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Conversation対談

2023.04.17

第13話『仕事ができる同世代との出会い』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

「生田」が出来上がるまでのお話

  • 安田

    パチスロに明け暮れた学生時代(笑)

  • そうですね(笑)

    生田
  • 安田

    そこからどうやって「伝説のキャバクラ店長」になったんですか?

  • 当時はバイトも買い手市場で。「バイトするのに茶髪はないだろ」という時代だったんです。

    生田
  • 安田

    茶髪だったんですね(笑)

  • 茶髪だし、髪も長いし。

    生田
  • 安田

    普通のバイトは雇ってもらえないと。

  • 無理でしたね。それにお金が欲しかったわけじゃないし。

    生田
  • 安田

    お金はパチスロで十分稼いでいたから。

  • はい。「気分転換にちょっと働いてみよう」ぐらいの気持ちでした。
    で、パチンコ屋で知り合った常連のおじさんに相談したら「いい店知ってるよ」って。

    生田
  • 安田

    それがキャバクラ?

  • はい。「夜の店だったら、ぜんぜん働けるんじゃない?」みたいな感じで。
    そのとき初めてキャバクラを知ったわけです。

    生田
  • 安田

    キャバクラを知らなかったんですか。

  • 行ったことがなかったので。それで電話したら「面接に来い」って言われて。フラッと自転車で行きました。

    生田
  • 安田

    履歴書は持って行ったんですか。

  • 持っていったと思います。

    生田
  • 安田

    面接はどうだったんですか。

  • その場で「今日から来れる?」って言われて。

    生田
  • 安田

    どうしたんですか?

  • やっぱり、ちょっと怖いじゃないですか。

    生田
  • 安田

    いや怖いですよ。いきなり採用とか言われて。裏でどんなことがあるか分からないし。

  • 面接も本当に10分ぐらいで。

    生田
  • 安田

    仕事内容は教えてくれたんですか?

  • まったく。

    生田
  • 安田

    それは怖い。

  • 飲食店のホールみたいなものだとと思ってました。

    生田
  • 安田

    でも入ったんですよね。

  • ちょっとビビって「明日からでいいっすか?」って(笑)1日だけリードタイムを経て入りました。

    生田
  • 安田

    どうでしたか。実際に入ってみて。

  • 面食らったって感じですね。「やっていけるんかな」っていうぐらい。

    生田
  • 安田

    何がいちばんびっくりしました?

  • まず人が多いこと。お客さんもバンバン来るし、女の子もバンバン来るし。しかも全員えらそうなんですよ。

    生田
  • 安田

    黒服さんは腰が低いイメージですけど。

  • 黒服は黒服に対してえらそうなんです。

    生田
  • 安田

    そうなんですね。

  • 僕みたいな三下に「おい、こいつに仕事教えたってくれ」みたいに店長が言うんですけど、面倒を見てくれる人がいるわけでもなく。

    生田
  • 安田

    超ヒエラルキー社会ですね。

  • そうなんですよ。カースト制度でいうところの“スードラ”です。

    生田
  • 安田

    厳しい!

  • 店長とお客さんと女の子は“バラモン”で。僕は最下層にプロットされたわけです。

    生田
  • 安田

    綺麗な女の子がたくさんいて嬉しくなかったですか。

  • ぜんぜん。

    生田
  • 安田

    キャバクラ勤務する人って、女の子目当てか、お金を稼ぎたいか、どちらかですよね。

  • そうですね。だから僕は死ぬほどモチベーションなかったです。

    生田
  • 安田

    よく辞めなかったですね(笑)

  • 「辞めよっかな」って何回も思いました。
    たまたま同世代のめっちゃ仕事ができる人が入ってきて。よく話すようになって。

    生田
  • 安田

    キャバクラで仕事ができる人って、何ができるんですか?

  • ホール全体が見えていて次に何が起こるかを予測してます。
    水が減っていく、氷が減っていく、お酒が減っていく、それを補充する作業をどんどん先回りでやっていく。

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • 僕は何も知らないし出来なくて。

    生田
  • 安田

    簡単そうですけどね。減ったら持っていけばいいんでしょ。

  • キャバクラってシステム上50分で席が入れ替わる可能性があるんです。
    だからたとえ氷が減っていても45分の席では替える必要がない。帰る可能性があるので。

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • 延長したら替える。でも、そういうことも誰も教えてくれない。
    彼ははとにかくホール全体が見えていて、次に何が起こりそうだってことを予測できてました。

    生田
  • 安田

    「今日から来い」って言いながら誰も教えてくれないんですね。

  • まったく教えてくれなかったです。だけど店は「猫の手も借りたい」ほど忙しくて。

    生田
  • 安田

    よく辞めなかったですね。時給はいくらだったんですか?

  • 当時1,100円とか1,000円とか。

    生田
  • 安田

    パチスロのほうが高いですよね。

  • 圧倒的に高いです。

    生田
  • 安田

    見返りに合わないですね。

  • そうなんです。なので、もう潮時かなってときに同世代の子が入ってきて。

    生田
  • 安田

    その人との出会いが大きかった?

  • はい。「仕事上手だね。どんな感じでやってんの?」って、ようやく僕も質問できる相手ができたわけですよ。

    生田
  • 安田

    先輩には質問できなかったんですか。

  • 先輩は2種類いて。
    めっちゃ甘い先輩は、「生田くんは裏でゆっくりしてたらいいから。忙しくなったら呼ぶわ」みたいな。あとはまったく目も合わせてくれない先輩。

    生田
  • 安田

    激甘と激辛しかいないんですね(笑)

  • そうなんです。

    生田
  • 安田

    その同世代の人がかっこよく見えたんですか。

  • 見えました。

    生田
  • 安田

    そこで成長意欲が芽生えるわけですね。

  • 成長意欲とは違いますね。
    「こいつができるんだったら、俺もこれぐらいはできる」みたいな。モチベーションは低いままだけど、スキルだけは上がっていったんです。

    生田

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