kintoneで見積書・納品書・請求書を作成!プラグインでPDF発行|デザイン業 有限会社アップロードさまの導入事例
見積書や請求書、納品書の発行、御社はどのようにしていらっしゃいますか?
専用のソフトやエクセルを使う方法が代表的ですが、kintoneを利用すればそれらの機能を一元化し、kintoneだけで各種帳票を作成・発行することができます。
今回は、kintoneで見積書や請求書等の帳票を作成し、さらに入金管理まで一元化して業務効率化を実現したアプリ開発事例をご紹介します!
目次
顧客と案件はkintone、見積・請求は専用ソフト……帳票発行もkintoneに一元化したい!
三重県伊勢市、伊勢神宮の近傍に事務所を構える有限会社アップロードさま。
商品パッケージデザインやノベルティ作成、ECサイト構築など、中小企業をデザインとITの面から支援する事業を展開するデザイン業の企業さまです。
最近では動画制作事業に力を入れておられる有限会社アップロードさまでは、各案件の情報はkintone(キントーン)で管理しつつ、見積書や納品書、請求書は専用ソフトを使用して作成している状態でした。
kintoneの標準機能では帳票発行・印刷が難しいことから、有限会社アップロードさまのように「案件はkintone」「各種帳票は専用ソフト」という管理パターンの企業さまも少なくないのではないでしょうか?
しかし、案件情報と本来それに紐づくはずの帳票が別々に管理されていると、帳票を見ながら案件情報も確認したいときや、逆にその案件で発行した帳票を確認したいとき等、必要な情報が見つけづらいというデメリットがあります。
業務によってkintone、専用ソフトそれぞれにログインする必要があるのも煩わしく、特にお客様から入金があった都度、どの案件の入金なのかを確認して専用ソフトに登録するのが手間になっていたとのことです。
先ほどお伝えした通り、帳票の出力はkintonが苦手とするところです。
しかし、「バラバラに管理されている情報を一元化する」ことはkintoneの得意分野であり、帳票出力についても機能を追加できる外部連携サービスやプラグインが充実しています。
より効率の良い体制を目指し、見積書・納品書・請求書を管理・発行できるkintoneアプリの開発がスタートしました。
まずは見積書発行アプリを作成!納品・請求時の変更点はアクションボタンで登録
見積書・納品書・請求書をkintoneで管理しようと思ったとき、まず考えつくのは「kintoneでそれぞれのアプリを作成し、レコード(データ)を紐づけて連携」させる方法です。
しかし、有限会社アップロードさまでは見積書・請求書・納品書の各フォーマットがほぼ同一であることから、ひとつのアプリにまとめられるのでは?と考えました。
ひとつのアプリに各種帳票のデータをまとめられれば、作業はよりシンプルになり、後の検索・確認業務の効率もあがります。
発行する順序は「見積書→納品書→請求書」となりますので、まずは帳票発行のスタートである見積書を発行するアプリを作成。
そこに見積書や納品書、請求書を出力できるボタンを設けて、アプリに登録されたレコードから見積書・納品書・請求書の3点を作成・管理できるような形で構築を行いました。
しかし、実際の業務をヒアリングしたところ、見積り時と納品時で内容が変わる可能性もあり、「過去の見積もりと、実際の納品書、請求書を比較したい」というご要望があることがわかりました。
構築したアプリ構成では、見積から変更点があった場合には見積り時点のデータそのものを修正し、納品書等を発行することになります。
kintoneには標準で「変更履歴」を確認できる機能がありますが、全ての変更が記録されるため「見積からどこが変わったか」を変更履歴から判断するのは困難です。
そこで、見積の履歴を残しつつ、変更となった場合も変更がなかった場合でもひとつのアプリでシンプルに納品書や請求書も含めて作成・管理ができる状態を実現するために、「区分」を設けることにしました。
見積書・納品書・請求書で区分を変え、同じアプリ内でそれぞれのデータを別に作成できるようにしたのです。
見積書作成から納品書作成までの作業の流れは以下の通りです。
- 見積書を「見積り」の区分で作成
- 納品書を作成する際は「見積書から納品書を作成する」ボタンを押す
- 同じ案件の「納品書」区分に、必要な内容がコピーされた「納品書」のデータが作られる
- 見積書からの変更がある場合はここで修正して登録する
請求書発行の場合には、「納品書から請求書を作成する」というボタンも設け、同じフローで請求書も作成できるようにしました。
各段階のデータは区分ごとにきちんと残るため、変更履歴の管理ができ、見積り段階との変更点がわかりやすくなります。
また、ボタンひとつで見積書から納品書へと必要なデータを引き継げるため、再度の入力が不要なほか、入力ミスも起こりにくくできるのです。
見積書アプリの作り方については、こちらの記事で具体的な方法やおすすめのプラグインをご紹介しています!
