kintoneを便利にするプラグイン&kintoneで管理する人事評価を大公開!
kintoneは自社の業務に合わせてアプリを作ることができる業務改善プラットフォームです。
しかし、標準機能だけではちょっと使いづらい場面も出てくるのがkintone。
そんなとき、プラグインと呼ばれる拡張機能を活用すればkintoneをより便利にすることができます。
第24回DX担当者勉強会では、kintoneをより便利にするコムデックおすすめのプラグインや連携サービスと、一歩進んだkintone活用として人事評価についてもご紹介しました!
プラグインは初級・中級・上級で難易度別にご紹介しておりますので、是非ご覧ください。
目次
kintoneをより便利にするプラグイン初級編:入力・検索性・見やすさアップ
まず初級編としてご紹介したのは、設定等が難しくない、簡単だけど効率アップを実現するプラグインたちです。
プラグインのダウンロードページのURLも記載していますので、気になった方は是非使ってみてください!
入力効率UP(1):ルックアップアプリ表示プラグイン
kintoneの便利な機能のひとつ、ルックアップ。
他のアプリの情報を参照・取得できるもので、例えば顧客の名前や住所・連絡先等、複数のアプリで同じ情報を扱う時によく使われる機能です。
ルックアップを取得しようとしたときに該当情報がない場合、「参照先のアプリを開いて情報登録をおこなう」という対応が必要になりますが、これがなかなか手間がかかります。
登録しかけたアプリをいったん閉じて、ルックアップ元のアプリにレコードを登録しに行き、それからまた本来登録したいアプリにレコードを登録しに行く必要があるのです。
そこで使ってほしいのが「ルックアップアプリ表示プラグイン」。
ルックアップフィールドからボタンを押すと、参照先のアプリの編集画面が別ウインドウで表示されて直接情報登録ができます。
向いている操作端末:パソコンでもスマホでも 活用してほしい人・アプリ・場面:「案件管理アプリ」(顧客情報をルックアップしている)「見積書アプリ」(商品情報をルックアップしている)など |
入力効率UP(2):krewSheet
kintoneでデータを編集したい場合は、「レコード詳細画面>編集>保存」というステップを踏んで1件ずつ編集作業が必要ですが、「エクセルのように一覧で一気に編集したい……」と思うシーンも多いのではないでしょうか?
一度に複数のデータを登録することがあるアプリにおすすめなのが「krewSheet(クルーシート)」プラグインです。
「krewSheet」はエクセルのような操作感で一覧作成ができるプラグインで、複数のデータを登録する際もサクサク入力できます。
コピー&ペーストが使えるほか、絞り込みなども可能です。
ただし、エクセルと全く同じと言うわけではなく、入力の最後には保存ボタンを押す必要があること、その他のプラグインがkrewSheet上では動作しないことに注意してください。
向いている操作端末:パソコン(スマホ向けのモバイル版では動作しません) 活用してほしい人・アプリ・場面:エクセル管理だったものをkintoneへ置き換えたい場合/たくさんの情報を一度に入力したりコピー&ペーストしたりする場合など |
入力効率UP(3):同一アプリルックアップ
kintoneのルックアップ機能は別のアプリの情報を参照するものであり、同一アプリ内での参照はできません。
例えば顧客管理アプリの中で、関連する別会社を登録する項目を作りたい、といった場合にはルックアップが使えないのです。
「同一アプリ(自アプリ)ルックアッププラグイン」は、同じアプリ内の情報のルックアップを可能にします。
活用してほしい人・アプリ・場面:「顧客管理アプリ」(関連企業(例えば請求先など)を登録する)、「名簿アプリ」(一部のメンバーの管理項目を作成する) |
入力効率UP(4):ツールチップ
「アプリの画面はできるだけシンプルにしたいけれど、入力の際の注意事項も表示したい」、そんなときには「ツールチップ プラグイン」を使いましょう。
入力のルールや捕捉を記載できるので、画面はスッキリさせながら伝えたいことをしっかり書いておくことができます。
活用してほしい人・アプリ・場面:入力間違いが多いアプリ/入力書式を指定したいアプリ |
検索性向上:高速検索絞込みプラグイン
kintoneには検索機能が備わっており、フィルターアイコンをクリックして検索条件を設定、適用ボタンを押下すると画面がリロードされて検索結果が表示されます。
