kintoneで請求書を作成するために必要な「顧客管理」とは?~不動産仲介業編~|株式会社東洋不動産さまのアプリ開発事例
「kintoneから請求書を発行したい」というご要望は多くの企業様がお持ちですが、入力の手間を省き、ミスのない請求書を作るためには実は請求書作成の前段階として「顧客管理」が重要です。
今回は、請求に関する一連の業務をkintoneに移行した不動産仲介業の企業様が、実際にどのような顧客管理をすることでkintone化に成功したのか、その仕組みをご紹介します!
目次
エクセルの請求書には課題が……でもその分利点もあった
株式会社東洋不動産さまは、不動産の売買や新しく住む場所を探している方のサポート、賃貸物件の修繕の取次ぎ、オーナー様から委託された家賃管理等の業務を行っておられる不動産仲介業の企業さまです。
等の課題がありました。
とは言え、エクセルの請求書のいいところもあります。
それは「請求先や振込先を自由に入力できること」。
物件の修理費用の場合にはオーナー様、退去費用は入居者様にも、振込先は自社だったり直接オーナー様だったり……と、「誰に送るか」「どこに振り込むか」が場合によって変わる不動産仲介業の場合、都度手で入力するほうが柔軟な対応ができるという理由があったのです。
「請求書をkintone化したい!」その前に必要なのは「顧客管理」
請求書発行のkintone(キントーン)化に着手した株式会社東洋不動産さまがまず取り組んだのは、「他のエクセルから参照している情報」つまり「お客様(オーナー様、入居者様)」の情報と「物件の情報」の整理です。
kintoneでも、全ての項目を自由に入力できるようにし、その内容を印刷するといったことは可能です。(所定の書式でkintoneから帳票出力するためには、別途プラグインが必要になります)
しかし、それでは従来のエクセルを置き換えただけ。顧客の名前や住所等は毎回調べて入力しなくてはなりません。
エクセルの「自由に請求先や振込先を変えられる」という利点を保ちつつ、kintoneの「別のアプリから情報を参照して入力の手間を省くことができる」というメリットを維持するためには、「請求内容に応じたアプリ分け」と「参照したい顧客情報、物件情報のマスタ化」が不可欠でした。
今回は、もう一つのポイントである「顧客情報のマスタ化」の部分を詳しく解説していきます!
株式会社東洋不動産さまが請求書発行をkintone化した事例はこちら!
▼脱エクセル!kintoneで賃貸の請求業務を効率化|不動産仲介業 株式会社東洋不動産さまの事例
顧客管理をkintone化して請求書発行を簡単に!
これまで請求書作成の都度調べる必要があった情報を、例えば入居者の名前や物件の名前をキーとして、全て自動入力することができるのです。
加えて、kintoneでは各アプリにある情報を紐づけて表示しておくことができます。
エクセルファイルの場合、例えば「物件情報」と「入居者情報」「オーナー情報」等のエクセルはそれぞれ独立しており、相互の関連性はありません。
「この物件に入居している人が知りたい」という場合には、「物件情報」のエクセルから、わざわざ「入居者情報」のエクセルを開き、エクセル内で物件名で検索を行わなければわかりませんでした。
kintoneであれば、「物件情報」のアプリ内にその物件で契約している人、つまり「入居者アプリ」に登録している契約者の情報を表示しておくことができるのです。
顧客管理をkinone化!ポイントは「アプリの情報管理範囲を決める」こと
この時、「一つに対して複数紐づく情報は別アプリで管理する」ことを念頭にアプリを開発していきました。
どういうことかというと、例えばオーナー様がお持ちの物件は一つとは限りませんし、入金口座を複数お持ちのオーナー様もいらっしゃいます。
そのため、「オーナー情報アプリ」にはお名前や住所、連絡先といった基本情報のみを登録し、お持ちの物件情報は「物件情報アプリ」、口座情報は「オーナー口座情報アプリ」にそれぞれ登録。
「物件情報アプリ」と「オーナー口座情報アプリ」にはオーナー情報を紐づけることで、相互に連携させました。
同じように、特定の物件に入居する人の情報は「入居者情報アプリ」に登録。
しかし入居者情報アプリに直接「どの物件に入居しているのか」「敷金・礼金はどうだったのか」等の情報を登録するのではなく、「物件情報アプリ」と「入居者情報アプリ」を紐づける「契約情報アプリ」を別途作成
何故なら、入居者、特に法人のお客様の場合には、借りる物件は必ずしも一つとは限らず、また入居者情報アプリに契約の情報を登録しようとすると、アプリの内容が複雑になってしまうためです。
このように、各アプリの情報管理範囲を明確にし、必要な情報は適宜紐づけることで請求書をkintoneから発行するための基盤を作っていきました。
請求書アプリに情報連携!「必要な情報」を最適なアプリから参照
各アプリで管理する情報範囲を決めて紐づけを行った結果、株式会社東洋不動産さまの顧客情報管理は以下のような形になりました。
入居者のいない物件に対して修理を行うこともあるため、基本的にはオーナー様に請求書をお送りする物件の修理に関わる請求の場合には物件情報アプリを参照し、必要な時には入居者情報アプリも個別に参照します。
対して、敷金や礼金等、契約時の情報を参照する必要がある退去時の請求には契約情報アプリの情報を参照します。
請求の内容に応じてアプリを分け、「一つに対して複数紐づく情報は別アプリで管理する」ようにした結果、必要な情報をそれに応じたアプリから参照できるようになりました。
不動産仲介業で顧客管理をkintone化するメリットとは?
- 請求書の宛先入力の手間を省ける
- 情報を相互に連携させられるため、複数のエクセルを開いて調べる必要がなくなる
- 各アプリの情報管理範囲を定めることで、情報更新の手間を最低限に抑えられる
- kintone上で過去の入居者情報や契約情報も確認できる
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