kintoneで売上管理!無料プラグインで脱エクセルを実現!|製造業 有限会社上村工作所さまのアプリ開発事例
紙の帳簿やエクセルで売上管理を行っている製造業の企業さまは少なくありませんが、従来のやり方では「毎月の集計に手間がかかる」「毎月グラフを更新しなくてはならない」「売上予測が立てにくい」といった課題が残ります。
また、ひと言で「売上管理」といっても、単純にその月の合計額だけが分かればいいわけではなく、「売上」に含まれるのは案件情報や顧客情報、原価までさまざまです。
これらを複数の紙やエクセルで管理すると、どうしてもデータ管理が煩雑になってしまいます。
一方、売上管理をkintoneで一本化すれば、売上管理・集計だけでなく案件や顧客情報まで一元管理が可能です。
この記事では、kintoneの売上管理による脱エクセルで集計にかかる工数の大幅短縮を実現した、製造業のアプリ開発事例を紹介します。
▼こちらの事例はYoutubeでも紹介しています!
目次
毎月の売上管理に工数がかかる…kintoneで売上を見える化したい!
有限会社上村工作所さまは、モーター電子機器の巻線加工を行っている製造業の企業さまです。
三重県伊勢市の本社では、熟練の職人がひとつひとつ手作業で加工を行い、多種少量の注文にも柔軟に対応しています。
取り扱い製品数は100余りに昇り、原材料も高騰する中生産性を上げようとIT活用に取り組んでいます。
有限会社上村工作所さまでは、これまで以下のような「紙とエクセル」で売上の管理・集計を行っていました。
紙とエクセルで売上管理を行っていた結果、有限会社上村工作所さまでは以下の課題が生じていました。
- リアルタイムでの売上把握が難しい
- 月ごとの売上集計(月次集計)に手間がかかる
- 原価や利益が把握できない
- 来月の売上予測が立てづらい
- 現在の作業時間で採算が取れているのかわからない
紙とエクセルでは都度入力・集計を行わなくてはその時の売上は把握できません。
また、売上の情報を元に適切な経営判断を行うためには、「今この瞬間」の売上だけではなく、「この先どうなっていくか」という売上予測も必要になります。
加えて、製造業の売上管理は、材料費や人件費など複数のデータが複雑に影響します。
人件費も勘案して採算がとれているかどうかを把握することは、製造業において非常に重要です。
【有限会社上村工作所さまが解決したい課題】
- 今月どれだけ売上があり、原価がいくらで、どれだけ利益が出たかを見える化したい
- 来月どれくらい売上があるか予測を立てたい
- いくら生み出すのに「誰が・どれくらい」時間を使っているか(採算)を把握したい
kintoneの売上管理で採算まで見える化するためのステップ
有限会社上村工作所さまは、最終的にkintoneで採算まで見える化するために、以下のステップでkintone化を進めていくことにしました。
- 売上の見える化
- 物的原価(原材料)の見える化
- 人的原価(工数)の見える化
kintoneで売上管理を行えば、自動的に集計してくれるため「売上情報のリアルタイムでの見える化」を容易に実現できます。
また、確定した売上だけではなく、未確定の売上についても集計できるため、売上の予測も立てやすくなります。
一方、原価を元にした利益や採算を算出するためには、売上の情報はもちろんのこと、原材料のデータや従業員の工数データも必要になります。
有限会社上村工作所さまの場合、日報入力を従業員さんに浸透させるにはまだ時間がかかりそうな状態だったため、採算把握の第一歩としてまずは「売上のリアルタイムな見える化」を目指すことになりました。
売上管理をkintoneで行う方法はいくつかありますが、上村工作所様ではひとまず標準機能を使って集計まで実施してみることに。
売上を見える化するにあたり、上村工作所さまが実施したことは以下の通りです。
【売上の見える化を実現するための手順】
- まずは機種管理(商品マスタ)に単価を登録
- 以前から活用していた受注管理にあたるアプリ内に、機種管理から参照した単価と、受注台数を元に売上を自動計算する「計算項目」を追加(単価×台数+税)
- 自動算出した売上金額をkintoneの標準機能の「表」で集計
- スペースを活用し、見たい集計を1画面で見られるように設定
まずは、製品ごとに一台当たりの単価を登録しました。
マスタアプリに登録しておくことで、都度確認しなくても自動的に参照することができます。
その単価を受注管理にあたるアプリに参照してくることで、受注管理に登録された台数を元にその受注の合計金額を自動算出します。
自動算出した合計金額項目を、グラフ機能で月別に集計すれば売上集計自体は完了です。
以前から利用していた受注管理にあたるアプリで集計できるため、データが登録されれば自動的に集計内容が更新されていきます。
kintoneで売上集計をおこなう方法はこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼kintoneで売上管理を実現!アプリの作り方やグラフ設定方法を解説
最後に、作成した表やグラフを一画面で確認するために「スペース」を作成してそれぞれのグラフを張り付ければ完成です!