たまに検索機能を使う方にはこれで問題ありませんが、頻繁に検索する場合にはかなり不便です。
「一覧高速検索&絞り込みプラグイン」は、一覧画面に検索フィールドが追加でき、そこに文字を入力すると同時に条件に合うレコードを検索、表示してくれます。
一文字検索ができるほかリロード無しですぐに検索結果が表示されるため、該当レコードをサクサク見つけられるようになります。
向いている操作端末:パソコン 活用してほしい人・アプリ・場面:現場や管理者さん/入力や閲覧作業の多いアプリ |
見やすさ向上(1):テーブルデータ一括表示プラグイン
kintoneには、一つのレコードの中に複数行のデータを登録できる「テーブル」という機能があります。
kintoneで一覧からテーブル(表)の中身を確認する際は「表示する」ボタンで展開できますが、そこからさらに「表示する」を押して別のテーブルを展開すると、前に開いたものは閉じてしまいます。
こまめにテーブルの内容を確認するアプリに「テーブルデータ一括表示プラグイン」を使えば、「表示する」ボタンの代わりにテーブルの内容を一覧上にそのまま表示できて、内容の確認をスムーズにおこなうことができます。
見やすさ向上(2):タブ表示プラグイン
レコードを登録する際や編集するとき、項目数が多いとスクロールが増えて必要な項目が見つけづらくなったりします。
項目の多いアプリには「タブ表示プラグイン」の活用がお勧めです。
項目を区分けしてタブ表示できるため、作業者が対応すべき項目にワンクリックで飛ぶことができて、入力がスムーズにできます。
無料で使えるため、気軽に試せることもおすすめポイントです。
向いている操作端末:パソコン(モバイル版は非対応) 活用してほしい人・アプリ・場面:「顧客管理アプリ」「案件管理アプリ」など入力項目が多いアプリ |
見やすさ向上(3):非表示プラグイン
アプリ内に入力項目がたくさんあるけれど「この部署にはこの項目は不要」ということも。
そんなアプリに「フィールド非表示プラグイン」を使うと、ユーザーや組織、グループごとにフィールドの表示/非表示設定ができます。
それだけなら標準機能でも可能ですが、このアプリの便利なところは、テーブル内の項目の表示/非表示も設定できるという点です。
「条件分岐処理プラグイン」でも同様の設定が可能ですが、多機能なプラグインのため、「フィールド非表示プラグイン」を使う方が、後からアプリのメンテナンスをおこなう際にはわかりやすくなります。
向いている操作端末:パソコン/スマホ 活用してほしい人・アプリ・場面:入力の多い現場向き/「日報アプリ」「見積管理アプリ」などテーブル項目が多いアプリ |
見やすさ向上(4):カレンダーPlus
kintoneには標準カレンダーがありますが、表示は月ごとのみで色分けなどができないごくシンプルなものです。
「カレンダーPlus」を活用すれば、日別・月別・週別の表示切り替えや色分け表示ができるほか、人別や案件別といったリソースごと表示もできるようになります。
ドラッグ&ドロップで予定調整ができ、操作が簡単なことも魅力的。
複数日にまたがる予定登録も可能で、スケジュール管理はもちろん、工程管理なども効率化できる便利なプラグインです。
また、「カレンダーPlus」はJavaScriptによるカスタマイズが可能で、「カレンダーPlus」をさらに便利にするプラグイン「カレンダーPlusアドオン」が配布されています。
予定にマウスを合わせると吹き出しで情報の一部を表示したり、予定をクリックすると画面上でその予定の詳細を表示(アドオン未適用だと画面遷移して表示)したりといった機能が加わりより便利になるため、一緒に適用することをおすすめします。
向いている操作端末:パソコン 活用してほしい人・アプリ・場面:現場・管理者(入力・閲覧どちらもOK)/「スケジュール管理アプリ」「工程管理アプリ」など |
kintoneをより便利にするプラグイン中級編:条件分岐処理、印刷
続いてご紹介したのは、少し設定が複雑な分、使いこなせばkintoneの戦闘力が格段にアップする、そんなプラグインです。
条件分岐処理プラグイン
「条件分岐処理プラグイン」は、レコードが条件に該当した場合に自動化された処理を実行したり、入力形式が違っていたらエラーを出したりできる、作業効率化を後押しする便利なプラグインです。
多機能な上、複数の処理の設定もできます。
今回は、特に便利な機能をピックアップしてご紹介します!