▼kintoneでの見積書作成の方法を紹介!標準機能から便利なプラグインまでを解説
顧客情報と紐づけて見積・請求履歴を一元管理
有限会社アップロードさまの業務フローに合わせた「見積書/納品書/請求書アプリ」が完成し、見積書と納品書、請求書をひとつのアプリで作成、管理できる状態になりました。
「見積書/納品書/請求書アプリ」はすでに運用していた顧客リストアプリと紐づけているため、今後は通常の業務フローに則って帳簿作成を進めていけば、自動で顧客リストに各種データが蓄積されていきます。
顧客リストアプリから各顧客の見積書・納品書・請求書の各履歴がまとめて確認できる状態になり、情報を検索する作業もよりスムーズになりました。
入金管理もkintoneで!未入金先が一目でわかる
これまでは、お客様から入金があった際には都度、請求書を発行するソフトで入金状況を更新していました。
入金があった際や入金の有無を確認したい際に、それだけのために都度ログインする、という作業が手間となっていましたが、この入金管理もkintoneでまとめておこなえるようになりました。
どのお客様にいくらの請求を行っているのかは、「見積書/納品書/請求書アプリ」に請求書データとして記録されています。
そこで、「見積書/納品書/請求書アプリ」内に「振込確認」のチェック項目を設定し、入金があればここにチェックを入れることに。
kintoneは「条件に合うレコードのみを表示する」といった絞り込みも可能なので、「未入金の案件を一覧で確認」できるようになり、チェック作業が大幅にスリム化できました。
PDF印刷はプラグインで実装
さまざまな標準機能を備えているkintoneですが、冒頭でお伝えしたとおり印刷機能はいまひとつ。
標準機能ではレコード詳細画面そのままの印刷しかできません。
有限会社アップロードさまの場合には、既にご利用いただいている所定の見積書・納品書・請求書フォーマットがあったため、そのフォーマットに合わせて帳簿類のPDF出力・印刷ができるよう、プラグインまたは外部連携サービスを利用することになりました。
現在kintoneからPDF出力を可能にするプラグインや外部連携サービスは複数あり、それぞれに特徴や強みがあります。
帳票発行プラグイン・外部連携サービスの特徴を徹底比較した記事はこちらから!
▼kintoneで帳票を簡単に作成・PDF出力したい!便利なプラグイン5つを徹底比較!
今回はこれらの中から、kintoneのデータをPDFやエクセル形式帳簿へ出力できるプラグインのRepotoneU(レポトンユー)を採用。
RepotoneUは、マウスのドラッグ操作で簡単に「kintoneレコード内のどの項目をどこに表示するか」を指定できる、使いやすさが大きな特徴のプラグインです。
従来のフォーマットにkintoneアプリ内の項目を配置し、作成した見積書や納品書、請求書を各フォーマットでPDFに出力、印刷できる状況が整いました。
見積書・請求書をkintone化するメリット
見積書の作成から納品書、請求書作成・発行、入金確認までの業務をkintoneのひとつのアプリに集約した結果、kintoneと専用ソフトを併用して業務や管理をおこなっていた時と比べ、以下のようなメリットがありました。
- 顧客情報、案件情報、各帳簿の運用がkintoneに集約され、データ検索の効率が向上
- 見積書の送付状況や入金管理などもkintoneで確認できる(ソフトの行き来が不要に!)
- リアルタイムな状況が誰でも把握できる
- 専用ソフトでは手間がかかっていたレイアウトの変更も、kintone(RepotonU)では簡単におこなえる
kintoneで各帳簿の発行をおこなうにあたっては、人によって入力のブレやミスが起きないよう、事前準備として商品情報(商品名、単価等)をマスタデータとして登録しておく必要がありました。
この作業にはやや手間や時間が必要でしたが、商品マスタをしっかりと作りこんでおくことで、これまで管理できていなかった商品の細かい部分までkinoneで管理できるようになる、というメリットもありました。
kintoneを中心にさまざまな業務を効率化し、管理コストの軽減を目指す!
kintoneへ案件やその帳簿周りの業務を一元化することができた有限会社アップロードさま。
「見積書/納品書/請求書アプリ」を運用しはじめた後も、取引先から納品後にサインをいただくための受領書も同じアプリから出力できるようにするなど、はじめに作成した状態からさらにアプリをアップデートしています。
kintoneは、アプリを実際に運用しはじめてからも、業務に沿って育てたり、変化や要望に応じて修正したりできることが特徴です。
今後、さらにいろいろな業務をkintoneを中心に実施できるようにして、管理コストの軽減を目指していかれるとのことでした。
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