スペース機能の使い方については、こちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼kintoneのスペース機能とは?作成手順・活用方法を紹介
kintoneの売上管理が完成!プラグインでさらに柔軟性が高いアプリに
kintoneの売上管理を導入した有限会社上村工作所さま。
kintoneで売上管理アプリを作成、設定することによって「売上の見える化」を実現できました。
一方で、実際に運用を開始してみると、新たに以下のような要望が出てきました。
- kintoneの標準機能の表が見にくい
- 売上金額を税抜き/税込みそれぞれで見たい
- グループ別や顧客別で売り上げを集計したい
kintoneは設定した条件をもとに自動でデータをグラフ化できますが、標準機能だけではやや物足りなさを感じるのは事実です。
そこで、有限会社上村工作所さまのご要望に対応した柔軟な売上管理を実現すべく、TISの無料プラグイン「各種月次集計プラグイン」を導入しました。
「各種月次集計プラグイン」とは、複数の集計結果を標準機能よりも見やすい表にできるプラグインです。
設定の柔軟性が高く、自社の要望に沿った集計ができます。
【各種月次集計プラグインでできること】
- 売上高に合わせて累計や平均も同時に表示
- 特定の条件に合致するレコード件数やその比率を表示
- 集計項目ごとの背景色・文字色の設定
各種月次集計プラグインで実際に作成した売上集計表がこちらです。
売上金額が税抜き/税込み・グループ別で表示されるだけでなく、表示色設定で見やすい表示を実現しています。
さらに、月別だけではなく累計額も自動で表示可能です。
この集計表をつくるためには、事前準備として「集計したい要素が表示された一覧」を作成しておく必要があります。
今回で言えば、売上を集計すべき日付の情報と製造台数、金額、消費税額、消費税込みの合計額が必要です。
この時、「完了した案件だけ」や「完了していない案件も含む」等の絞込みを行えば、「これから先どれくらいの売上が見込めるか」も把握できます。
この一覧に対して、「どの日付を基準に集計するか」や「どの項目をどんなふうに」集計するかを指定します。
項目名も自由に決めることができたり、背景色、文字色(前景色)を指定出来たりと、標準機能の表よりもかなり柔軟に設定することが可能です。
グループ別の集計については、「集計条件」で指定することで、条件に合致する対象のレコードだけを集計してくれます。
合計だけではなく平均や累計も一つの表の中で表示できるため、この集計表を見ておけば一目で状況が把握できます。
かなり見やすい売上集計表を実現できましたが、各種月次集計プラグインで集計できるのはあくまで「そのアプリ内にある情報」だけになります。
複数アプリからの集計はできないため、売上を集計すべきアプリがいくつかある場合にはkrewData(クルーデータ)等のプラグインを使うのがおすすめです。
kintone売上管理で脱エクセル!自動集計で管理工数削減
kintoneで売上管理を行えば、紙やエクセルを用いた従来の売上管理から脱却しつつ売上管理の業務を効率化できます。
有限会社上村工作所さまでは、売上管理をkintone化したことで以下のような効果がありました。
- エクセルで手動で行っていた集計がkintoneで自動集計されるようになった
- 脱紙・脱エクセルで集計の時間が短縮された
- 年間・月別・製造グループ別など、さまざまな視点からの売上集計を一画面で実現
- 完了したものだけを集計する表と、まだ完了していないものも含めて集計する表を作ることで売上予測ができるように
kintoneによる売上管理の一本化で、日々の「売上を紙に転記する」「手動で売上を集計する」といった工数が削減され、月次集計にかかっていた時間が大幅に短縮されました。
また、標準機能で集計するだけではなく、プラグインを活用することで、さまざまな視点からの売上集計を一画面で実現。
売上予測も容易になり、今後はデータを用いた経営判断にも役立てていけるでしょう。
kintoneの売上管理で工数を削減して業務効率アップを実現しよう!
売上集計を自動的におこなうことで、売上管理業務を効率化した有限会社上村工作所さま。
今後は物的原価の算出や、従業員の工数データの収集を進めていくとのことです。
製造業の売上管理は、原価や人件費など複数の管理・集計が必要となる大変な作業です。
kintoneでデータの一元管理・見える化を実現すれば、現場の大幅な工数削減・業務効率アップにつながります。
各社売上管理で見たい情報は異なるかと思いますが、売上管理をkintone化することで集計のための資料を一元管理出来たり、リアルタイムで売り上げを把握出来たり、そもそもの集計にかかる時間を短縮出来たりといったメリットがあります。
kintoneの標準機能だけでは不十分と感じる点も、プラグインをうまく取り入れることで課題解決が期待できます。
kintoneの売上管理で工数を削減し、業務効率アップを実現しましょう。
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