クラウド活用は当たり前!さらなる収益向上、成長に必要な取組みは? コムデックプレゼン|第14回クラウド担当者勉強会
2020年3月に第14回クラウド担当者勉強会を開催しました。
本記事ではコムデックからの発表について、お伝えします。
目次
クラウド担当者勉強会とは
- クラウド活用中企業が3か月に1回集まり、直近の自社のクラウド活用状況を振り返り、今後取り組むべき活動について、じっくり考える勉強会です
- コムデックから最新のオススメクラウド情報を提供します
- 勉強会の会員同士の意見交換を通じて得た気づきや学びを、今後の自社のクラウド活用改善に活かすができます
- クラウド活用仲間同士のコミュニティで意見交換することで活用モチベーションもアップします
これまでの業務効率化を振り返る
まずは、クラウド活用中の企業さまの、これまでの取り組みについて振り返り。企業によって活用するツールの種類や数は異なりますが、共通しているのはクラウド活用により脱人依存・脱場所依存し、生産性向上を目指しているということ。
Evernote
なぜ、その人しか分からない、その場所でしか分からないということが起きるのか。
その理由の一つとして、業務に必要な情報を個人別でノートや手帳で管理している人が多い、ということが挙げられます。
アナログ管理している情報を、データ管理の構造は変えずに、そのままクラウド管理に置き換えることが出来るのがEvernoteの良いところ。
個人の手帳をEvernote化した結果、今まで個人が抱え込んでいた社内の仕事が見える化し、ノウハウの共有もできるようになり、チームワークが向上しました。
Evernote活用におけるポイントは、情報を個人→チームのものにする風土づくり、多少の誤字脱字は気にせず情報のリアルタイム共有を心がけること、紙でもらったデータはデジタル化する、写真や文字など自由に組み合わせて保存できるので、なんでもEvernoteにアップをしていこう!といったもの。
このように便利なEvernoteですが、大容量データやファイルの管理は苦手…
Dropbox
そこでEvernoteに加えてDropboxを活用する企業が増えました。
Dropboxは容量無制限、さらにwindowsエクスプローラー(ファイル管理機能)と同様の操作感で、誰でも簡単に利用できるクラウドサービスです。
社内サーバー→Dropboxに切り替えることで、今まで会社でなければ確認できなかった情報を、社外でも確認できるようになりました。
LINE WORKS
LINE WORKSを導入し社内外のコミュニケーション改善に取り組まれた会社さまもいます。
LINE WORKSを導入する前のコミュニケーションは口頭が電話が主だった、という企業さまがほとんどです。
電話は確かに便利なツールですが、電話をしている間相手の時間を拘束しますし、電話をしている2者間でしか情報が共有されない為、情報のブラックボックス化を生み出します。
さらに記録も残らないため「言った言わない」問題や、第三者への共有は決定事項だけ、決定に至った背景や経緯などの大切な情報は抜け落ちた状態で共有されるため、トラブルにつながってしまう、ということも起きてしまいます。
そこで、電話で行っていた情報共有を、チャットに切り替えるだけで、お互いの隙間時間で情報発信するようになり、相手の時間を拘束しなくなります。
電話がつながらずかけなおし…といった事態も防ぐことが出来、意思決定のスピードも向上、仕事が滞ることなく進められるようになります。
加えてチャットでは文字だけではなく、写真や動画も併せて簡単に共有できるため、文字以上に圧倒的な情報量で、相手に伝えることができます。
チャットの既読管理機能を使うことで、本当に伝えたい人に伝わっているかどうかが分かるようになります。
そして、せっかくチャットを活用するのであれば、チームメンバーでグループチャットルームを作ることをお勧めしています。
1人に聞かれたことは、必ずほかの人からも聞かれますよね。
グループチャットで共有することで、1人に伝えるコストと同じコストで、全員に伝えることができます。
上司からのアドバイスや、チャット内で行われるQ&Aなどはチャットルームに入っているほかのメンバーにもノウハウとして共有されます。
そのノウハウを活用して、チームメンバーは次第に自走をし始めるようになります。
チームメンバー全員が自走(主体的に考え判断し行動する)しはじめ、チームはスーパーチームへと進化していきます!
新人は必ずグループチャットルームへと招待しましょう。新人は何も発言は無くてもOK!
