その通りだと思いますよ。みんな売られるのが嫌いなので。

お客さんに「自分で発見してもらって、納得してもらって、買ってもらう」。
この仕組みを作り出せない会社はもう生き残れないでしょう。

広告なんて具の骨頂ですよ。

基本的に僕はドラッカーが好きで。マーケティングの目的は営業を不要にすることだっていう。

「買ってくれ」なんて言わなくても、本当に相手にとって必要なものなら自然と愛されるはずで。
広告は必要ないし営業する必要もない。

「売ってください」だったら「いくらだったら買いますか」って、こっちが主導権を取れるわけで。

だけど未だに広告と営業の掛け算で売ろうとする人が多い。

人に言うのが恥ずかしい言葉になっていく気がしますよね。

広告もそうなっていきますよ。

今は逆ですよ。ガンガン広告してる会社は「売りたいんですね」っていう。

全ての広告が悪いとは言いませんけど。売らんが為の広告は逆効果ですよ。

ビジネスの種類によってありますよ。欲しいと言ったら全員が買えるものなのか。
欲しいと言っても数量限定で買えないものなのか。

たとえばエルメスやシャネルが都心のど真ん中に店を構えるのは、「たくさん買ってください」の広告ではないですよね。

そうそう（笑）ブランドって「認知マイナス普及」なんですよ。

知ってるし、欲しいけど、買えない。そういう人が増えれば増えるほど、買える人のステータスが上がる。

つまり買わない人を増やすための広告ですね。これは効果が落ちないと思います。

あれは値引きとセットの煽り商法じゃないですか。

もっと練り込まれた広告じゃないと、価値が劣化していきます。

安田さんが言うようにもう視聴者にバレちゃってます。
今は広告の出し方が非常に大事ですよ。

そうなんです。リスティング広告が効かなくなってるのもまさにそこで。

だって広告をガンガン出してるような葬儀会社に、お葬式頼みたくないでしょう。

ユーザーのリテラシーがめちゃくちゃ高くなってますから。
だからヘタな広告を出すと逆効果になるんです。

だから工夫が必要で。

色々ありますけど、たとえば「無料で資料をダウンロードできます」というアプローチもそうですよね。

マーケティング戦略ですね。見込み客リストを収集するための。

ちょっと面倒だったり、ちょっとお節介だったりが、ちょうどいいんです。
そこがマーケティングの腕の見せ所というか、考え所です。

ティッシュ配りみたいになってしまうとダメですね。「誰でもいい」感が出てしまうので。
「必要な人だけ」「選ばれた人だけ」と感じてもらうことが大事。

そうですね。使ってる人はそこまで考えないんでしょうけど。

年配の人には受けるんでしょうね。若い人には通用しないですけど。

若者になるほど難しいですよ。情報リテラシーも高いし。
ハズキルーペのようなやり方は通じないですね。

リテラシーの高い人はそう思うわけですよ。

はい。どんどん増えていくと思います。だから売り方を工夫するしかないんです。

広告だと気が付いてなければ気にならないんです。
だけど一旦気づいてしまうとすごく鬱陶しい。

はい。そう考えると「営業マンはいずれ要らなくなる」というのも必然ですね。

いつ頃から言ってたんでしたっけ？

安田さんは言うのが早すぎるんですよ（笑）