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Conversation対談

2023.09.18

第35話『業務改善は人を二極化する』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

「業務=人に言われたことをやる」では時代に取り残される

  • 安田

    業務改善が進むと「AIに仕事を奪われる」と言われてまして。

  • はいはい。

    生田
  • 安田

    でも生田さんは「業務改善することで人はハッピーになる」って言ってますよね。

  • 言ってますね(笑)

    生田
  • 安田

    なぜそう言えるのか聞きたいんですけど。

  • 「業務をどう定義するか」というのが大きなポイントで。

    生田
  • 安田

    ほほう。

  • 「仕事がなくなる」と言っている人たちは「業務=人に言われたことをやる」という定義なんですよ。

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • 僕らは「業務=人の困り事や社会の困り事を解決すること」と定義しているわけです。

    生田
  • 安田

    そもそも改善すべき業務が違うと。

  • 業務をクリエイティブなことだと定義しているか、単なる作業だと定義しているか。その2つに分かれる。

    生田
  • 安田

    つまり幸せになる人もいればそうじゃない人もいると。

  • 「言われたことを言われた通りの手順でやります」って人からすると、改善されちゃうと介入する領域が減るので。

    生田
  • 安田

    そっちの方が圧倒的に多そうですけど。

  • 残念ながらそっちの方が多いですよね。

    生田
  • 安田

    それで仕事がなくなるのは仕方がない。

  • 時代の流れなので。

    生田
  • 安田

    時代の流れってありますよね。道端にゴミを捨てて「ゴミ拾いの仕事を作ってるんだ」とか言っても許されない。

  • 昔はタバコのポイ捨てが普通でしたもんね。

    生田
  • 安田

    ポイポイ捨ててましたよ。みんなが捨てなくなるとゴミを拾う仕事はなくなるかもしれない。
    だけどそれは仕方ないってことですね。

  • 作業志向の人は仕事がなくなる。創造志向の人は「この時間でもっと面白いことしよう」って思う。
    これは仕方のないことです。

    生田
  • 安田

    クリエイティブな人とそうじゃない人で二極化すると。

  • そうなんです。だけど想像力のない人間なんて本来いないはずで。

    生田
  • 安田

    たくさんいますよ。

  • それは想像力をどこかに忘れてきちゃっただけで。

    生田
  • 安田

    どこに忘れてきたんですか。

  • 小中高、大学という過程で「言われたことをまずやれ」みたいにやってるから。

    生田
  • 安田

    それが日本の教育ですよ。

  • 「ここからここが出題範囲だからここを暗記する」という頭の使い方をすると、想像力を使わなくなっていきます。

    生田
  • 安田

    勝手な解き方をしたら怒られますからね。

  • だから「考えること=価値を生み出すこと」ということを1回も教わらないまま社会に出てくる。

    生田
  • 安田

    みんなで一生懸命イエスマンを育ててます。

  • 「自分で考えて自分で想像して仕事する?」「そんなの教えてもらったことありません」って人を大量に生産してますね。

    生田
  • 安田

    教育を変えられないのも同じ理屈なんですよ。「言われた通りにしか教えられない」って人が職を失うから。

  • 無理やり変えてしまえばいいんですよ。そしたらみんな変わらざるを得ない。

    生田
  • 安田

    私もそう思います。洗濯機で手洗い仕事がなくなっても、今では全く問題ないわけで。

  • とくに今は人不足だし仕事なんていくらでも出てきますよ。

    生田
  • 安田

    時間ができたら、みんな有効なことに使うようになっていきますか。

  • いやあ。時間ができたらパチンコ、パチスロに行って終わっちゃう人もいるから。
    そもそも時間なんて今までもあったわけで。

    生田
  • 安田

    確かに。

  • 仕事が終わったら家に帰って、ストロングゼロのロング缶を飲んで、週末は競艇に行くという。
    この習慣をまず変えないと。

    生田
  • 安田

    そこまで極端なのは一部の人だけですよ(笑)

  • いやいやいやいや。結構そういう人は多いですよ。家で寝てるだけとか。競艇に行かないまでも。

    生田
  • 安田

    そういう人たちは業務改善では幸せにはならないですよね。

  • 残念ながらならないでしょうね。

    生田
  • 安田

    幸せになるのは多少なりともクリエイティブ発想を持ってる人だけ。

  • 成長志向があって、自分で考えて行動できる人からすると最高ですよ。
    生産性の低い面倒な仕事はなくなっていくんですから。

    生田
  • 安田

    優秀なのに無駄な仕事をやらされてる人ってたくさんいますからね。

  • そういう人を業務改善プロジェクトに入れちゃえばいいんです。

    生田
  • 安田

    全体の生産性が上がれば結果的に最低賃金も上がりますよね。
    クリエイティブじゃない人も結果的に収入が増えていくのでは?

  • そうなってほしいですけどね。

    生田
  • 安田

    なりませんか?
    これまでも社会の発達とともに、みんな収入が増えて生活も豊かになって来たじゃないですか。

  • 今回は2極化するかもしれません。
    言われたことしかやらない人は本当に取り残されて。ものすごい差ができる可能性があります。

    生田
  • 安田

    だけど業務改善は避けられないですよね。

  • 避けられないです。だから業務改善で「幸せになる人」にならないと。

    生田
  • 安田

    どうやったらそちら側の人になれるんでしょう。

  • 自分で考えて工夫することを損だと思わないことですね。

    生田
  • 安田

    工夫を損だと思うんですか?

  • 「ちゃんと言ってくれなきゃわかんねえ」「やり方わかんねえよ」って。
    それを自分で考えることが損だと思ってる。

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • そういう面倒な人はシステムに置き換えられていく。
    人間にはクリエイティブな仕事しか残らなくなっていくんですよ。

    生田

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