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Conversation対談

2023.05.01

第15話『キャバクラ店長、IT企業に就職する』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

「キャバクラ店長生田」が「コムデック生田」になるまで

  • 安田

    キャバクラで社員になって、すぐに店長に抜擢されたんですか?

  • ホールの仕事ができるようになって、お金の計算も間違わない。そして“回し”の仕事もできる。
    走攻守そろってきたわけです。

    生田
  • 安田

    店長になる条件が整ったと。

  • はい。そして、ちょうどその頃「アナログの極み」といわれた夜の世界にITが下りてくるんです。

    生田
  • 安田

    え!ITが下りてくる?

  • 今までのレジは「1万5,000円、チーン!レシート、ジジジジ……」みたいな感じだったわけです。
    そこにIT が降りてきた。

    生田
  • 安田

    どんなITですか。

  • パソコンとレジが一体化した、いわゆるPOSレジが出てくるんです。

    生田
  • 安田

    へぇ~

  • POSレジを使えばテーブルマネジメントもできるし、電卓をはじく必要もなければ、ドリンクが入ったときに「正」の字を書いていく必要もないわけです。

    生田
  • 安田

    「正」の字を書いてたんですか!

  • そうなんですよ(笑)今まで紙とペンでやっていたのが、マウスやタッチになったわけです。
    苦手な人からしたら「なんじゃこれ」って話で。

    生田
  • 安田

    なるほど。生田さんはそれが出来たと。

  • はい。僕はそこがすぐ出来ちゃって。

    生田
  • 安田

    それで出世していったわけですか。

  • そうです。当時はアナログの店をいっぱい出していて。僕がPOSレジ普及係みたいなのをやったんですよ。

    生田
  • 安田

    当時は何店舗ぐらいあったんですか。

  • 三重・名古屋で10店舗以上ありました。

    生田
  • 安田

    けっこう大きな会社ですね。

  • 最後に辞めたときは20店舗ぐらいあったと思います。

    生田
  • 安田

    凄いですね。そこのIT責任者になったわけですか。

  • いや、IT責任者みたいな人は外部にいるんです。
    けど夜は来ないし営業中にベッタリいるわけでもないので。僕がサポートしてました。

    生田
  • 安田

    その活躍が評価されて店長になったと。

  • POSレジを通じていろんな店を見る機会が増えて。経験も積ませていただいて。
    新たな店が鈴鹿にできた時に「おまえが店長としてやれ」と。23歳の夏でした。

    生田
  • 安田

    23歳で店長!凄いですね。店長になると給料はどれぐらいになるんですか。

  • 給料は高かったです。固定で40万プラス利益の10%の歩合。だいたい月50万から80万ぐらいですかね。

    生田
  • 安田

    パチスロの収入を超えたわけですね。

  • 超えました。しかも、お金を使う時間がないですから、どんどん貯まっていく。

    生田
  • 安田

    店長になってから何年ぐらい働いたんですか。

  • じつはそんなに長くなくて。6か月ぐらいです。

    生田
  • 安田

    せっかく店長になったのに6か月で辞めちゃったんですか。

  • 辞めました、はい。店長になったら状況が変わってしまって。

    生田
  • 安田

    何が変わったんですか。

  • いろんな人に足を引っ張られて、上司も僕を信用しなくなっていきました。
    好きだった店長とも同じ立場になってしまったし。

    生田
  • 安田

    その人と仲が悪くなったんですか。

  • いえ、そんなことはないです。ただ店長になると、更に上の人と人間関係を作っていく必要があって。
    そういうのが得意じゃなかったんです。

    生田
  • 安田

    店長に可愛がられるスキルと近い気がしますけど。違うんですか。

  • 単純にその人が好きだったからうまく付き合えたわけで。
    年上と付き合うのが得意ではないし、上の人に取り入るのも苦手で。

    生田
  • 安田

    出世のための社内営業ができないタイプですか。

  • そんなのやったことないですね。

    生田
  • 安田

    組織で上に行こうと思ったら社内営業は必要ですよ。それが出来なかったと。

  • 出来ませんでした。

    生田
  • 安田

    店長としての仕事は面白かったんですか。

  • めちゃくちゃ面白かったし、結果も出してました。

    生田
  • 安田

    辞めるって言ったら止められませんでしたか。

  • みんなが止めに来ました。だけど「いや、辞めます」って。

    生田
  • 安田

    決意は固かったんですね。

  • 決意が固かったというより、もう疲れちゃったって感じですね。

    生田
  • 安田

    それは人間関係に。

  • 人間関係と、ずっと週6で働き続けることに。「このまま夜の仕事をやり続けていいのか」という不安もありました。まだ24歳だったので。

    生田
  • 安田

    それで昼の仕事をやろうと決めて、コムデックに入ったわけですね。

  • まず大学に戻ろうと思って教授にあいさつに行きました。
    そのとき既に7回生で「お前はもう背水の陣だ」「ここまで頑張ったら卒業させてやる」って言われて。

    生田
  • 安田

    頑張る気にならなかったと。

  • そうですね。大学は中退しようと決めました。

    生田
  • 安田

    コムデックに入ったのは何かコネがあったんですか?

  • いや、ぜんぜんないです。インターネットで「三重 システム開発」って調べたら、たまたま出てきたのがコムデック。

    生田
  • 安田

    システム開発をやりたかったわけですか。

  • やっぱり夜の仕事って劣等感やモヤモヤがあるんですよ。同級生は卒業して普通に社会人やってるし。
    「今なにやってんの?」って聞かれて「夜の仕事」って言いづらかった。

    生田
  • 安田

    それでITを選んだ。

  • 「俺はITやってる」って言いてぇ。みたいな(笑)
    それと、やっぱりPOSレジとの出会いが大きかったです。

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • POSレジのおかげで“回し”をしながらレジができるようになって。
    ぶっちゃけ僕の能力が高かったのもあるんですけど(笑)「すげえな」と思いましたね。

    生田
  • 安田

    回しとレジが同時に出来るとどうなるんですか。

  • 重要な役割にコストの高い人間を2人つける必要がなくなる。コストの高い人が1人で済むわけですよ。
    「これからはITだ!」って思ったのが2008年ですね。

    生田
  • 安田

    そのとき夜の世界では月80万円ぐらい稼いでたんですよね。

  • そうです。

    生田
  • 安田

    昼間の仕事はいくらだったんですか?

  • 額面15万円でした。手取り13万5,000円から、もう一度やり直しです。

    生田
  • 安田

    嫌にならなかったですか?

  • お金は関係なかったですね。「昼働けるんだ」「ITできるんだ」ってことが嬉しくて。
    どんどんプログラムを覚えて「ああ、面白いな」ってハマっていくわけですよ。

    生田
  • 安田

    仕事が合っていたんでしょうね。

  • プログラムはめっちゃ楽しくて。システムの設計も楽しい。プロジェクトマネージャーも面白い。

    生田
  • 安田

    やる気満々ですね。

  • 「人を動かすほうが面白い」「仕事取ってくるほうが面白い」って、1年半から2年で、どんどん役割が変わっていきました。

    生田
  • 安田

    気がついた時にはコムデックの社長になっていたと。

  • はい。運命って不思議なもんですよ。

    生田

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