先輩や上司のチャットのやり取りを見て、仕事の仕方を学ぶことができます。
しかしLINE WORKSでのコミュニケーション量が増えてくると、「チャットルームが増えすぎて、やりとりを追いかけられない」「どのルームでどの話をしていたのか、思い出せない、うまく探せない…」といった困りごとが起きます。
案件の進捗報告、お客様からのクレームの報告、納品スケジュールの共有など、大事なものが探せない…といった事態に。
kintone
そこで、kintoneを活用し、情報をデータベース化する企業さまが増えてきました。
kintoneとは、社内の様々な情報をデータベースとして管理できるクラウドサービスです。
多くの会社様ではエクセルやAccess、各自の手帳で管理していた顧客情報や案件情報、紙で管理していたアンケート、案件や商品の納品カレンダーをkintone化したり、今まで利用していたシステムが古くなり更新のタイミングでkintone化するケースもありました。
kintoneで管理したい業務用のアプリを作成し、アプリに設定した提携のフォーマットに情報を入力することで、エクセルのように情報管理ができるようになります。
クラウドを通じて、顧客情報や営業状況をいつでもどこでも、スマートフォンでも登録・修正・閲覧することが可能となります。
kintoneに情報を入力しておくだけで、集計は自動で行われるため、報告の為の集計作業を行う必要がなくなります。
次回営業日を入力しておけば、カレンダー形式で表示させることが可能、さらに活動日前日に、営業担当者に「1日前です」とアラーム通知を送ることも可能です。
営業活動に必要な情報をkintoneに入力しておけば、忘れてしまってもkintoneが必要なタイミングで教えてくれる、ということですね。
日々の顧客とのかかわりをkintoneで管理することで、顧客の基本情報は勿論のこと、どんな営業・商談をしているのか?どういった契約を結んでいただいているのか?ほかのスタッフがどういった問い合わせをいただき、どういったサポートを行っているのか?展示会やセミナーに参加していただいた際は、どういったご意見をいただいたのか?といった、そのお客様と自社とのありとあらゆる関係性の記録を1ページに集約させることが出来ます。
今回の担当者勉強会でご紹介するアイリス南郊さまはこの1ページでお客様の情報をすべて見ることが出来る、ということに、とことん拘った会社さまです。
アイリス南郊さまのkintone環境を紹介している記事を読む
kintoneで管理されている情報を、カイクラに連携させると、電話着信時に、電話対応に必要な情報(社内の引継ぎ先、よく注文いただく商品名など)をモニターに自動表示させることが可能になります。
カイクラの画面を見れば、電話一次受けをしたスタッフが電話の引継ぎのために社内スタッフに聞いて回ることもなくなり、お客様をお待たせする時間を圧縮できるようになります。
これまで取り組んだ業務効率化の結果
ここまでクラウドサービスを活用した様々な取り組みを振り返ってきましたが、一貫して効果が出ているのは、「脱人依存/場所依存」です。
Evernoteやkintoneを活用するようになってから、ワード・エクセルを使わなくなったという企業さまも。
ペーパーレス化がすすみ、今まで机の上に紙を広げていた代わりに、複数のモニターにデータを並べるようになりました。
情報共有する際は、記憶ではなすのではなく、記録で話すようになり、情報共有のスピードが上がったことで、より正確な意思決定が出来るようになりました。
良い製品や良いサービスというのは他社に模倣される可能性が高いです。
一方、お客様との関係性というのは、模倣することが難しいものとなります。
したがって、顧客との様々な関係(対応の履歴、頂戴したアンケートなど)をkintoneに登録し、データベース化することで、競争優位につなげることができます。
kintoneをうまく活用している企業は、意思決定のスピードが速く、自社のどの活動が顧客満足度向上に寄与しているのか瞬時に判断でき、対応の抜け漏れがなく、データ力自体が自社の強みになっている、という特徴が挙げられます。
「クラウドサービスに、必要な情報を集約することは当たり前」という状態を作ることが重要です。
ついに国も政府共通のプラットフォームをクラウドに移すことに踏みだしましたね。私たちが行ってきたことが間違いではなかったということを改めて実感しました。
ただし業務効率化がゴールではない
クラウドを前提とした(クラウドファーストの)働き方が社内に浸透し、業務効率化を実現した状態というのは、あくまでスタートラインに立った状態、ゴールではありません。
大事なのはその先の「収益を上げて会社を成長させる為の活動を行っていく」ということです。
収益を上げるための活動とは
収益を上げるためには、生産業務のスピードと質をいかに上げられるか?が重要ですね。
新規顧客の開拓(エリア、業種、企業向け→一般向けに広げる…など)や新規サービス・商品の開発、新規顧客に提供した新サービスを既存顧客にも提供していくことで収益増をさせる…などです。
なぜ新規顧客・新規サービス・新規商品にこだわるのかというと…
実は、既存顧客の自社シェア率をアップさせたとしても、企業が成長する要素の中のたった4%の部分にしか影響しない、という研究結果が出ており、既存事業の質・スピードをどれだけ上げて、既存顧客に営業をかけたとしても、残念ながら爆発的な成長は出来ない、ということになります。
企業が成長するために必要な要素として最も影響力が高いのは、新規顧客の開拓や新規サービスの開発による市場拡大ということがいえます。
企業成長の為の取組①アンゾフの成長マトリックス「ずらし」
企業が成長する為に必要な取り組みの1つ目は「ずらし」です。
多くの会社が取り組んでいるのが「既存市場への既存製品の販売」ですが、それを収益性の高い(別の視点で言えば「もっと喜んでもらえる」)領域にずらしていこう、という取り組みが重要です。
「ずらし」の取り組みにより収益を上げた例として、ワークマンがあります。
ワークマンというと作業着のイメージがありますが…
ここ数年でどんどん業績が上がってきているのは、作業着だけの収益ではなく、「ワークマンプラス」という新たなコンセプトを持った店舗を立ち上げ、既存の製造販売技術を生かしたまま、女性向けのサマーウェアや、アウトドア、スポーツに適したプライベートブランド商品を拡充したからなんです。
結果、女性顧客が急増、業績が向上しました。
既存製品を既存顧客に販売し、シェアをアップさせるというのは、作業服のシェアをアップさせる行動です。
ワークマンが行ったずらしとは、女性向けのサマーウェアや、アウトドア、スポーツに適したプライベートブランド商品を開発した事。
そうすることで若い女性顧客の獲得に成功。
さらに、女性顧客だけではなく、一緒にアクティビティを行う家族や友人にまで波及したという事なんです。
我々が既存のビジネスをずらすためには、何が必要でしょうか?
