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Conversation対談

2023.06.05

第20話『人に依存するビジネスのススメ』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

商売するか、商人でいるか

  • 安田

    大企業の廉価版ですか。

  • はい。多くの中小企業がそうなっちゃってますよね。

    生田
  • 安田

    それはどういう意味で?

  • とにかく大きくしようとするじゃないですか。大きくしてもしょうがないのに。

    生田
  • 安田

    強迫観念みたいなものがあるんじゃないですか。成長し続けないと潰れてしまいそうで。

  • 成長し続けることには賛成です。だけど単に規模を拡大するのは無意味ですよ。

    生田
  • 安田

    生田さんは大きくしたい願望とかないんですか?

  • ないですね。

    生田
  • 安田

    それは途中で変わっていったんですか?それとも元々大きくすることに興味がないのか。

  • もともと興味がないです。

    生田
  • 安田

    へぇ~。そうなんですね。

  • 売上や社員数で大企業になる気は全くないです。
    人時生産性がめちゃめちゃ高い企業にはしたいですけど。

    生田
  • 安田

    1人あたりの生産性が高いってことですか。

  • そうです。30人ぐらいの規模感で平均年収がキーエンスと同じくらい。そういう会社を目指してます。

    生田
  • 安田

    規模を大きくして、スケールメリットで1人あたりの生産性を上げるのはダメですか。

  • ダメだとは思いません。やるならとことん大きくしないといけないだけで。

    生田
  • 安田

    中途半端はダメだと。

  • ダメだと思います。

    生田
  • 安田

    「規模を大きくしないと生産性が上がらない」と思っている経営者は多いです。

  • 多いですよね。でもその方向で生き残るのはかなり厳しいと思います。

    生田
  • 安田

    厳しそうですよね。

  • たとえばユニクロはそうじゃないですか。世界規模にまで顧客層を広げることで生産性を上げ続けてる。
    だから社員にも高い給料を払えるわけで。
    【新規顧客獲得に関するサービスについてはこちら】

    生田
  • 安田

    大きくするなら世界一を目指さなきゃいけないと。

  • 世界一まで行かなくても日本ではトップじゃないと。

    生田
  • 安田

    コムデックは日本トップを目指してないんですか?

  • 違う意味で目指してますね。ユーチューバーの東海オンエアって知ってますか?

    生田
  • 安田

    いえ、知りません。

  • 私もべつにファンではないんですけど。今めちゃめちゃ人気なんですよ。

    生田
  • 安田

    東海オンエア?へえ〜

  • 5~6人の集団だと思うんですけど。おそらく全員、年収1億超えだと思います。

    生田
  • 安田

    なんと!

  • チャンネルの収益が10億あったとしたら、5人で均等に割れば2億じゃないですか。

    生田
  • 安田

    そんなに人気があるんですか。

  • はい。コト売りとか情報売りって、少人数でも大きな売上が作れる時代なんですよ。

    生田
  • 安田

    大きくするメリットもありそうですけどね。

  • むしろ小さいほうがメリットがある。ONE PIECEに例えるならば新世代ですよ。

    生田
  • 安田

    ONE PIECEですか。

  • あ!読んでませんか?「四皇」とか言ってもわからないですよね。

    生田
  • 安田

    分かりますよ(笑)シャンクスとかですよね。ONE PIECEは読んでます。

  • よかったよかった。
    もともと四皇って、カイドウと、ビッグ・マムと、白ひげと、シャンクス、でしたよね。

    生田
  • 安田

    そうです。

  • みんな規模がでかいじゃないですか。

    生田
  • 安田

    でかいですね。

  • それが変わっていってますよね。麦わらが四皇になって。

    生田
  • 安田

    ルフィのチームは小さいですもんね。いま何人なのかな。

  • 15人もいないですよね。

    生田
  • 安田

    いなかったと思います。

  • そういう状態がいいんじゃないかなと思ってまして。
    形のある商品を全国に届けようと思うと、工場やサプライチェーンが必要なじゃないですか。

    生田
  • 安田

    必要ですね。

  • だけど「僕らはここでこんなことをやっているよ」を日本中に届けるには、人数はいらないかなって。

    生田
  • 安田

    コムデックさんの事業って、売上と社員数が比例する気がするんですけど。

  • 僕らの商売って、つくることも大事なんですけど、この数年やってきたのはメディア事業なんです。

    生田
  • 安田

    メディア事業?

  • コムデックラボというメディアを作ってまして。

    生田
  • 安田

    kintoneのノウハウを発信するメディアですよね。

  • そうです。
    僕らはもともとkintoneをつくる事業だったんですけど、「つくった成果を日本中に発信する会社」に変わってきてる。

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • 情報とかコトっていうのは「大人数じゃなくても日本一になれる」と実感してます。

    生田
  • 安田

    個人で情報発信して影響力がある人って、今いっぱいいますもんね。
    プロダクションに所属せずSNSやYouTubeを使ってフリーでやってたり。

  • プロダクションに所属しない方が自由だし、もっと稼げるし。

    生田
  • 安田

    プロダクションに所属するなら大手じゃないと意味ないですよね。

  • そうなんですよ。小さい無名のプロダクションってほとんど無力じゃないですか。

    生田
  • 安田

    それこそ大手の廉価版ですよね。

  • 結局のところ「スケールかスモールか」というのは、「商売するか、商人でいるか」を決めることだと思います。

    生田
  • 安田

    商売するか、商人でいるか?

  • チェーン店としてスケールするか、大将として少ないスタッフと個人店をやるか。

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • 個人店って商売じゃないんですよ。マネジメントもなければ教育のカリキュラムもない。

    生田
  • 安田

    それだと大将がいなくなったら終わりませんか?

  • そうです。大将がいなくなったら終わり。他のスタッフも代わりが効かない。

    生田
  • 安田

    会社って、「誰が辞めても代わりが効くのが正しい」って言われてたじゃないですか。

  • 言われてましたよね。だけどルールが変わってきたんです。

    生田
  • 安田

    代わりが効かないほうがいいってことですか?

  • 代わりがいないから価値がある。人時生産性が高くなる。

    生田
  • 安田

    でもいなくなったら終わりですよ。

  • だからルフィのチームは1人を助けるために全員命がけじゃないですか。

    生田
  • 安田

    1人抜けたら大変ですからね。コックなんてひとりしかいないし。超属人化ですよ。

  • 「人に依存して大きくしないビジネス」の典型ですね。
    これからは絶対にそちらの方が利益を出し易い。生産性を高め易い。それが僕の実感です。

    生田

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