脱エクセル!kintoneで賃貸の請求業務を効率化|不動産仲介業 株式会社東洋不動産さまのアプリ開発事例
どこの会社でも必ず発生する請求業務。
お客様にお渡しする請求書について、担当者がエクセルで作成し紙で保管して入金管理をしている会社様も少なくないのではないでしょうか?
今回は、請求に関する一連の業務をkintoneに移行し、請求書を発行・印刷するところまで一元化した導入事例をご紹介します!
目次
エクセルで請求書を作成→紙でファイリング
株式会社東洋不動産さまは、広島県東広島市で30年以上不動産仲介業を営んでおられる企業さまです。
不動産の売買や新しく住む場所を探している方のサポートはもちろん、賃貸物件の修繕の取次ぎ、オーナー様から委託された家賃管理等の業務も行っています。そんな株式会社東洋不動産さまでは、お客様への請求業務をエクセルで行っていました。
不動産仲介業の特徴として、お客様は大きく「入居者様」と「賃貸物件のオーナー様」に分かれます。
物件の修理費用や退去費用は場合によりどちらに請求するか、どこに振り込むかが変わるため、柔軟に記載ができるエクセルのほうが株式会社東洋不動産さまの業務に合っていたのです。
各担当者がエクセルで請求書と請求書の控えを作成し、印刷してファイリングすることで保管・共有を行い、その後の入金管理は印刷した請求書の控えで行います。
この方法で発生していた課題は以下の通りです。
- 入居者の情報やオーナーの情報(名前、請求書送付先、振込先等)は請求書作成の度に調べる必要がある
- あくまで担当者の管理になるので、情報共有がしにくい
- 印刷した紙の請求書は探すのに時間がかかる
- 請求する金額しか入力していない(原価は別途管理)のため、会計ソフトに入力するには一度計算をする必要がある
「請求アプリ」を作る前に…別資料から参照している情報を確認
これらの課題を解決するため、kintone(キントーン)を導入し、請求書のエクセル、紙管理の卒業を目指すことになった株式会社東洋不動産さま。
エクセルを元に、請求のためのアプリをいきなり作るのではなく、まずは請求書に必要な「現状ほかのエクセルから参照している情報」を確認していきました。
請求書には、必ず「請求先名」が必要になります。
株式会社東洋不動産さまの場合には、こちらが物件のオーナー様になる場合と、入居者様になる場合があります。
さらに、オーナー様、入居者様両方に紐づく形で物件の情報が必要です。
これらの情報を別のエクセルから参照して来なくてもkintoneに入力できるように、まずは「オーナー情報」「物件情報」「入居者情報」それぞれを登録しておくアプリを作成しました。
さらに、物件と入居者を紐づけるための「契約情報」を登録するアプリも作成し、いつから入居しているのか、敷金礼金はあったのかどうか等を記録しておけるようにしました。
これまでは各情報は個別のエクセルでしか管理しておらず、情報に関連性がない状態でした。
しかし、kintoneにデータを移行することでひとつひとつのアプリの情報をルックアップで連携させることができ、「今この物件に入居者はどれくらいいるのか?」といった情報をすぐに参照することができます。
ルックアップの活用方法についてはこちら!
▼kintoneルックアップ機能をフル活用!文字結合プラグイン・アプリ間レコード更新プラグインの使い方
請求書をkintone化!ルックアップとテーブルを活用
東洋不動産様で発生する請求書は、物件の修繕を行った際の「修理請求」、入居者が退去したときの原状回復費等を請求する「退去請求」、そしてそれ以外の手数料等を請求する「その他請求」の3種類。
それぞれ請求書に記載すべき内容が異なるため、別々の請求アプリとしてkintone化しました。
これにより、これまで各請求書をファイリングしていたのと同じような感覚で「修理請求はこのアプリ、退去請求はこのアプリ」と使い分けることができます。
これまで別のエクセルを参照して入力していた情報がkintoneに集約されているため、ルックアップ機能で対象物件の情報や入居者(退去請求の場合には退去者)の情報を参照、住所やつけるべき敬称も自動登録されます。
細かい請求項目は、その時々で明細の数が変わります。そこで、任意に数を増減できるテーブル形式で入力いただくようにしました。
オーナー様に対する請求なのか、入居者様に対する請求なのかを分けて入力し、さらに原価を入力いただくことで粗利が自動計算されます。
これまでのエクセルの請求書では実現できなかった原価管理、粗利の見える化も自動計算により可能となりました。
印刷はプリントクリエイターで!必要な情報だけを見たい形で印刷
エクセルの請求書をkintone化していく際、オーナー様向けの請求書、入居者(退去請求の場合には退去者)様向けの請求書、そして自社の控え、3つの資料すべての情報を一つのページ内で入力できるようにアプリを作成していきました。
ひとつのアプリに情報を集約し、今度はそれをまた別々の請求書・控えとして発行・印刷する必要があります。
しかし、kintoneの標準機能では、アプリの見たままの情報を印刷することしかできないため、オーナー様や入居者様に表示しなくて良い情報が見えてしまいます。
そこで、株式会社東洋不動産さまではプリントクリエイターというプラグインを使い、必要な情報だけを任意の書式で出力するプラグインを活用。各請求書の書式をPDF化し、請求によって記載内容が変わる項目はkintone内の情報を表示するように設定しました。
これにより、kintoneアプリに一回情報を登録すれば必要なすべての情報がそこに集約され、さらにほしい帳票も一括で出力・印刷できる状態になりました。
請求業務をkintone化するメリット
請求に関する一連の業務をエクセルからkintone化することに成功した株式会社東洋不動産さま。
各担当者が作成、管理していたころと比べると、以下のようなメリットがあったとのことです。
- kintoneを見れば請求情報があるため、確実に全従業員で情報共有ができる
- 物件とオーナー紐づけが自動でできているので、請求の際にわざわざ調べなくても良い
- 過去の請求書を探しやすい
- 似たような請求が多いので、過去の請求を複製することができる
- 原価を入力するようになったため、会計への入力時に別途計算する必要がなくなった
今はまだ印刷した請求書の控えで入金管理を行っていますが、今後はそれもkintone上で管理し、会計情報へと連動させていきたいとのことでした!
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