> 対談一覧 > 第28話『富裕層ビジネスの未来』
富裕層の形態
安田インバウンドが復活してきました。最低でも300〜400万円資金を持って遊びに来るんですって。
完全に復活しましたね。
生田
安田食事や遊びの予算だけで1000万円使う人もいるみたいで。
いわゆる富裕層という人たちは1泊10万円以下の宿には泊まらないそうです。
海外の富裕層は桁違いですから。
生田
安田1泊30万円がもったいないとは思わないんでしょうね。
資産総額が違いますよ。1000億円持ってたら30万円なんて端金です。
生田
安田生田さんが1000億持ってたら1泊30万のホテルに泊りますか?
私は泊まらないでしょうね。
生田
安田ですよね。寝るだけで30万円はどうしてももったいなく感じてしまう。
富裕層の人は普段から「すごく広い家」で過ごしているわけじゃないですか。
生田
安田そういうイメージです。
たとえ1日でも狭い部屋に押し込められるって、耐えられないんじゃないのかな。
生田
安田「こんな狭いところに俺を閉じ込めるのか!」みたいな。
そうですね(笑)
生田
安田富裕層からしたら1泊5万円の部屋は「三畳一間」みたいなものでしょうか。
そうかも知れません。ちょっと僕の感覚では分からないですけど。
生田
安田「いくらなんでも狭すぎるだろ」という感覚なんでしょうね。
普段住んでいるところが広すぎて。
そもそも金銭感覚が全く違うので。
生田
安田「トムクルーズが来た」という沖縄の料理屋さんに行きましたけど、至って庶民的でしたよ。
それがいいんじゃないですか。
生田
安田あえてそれを体験してると。
たとえばスペインの田舎に行って、地元の人だけが食べる美味しい料理屋とか、行ってみたいじゃないですか。
生田
安田確かに。そんな感覚なんでしょうね。
旅先だとそういう感覚になりますね。
逆に普段はそんな店にはいかないと思いますよ。トムクルーズは。
生田
安田「今日は軽く済ませておこう」という店がすごい高級店だったり。
そうそう。
生田
安田じゃあ沖縄の店に行って、あまりの安さに驚いたでしょうね。
逆に驚かないんじゃないですか。もう「20万円以下は全部一緒」みたいな感覚だと思います。
生田
安田なんと!
だって1泊100万のホテルに泊まり続けても、ほとんど資産が減らないわけですよ。本当のお金持ちは。
生田
安田ちょっと想像できないですね。
僕らの感覚で言うと、まあ100円と1000円、どっちでも一緒かなっていうのが、彼らで言うと、1万円と100万円も変わんない。
生田
安田彼らにとっては100万円も100円も同じだと。
同じでしょうね。
だから「少しでも楽しみたい」「何かを持ち帰りたい」という部分に出し惜しみしないんでしょう。
生田
安田だったら高い方を選びますよね。
高いところに泊まっといた方が「その確率は高いだろうな」という感覚でしょう。
生田
安田高いところに泊まっといた方が「その確率は高いだろうな」という感覚でしょう。
そう。プラスの確率も高いし。マイナスを食らう確率も低い。
生田
安田100万円が100円感覚だったらそうなりますね。
彼らにとって100万円と20万円は一緒だから、1%でも確率が上がるなら100万円の方にベットする。
生田
安田我々が1万円の宿と1万1000円の宿を比べるようなイメージですね。
あと1000円出してサービスが良くなるなら、「こっちの方がいいよね」って。
JALのクラスJみたいなものでしょう。
生田
安田プラス1000円で座席が広くなるっていう。
日本人もそこに向けてビジネスする感覚を持たないと。
日本の地方には本当の富裕層が泊まりたいホテルがないので。
生田
安田そうみたいですね。
全然ないですよ。だから外資がガンガン建てようとしてるじゃないですか。
生田
安田日本人もそこに投資すればいいのに。
やっぱりその感覚が分からないんでしょうね。
生田
安田想像できないものでしょうか。
富裕層が誕生日プレゼントで「1番欲しいものは何か?」という、なぞなぞがあって。
生田
安田島とかじゃないですか。宇宙旅行とか。
そう思いますよね。
生田
安田何が欲しいんですか?
誕生日プレゼントを「全部持ち帰ってくれる」というプレゼントだそうです。
生田
安田なんと。
もうこれ以上「モノを増やさないでくれ」ってことでしょう。
生田
安田欲しいものはもう全部持ってると。
貰ったものをむげにもできないから。
生田
安田家が広いから置く場所はあるんでしょうけど。
場所があっても置きたくない。でもそういう感覚って僕らには分からないじゃないですか。
生田
安田確かに。
やっぱり「富裕層の生態系」というものを、ちゃんと研究しないとダメですよ。
海外はそういう研究をしてるから。
生田
安田そんな研究があるんですか。
中国はまだ富裕層の歴史は浅いですけど、凄いじゃないですか。
生田
安田確かに。中国のお金持ちは1本100万円のウイスキーやワインをポンポン開けますよね。
そういうビジネス感覚が研ぎ澄まされてます。
生田
安田富裕層が出てきたのって日本よりも後なのに。
富裕層の数も多いし、持ってる資産の桁も違う。
日本とは富裕層ビジネスのレベルが違いますよ。
生田
安田もはや富裕層ビジネスでは中国に敵いませんか。
今の日本人の感覚だったら敵わないと思います。完全に安売りに慣れてしまっているので。
生田
安田日本人相手に商売してると、どんどんその感覚が鈍っていきますね。
その延長でビジネスやサービスを考えている限り、外資には絶対勝てないでしょう。
生田