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Conversation対談

2023.07.03

第24話『アップルと国家の関係』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

あなたもアップルファンですか?

  • 安田

    日本政府がアップルに「アプリストアを開放しろ」と言ってます。

  • そうみたいですね。

    生田
  • 安田

    「もっと安く日本企業に開放しろ」ということだと思うんですけど。

  • まあ、しないでしょうね。

    生田
  • 安田

    しませんか。日本政府にそんな力はない?

  • GAFAクラスになるともう圧倒的に力がありますから。国家というレベルを超えてますよ。

    生田
  • 安田

    国がコントロールして言うことを聞かす、みたいなのはもう無理だと。

  • 無理じゃないですか。国家の力自体が落ちてきていますし。

    生田
  • 安田

    それはどういうところで感じますか?

  • 国家は社会システムを保障することが役割だと思うんです。
    通貨とかセーフティネットとか。

    生田
  • 安田

    そういうイメージです。

  • そのうち、まず通貨に関しては、もう国を介さなくなってきてます。
    今ちょっと下火ですけどブロックチェーンとか。

    生田
  • 安田

    いずれ通貨は国が保証するものではなくなると。

  • そうなっていくでしょう。社会システムもそうなっていくと思います。

    生田
  • 安田

    インフラは必要だと思いますけど。

  • 今みんな家から出ないじゃないですか。

    生田
  • 安田

    出なくなりましたね。仕事も買い物も家でできてしまうから。

  • 遊びや娯楽も家で完結するし。運動もできるし。病院にも行かない。
    となったら「国よりもアップルでしょ」という人が増える。

    生田
  • 安田

    病院にはいくでしょう(笑)

  • よほど重症でなければネットで調べませんか。

    生田
  • 安田

    調べますね。そのためのアプリをアップルが提供するってことですか。

  • アップルはべつにアプリの会社じゃないんですよ。
    Apple Watchを介してウェルネスを提供しているわけです。

    生田
  • 安田

    ウェルネス?「よりよい暮らし」ってことですか。

  • そうですね。よりよい暮らし。
    健康とか、病気に対する対策とかを提供する会社になっているわけです。

    生田
  • 安田

    確かに気遣ってくれてる感じがします。「運動が足りてない」とかメッセージが来たり。

  • そうそう。だって体の状態とか、運動量とか、必要な運動とか、ぜんぶ親切に教えてくれるわけですよ。
    Apple Watchを付けているだけで。

    生田
  • 安田

    国より親切ですよね。病院も流れ作業みたいなところが多いし。

  • セキュリティとか健康とか日々の暮らしとか、国が保障して提供するものではなくなっていくと思います。

    生田
  • 安田

    国がやるべきことがどんどん減っていくと。

  • オンラインでの生活が主体になればなるほど、そうなっていきます。

    生田
  • 安田

    そうなると国と会社の力関係が逆転するんでしょうか。

  • 逆転するかどうかはわかりませんが、日本の法律で会社を縛るのは難しくなりますよね。
    日本は中国みたいに「Googleやアップルは禁止」とか言えないじゃないですか。

    生田
  • 安田

    そんな事をしたらユーザーが暴動を起こしますよ「ふざけんな!」って(笑)

  • Googleやアップル無しではもう生活できないじゃないですか。

    生田
  • 安田

    出来ないですね。ちなみに生田さんもアップルファンですか。

  • 好きか嫌いかでいえばどっちでもないです。
    昔は「iPhoneいいね」と思ってましたけど、いまは「ライトニングケーブルめんどくせーな」って思います(笑)

    生田
  • 安田

    面倒くさいですか(笑)

  • だってパソコンもいろんな電子機器も、どんどんType-Cになっていっている中で、iPhoneだけが違いますから。

    生田
  • 安田

    カッコ良さにこだわってるんでしょうか。

  • そこは頑なですよね、アップルは。

    生田
  • 安田

    ジョブズが生きていたら違ったんですかね。

  • ジョブズは絶対にType-Cとかにしないと思います。

    生田
  • 安田

    独自の世界観にこだわってましたもんね。

  • 好きな人はいいんでしょうけど私はちょっと面倒くさい(笑)

    生田
  • 安田

    ちなみにコムデックではアプリ制作はやらないんですか?

  • やらないです。集中と選択でさよならしました。

    生田
  • 安田

    今はアプリを作っても儲からないんですか。

  • それって下請け仕事じゃないですか。
    アプリを作る仕事の需要は半永久的にあるけど、自分の土俵で商売ができるわけじゃない。

    生田
  • 安田

    自分の土俵で商売するにはどうしたらいいんですか。

  • 課題解決の親元になることが重要ですね。
    それにはWebサービスが必要で、Webサービスはスマホでサクサク動かないから「アプリ化しましょう」という話。

    生田
  • 安田

    じゃあ最終的にはアプリが必要になると。

  • いや、最近はスマホでもWebサービスがサクサク動き始めているので。必ずしもアプリである必要はないかなと。

    生田
  • 安田

    そうなんですか。

  • 昔はアプリじゃないとスマホに通知ができなかったんですよ。

    生田
  • 安田

    「記事が更新されました」みたいな通知ですか。

  • そうです。ユーザーに便利な体験をしてもらうには、アプリじゃないとダメだった。
    けど今はアプリっぽいWebサービスでいろんなことが出来るようになってきてる。

    生田
  • 安田

    アプリを使わないメリットって何ですか?

  • 「コスパがぜんぜんいい」っていうのがBtoB系ですね。

    生田
  • 安田

    BtoCは?

  • リテラシーの低いカスタマーを取り込んで、可処分時間を増やしてもうには、やっぱりアプリじゃなきゃダメです。

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • たとえばNetflixが2個あったとして、アプリで提供されているNetflixと、Webサービスで見られるNetflixだったら、アプリのほうが操作性は絶対いいので。

    生田
  • 安田

    そうなんですね。

  • はい。だから需要はなくならないですけど、それで飯を食っていくのは大変だと思います。
    昔よりも需要は減ったし、下請け的な仕事なので価格競争も厳しい。

    生田
  • 安田

    ちなみに「感性の法則」のアプリ化って考えてますか?

  • それはないですね。BtoBとBtoCは違うので。

    生田
  • 安田

    BtoBはアプリ化する意味がないってことですか。

  • BtoBは情報をパソコンで取りにいく可能性が高いので。僕らの記事に関しては95%ぐらいパソコンですね。

    生田
  • 安田

    アプリ化することで取り込めていないユーザーが増えませんか。

  • それはあると思いますが、だったらツイッターやFacebookでやったほうがいい。
    拡散力はやっぱりSNSのほうがありますよ。

    生田
  • 安田

    「アプリストアを開放しなさい」なんて日本政府が躍起になる必要はないんですかね。

  • 義務化したところで、アップルは「はい、わかりました」って言わないし。
    そんな素直な会社じゃないですよ(笑)

    生田

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