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Conversation対談

2023.02.13

第4話『イレギュラーで生産性を上げろ!』

テーマ「デジタル化の次に来るもの」

イレギュラーを制する者がラグジュアリーを制する

  • 安田

    徹底的にスケールするか、そうでないならイレギュラーで戦った方がいいと。そういう話でしたよね。

  • そうです。地方の中小企業はメジャーリーグを目指すのではなく、草野球を極めたほうがいい。

    生田
  • 安田

    草野球が好きですね(笑)生田さん。

  • でも草野球って、グラウンドなんて舗装されていないから。球が思いっきり変なバウンドして「うわ、やべぇじゃん」みたいになるんですよ(笑)

    生田
  • 安田

    そこは我慢するしかないと。

  • 我慢というか楽しむしかない。むしろイレギュラーで生産性を上げたほうがいい。

    生田
  • 安田

    イレギュラーで生産性を上げる?

  • 違う言い方をするなら、中小企業は「プレミアム」よりも「ラグジュアリー」のほうがいいってことですね。

    生田
  • 安田

    イレギュラーがラグジュアリーなんですか。「ラグジュアリー」って高級ブランドのイメージなんですけど。

  • 高級ブランドなんてイレギュラーですよ。あんなの普通の生活にはまったく必要ないじゃないですか。

    生田
  • 安田

    確かに。

  • 中小企業はそちらを目指すべきだと思います。

    生田
  • 安田

    たとえばメジャーリーガーは野球がメチャクチャうまいじゃないですか。球が速いとか、飛距離がすごいとか。

  • そうですね。

    生田
  • 安田

    「野球で飯を食おう」と思ったらこの競争に勝たなくちゃいけない。

  • そうなんですよ。そういう競争から「ちょっと距離を置きましょう」ってことですね。

    生田
  • 安田

    「野球の上手さ」から距離を置いた場合、どうやって食っていけばいいんですか。

  • その答えは1個じゃなくて。それこそ、さっきの「イレギュラーを楽しむ」みたいなのもあるし、「応援を楽しむ」とか、「お弁当を楽しむ」とか。

    生田
  • 安田

    なるほど。明確な答えがないってことですね。

  • 「これをやれば必ず儲かる」という答えがあるわけじゃない。だけどその分、答えは無数につくれると思います。

    生田
  • 安田

    それを自分で見つけなきゃいけないと。

  • そうです。プライスレスを見つけないとだめ。

    生田
  • 安田

    まさにラグジュアリーですね。

  • たとえば朝食はビュッフェ・スタイルで「朝6〜9時までご自由に」というホテルがあると思うんですけど。

    生田
  • 安田

    ビジネスホテルはだいたいそんな感じですね。

  • 9時5分に行ったらビュッフェが撤去されていて。「もうなくなっちゃったんですか?」「ああ、ごめんなさい、9時までなんですよ」これがレギュラーですよね。

    生田
  • 安田

    はい。

  • イレギュラーってなにかというと、「ああ、ごめんなさい。撤去しちゃったんですけれども、ちょっと確認しますね」で、焼きそばパンが出てくるとか。

    生田
  • 安田

    焼きそばパン?

  • めっちゃ面白いじゃないですか。焼きそばパンが出てきたら。

    生田
  • 安田

    なぜ焼きそばパンなんですか。

  • それをホテルの人がちゃんと説明する必要があって。「今日ビュッフェで提供したパンと夜に提供する予定の焼きそばで、特別にお持ちしました」みたいな。

    生田
  • 安田

    その人のために作っちゃうってことですか。

  • そう。レギュラーで飯が食えなかった人を、イレギュラーでちゃんと何とかしてあげる。

    生田
  • 安田

    通常のサービスに含まれてない、「新しい価値をその場で生み出す」ということですか。

  • そうです。それって思考停止じゃ絶対に無理なんですよ。

    生田
  • 安田

    でも捉えようによっては、「定時過ぎてるのに残業して、お客さんに無理やりサービスを提供している」とも取れるじゃないですか。

  • そうじゃないんですよ。終わってるのに無理やり店を開けるという話じゃなく「Aというサービスができないんだったら、BとかCを考えなくちゃいけない」ということ。

    生田
  • 安田

    なるほど。

  • そこにはマーケットが無限大にあるってことなんです。

    生田
  • 安田

    中小企業は「大手の下請け」ではなかなか厳しくなってきてますよね。

  • 特殊な技術や商品価値がないと厳しいです。

    生田
  • 安田

    これからは草野球チームとして、食っていく術を考えなくちゃいけない。

  • そうです。考えなくちゃいけない。

    生田
  • 安田

    大企業の場合はそれこそ「うまい・安い・早い」って、10人いたら10人とも分かる価値を作らなきゃいけないですよね。

  • そういう戦いですから。

    生田
  • 安田

    草野球の場合は「何に価値を感じるか」って、人によって違いますよね。

  • まさに、そうなんです。

    生田
  • 安田

    全員にウケるというのは難しい。

  • 難しいというか、そっちの方向で考えちゃいけない。たとえば彼氏が所属している草野球チームだったら応援するじゃないですか。

    生田
  • 安田

    するでしょうね。

  • 草野球はそういう人間関係を大事にしたほうがいいと思う。

    生田
  • 安田

    だけど草野球って、マスメディアでは取り上げられないですよ。どうやって人間関係を広げればいいのか。

  • それもまた「らしさ」だと思うんですよ。「実はこんな感じの試合だった」というのをSNSとかで届けてあげれば、共感する人が増えるかもしれない。

    生田
  • 安田

    共感する人が増えれば草野球で食えるようになりますか?

  • それだけでは難しいです。草野球的なビジネスをやるとしたら、いままでの草野球じゃだめだと思うんですよ。

    生田
  • 安田

    どうしたらいいんですか。ルールを新しく変えちゃうとか?

  • いろいろ考えられると思うんですけど。要は、そこで楽しんでくれる人がいて、喜んでお金を払ってくれれば商売としては成り立つわけですよ。

    生田
  • 安田

    理屈は分かりますけど、楽しませるのってなかなか難しいですよ。

  • 難しいですよね。だから、「デジタル化の次に来るもの」が必要なんですよ。これまでの延長ではない価値というか。面白さというか。

    生田

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