コムデックからは 「顧客管理の徹底/日報の革命をしてください」ということをお伝えします。
新規顧客の獲得/新規サービスの開発を行うためには、まず自分たちが提供している製品/サービスの評価、お客様が自分たちに求めている事、そしてどういう事に対して価値を感じていただいているのか?を知る必要があります。
そしてそれらの答えはお客様の中にあり、その答えを知っているのは、現場に訪問している人です。
今のビジネスをずらし、新規顧客の獲得/新規サービスの開発するのに必要な情報を、現場担当者の中で完結させるのではなく、チームと共有し、意見交換を行う事が重要です。
まずは、日報を単なる行動報告で終わらせるのではなく、顧客の生の声を集めるという視点で考える事が既存ビジネスをずらす第一歩だと考えてます。
今現場に書いてもらっている日報を見返し、いつどこで誰が何をした?という単なる行動報告になっているのであれば、その日報にお客様から頂いた感謝の言葉やご指摘を受けた内容等、を追加してみてください。
最初は効果がないかもしれませんが、蓄積された情報を見返した時に必ず新規顧客の開拓、新規サービスの開発に役立つ情報があるはずです。
企業成長の為の取組②「7Sのアップデート」
企業が事業運営を行う際に必要な7つの要素それぞれの頭文字をとって7Sを呼ばれています。順に見ていきましょう。
■システム/戦略
システムというのは今皆さんが取り組んでいるクラウドを活用し、その仕組みをアップデートし続けるという事です。
そして、アップデートされた仕組みから分析を行い、何がどうなっているのか?お客様が何に価値を感じているのか?が分かる事で、新規顧客の獲得/新規サービスの開発を行うというのが戦略のアップデートです。
その為に、顧客管理を徹底し、日報革命を起こしましょうという話をしました。
■スタイル
新しい戦略を取っていくと、働くスタイルも自然と変わっていきます。
例えば、日報革命を起こす事で、今提供している商品やサービスが本当にお客様にとって価値があるのか?もっと喜んでもらえる為にはどうしたらいいのか?、つまり今よりももっとお客様の事を考えるようになります。
もちろん既存のビジネス活動は行っていくのですが、加えて、新規のビジネス活動も行う事が出来るようになります。
■スキル
スタイルが変わると、必要な会社のスキルも変わっていきます。
いくら社内で新規商品/サービスができあがり、お客様にもっと喜んでもらえる仕組みや文化が出来てもそれを外部に発信しなければ宝の持ち腐れです。
したがって、今後企業に求められるスキルは、営業力、技術力はもちろんですが、マーケティング力が必要不可欠になります。
つまり、業務効率化を進めていくという事に加えて、広告&広報活動が重要です。
■人材
情報を発信していくスキルを持った人材というのは、地方ではなかなか見つける事が難しいという話をよく聞きます。
でしたら、都会に住んでいる方で、そういったスキルを持つ方と協力していくのはいかがでしょうか?
今は、ランサーズ、シューマツワーカー、クラウドワークス等のクラウドソーシングも数多くあります。
そういったサービスを活用していく事や、結婚や出産を期に企業を退職された女性が活躍できる様にする等、多様性を取り入れていく事も必要です。
■組織
さまざまな「S」がアップデートされていくと、組織の在り方も変わっていきます。
どのような組織が今後必要になるのかはまだ分かりませんが、例えば、今の階層構造ではなく、すべての社員がフラットな関係で意見交換を行える組織構造が良いのかもしれませんし社員が組織の中核を担い、新しい事に注力できる様に、作業ベースの仕事はすべて外注に任せる組織構造が良いかもしれません。
■価値観
最後は、すべての「S」をつなぐ価値観のアップデートです。
ここでいう価値感の共有とは、会社のミッション、つまり、顧客や社会に提供している価値の共有の事です。
今までお伝えさせていただいた様々な「S」はこの価値観の基に存在しています。
時流や環境の変化に伴い、周りの「S」はアップデートされ良くなっていきますが、それに合わせて真ん中の企業の価値観もアップデートし続けていかなければなりません。
コムデックからお伝えした内容は以上となります!
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