    そうなんですか。

  • はい。もうみんな知ってるので。

    生田
  • 安田

    なるほど。もう広告の役割は終わったと。

  • そう。だけど劇団四季でも「バケモノの子」って、ずっと宣伝してるんですよ。

    生田
  • 安田

    へえ〜

  • それは結局バケモノの子に商品力がないからですよね。

    生田
  • 安田

    そもそもヒットの要素が足りないってことですね

  • そう。足りないんですよ。こんなこと言ったら劇団四季のファンに怒られそうですけど(笑)
    でも、そういうことなんですよ。

    生田
  • 安田

    商品力があれば広告は最低限で済んでしまうと。

  • 本質的にはそうです。普遍的な法則というか。
    初期の「背中を押すための広告」はいいんですけど、広告なしで走れる、営業なしで普及していくだけの「サービス力、コンテンツ力」がないと話にならない。

    生田
  • 安田

    つまり商品そのものが良くないと、売りようがないと。
    でもビッグモーターなんかは現場の営業力とテレビ CMだけでガンガン売ってましたよ。

  • だからサービスが悪いじゃないですか。商品価格の7割ぐらいが広告費なので。

    生田
  • 安田

    確かに。ハズキルーペもテレビCMを買ってるみたいなものですもんね。

  • だから続かないんですよ。たとえばスターリンクに広告費用は乗ってないですよ。

    生田
  • 安田

    イーロンマスクが人工衛星を飛ばして作ったインターネットですよね。

  • はい。広告を打たなくても商品自体に力があるので売れていく。
    だけど重要なのは相互作用だと思うんです。新規事業が既存事業とシナジーがあるかどうか。
    ここが一番重要。

    生田
  • 安田

    商品力があってもシナジーがないとダメってことですか?

  • ダメだと思います。マスクが「これまじでいいぞ」って宣伝しても洗剤やモップは売れない。

    生田
  • 安田

    なるほど。奥が深い。

  • 社長か、会社か、既存の商品サービスか、どこかとシナジーがないと。やっぱり広まっていかないですよ。

    生田
  • 安田

    いかにシナジーを持たせて「営業や広告を少なくする仕掛け」を作るか。

  • 日本人の経営者はそこをおろそかにし過ぎてます。
    アメリカや中国の会社は作る前に買えちゃうんです。「こんなコンセプトで商品を作ってます」って、商品やサービスが無い段階から世の中にガンガン発信するんですよ。

    生田
  • 安田

    イーロンマスクもロケットが飛ぶ前から座席を販売してましたもんね。

  • テスラもそうですよ。もう存在するかのごとく売ってましたから。お金もそれで集めるんです。
    でも日本人はそこがダメ。ブツを作ってから伝えに行きますから。

    生田

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