自動コピー
文字列やチェックボックスを条件に指定し、該当した場合に情報を別項目に自動でコピーします。
例えば住所欄に入力してチェックボックスにチェックを入れると送付先欄に住所がコピーされる、といったような使い方が可能で、同じ内容を何度も入力する手間が省けます。
自動採番
kintoneはレコードを登録すると自動で採番されます。
「条件分岐処理プラグイン」で条件を設定すれば、保存の際に「特定のグループごと」の採番が可能になります。
カテゴリごとに番号を振りたい場合などに活用しましょう。
自動アプリ間更新
kintoneの標準機能ではマスタアプリのレコードを更新しても、ルックアップでコピーした先のアプリデータは更新されません。
再取得操作が必要であり、更新漏れが起こることも。
「条件分岐処理プラグイン」でアプリ間の更新を自動でおこなうよう設定すれば、マスタアプリのレコードを「更新して保存」したタイミングでルックアップ先のアプリのデータも自動更新されます。
例えば「顧客管理アプリ」で会社名や住所などを変更したら「案件管理アプリ」の内容も更新する、といった使い方がおすすめです。
保存時チェック
kintoneの入力フィールドは、「必須入力」または「入力無し」のどちらかが基本設定です。
「条件分岐処理プラグイン」で「保存時チェック」を使えば、保存する際「条件に合っていない入力の場合はエラーを出す」「条件によって、別項目への入力を必須とする」「条件に合う場合は入力内容の確認画面を表示する」などの設定ができます。
入力ミスや漏れを減らすために活用したい機能です。
ここまでご紹介した以外にも、「自動行追加」「自動行削除」「非表示」「保存前入力促進」「保存前ポップアップ確認」「編集権限設定」「書式設定」「自動メール送信」などさまざまな設定ができます。
ただ、同じ機能を追加できるプラグインは他にもあり、他のプラグインで実現できるものはそちらを使うことをおすすめしています。
全てを「条件分岐処理プラグイン」のみで設定すると、エラーが発生した時などにどのプラグインがそのエラーに影響しているのかの判断が難しくなるためです。
条件分岐処理プラグイン自体は大変便利ですので、上手に活用して使い勝手の良いアプリにしていきましょう!
条件分岐処理プラグインの機能については、こちらの動画をご覧いただくとよりイメージしやすいのでおすすめです。
帳簿印刷:TIS「印刷設定プラグイン」「一覧画面印刷プラグイン」/「プリントクリエイター」/「RepotonU」
kintoneの画面やデータを印刷・出力したい場合には、ぜひプラグインを活用してください。
画面の体裁を少し整えるものから、自社のテンプレートに合わせた出力ができるものまで、複数のプラグインがあります。
プラグインで直接印刷や出力ができるようになると転記の手間やミスもなくなるほか、kintone活用の幅がより広がります。
ポイント | TIS | プリントクリエイター | RepotonU |
特徴 | kintone画面を少し整えて出力できる | 自社のフォーマットに合わせてPDF出力 | Excelで出力できる |
活用シーン | 社内向けの印刷物 | 社外向けの見積書や請求書を印刷 | 社外向けの見積書をお客様にお送りして、 お客様が発注日を入力して返送 |
便利なポイント | ちょっと見た目を整えたい、に対応できる | 発行したPDFを自動でレコード内に保存できる | クラウドストレージに自動保存可能 |
向いている操作端末:パソコン 活用してほしい人・アプリ・場面:請求書や見積書、発注書、作業指示書といった社内や指定のテンプレートがある物に関するアプリ |
印刷・出力に関するプラグインについてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。
▼kintoneで帳票を簡単に作成・PDF出力したい!便利なプラグイン5つを徹底比較!
kintoneをより便利にするプラグイン上級編:データ自動作成・BI・外部連携
最後にご紹介したのは、kintone内のデータを活用して自動的にデータを作成したり、集計したり、見える化したり、さらには外部連携を実現できるプラグインです。
その分設定は難しくなりますので、自社だけで導入が難しい場合には専門家に依頼するのが良いでしょう。
データ自動作成・集計:krewData
kintoneはデータ集計が得意ですが、標準機能ではアプリごとにしか集計ができません。
複数のアプリの情報を加工・集計したい場合、データの自動作成を行いたい場合は「krewData(クルーデ―タ)」を使いましょう。
活用してほしい人・アプリ・場面 在庫数計算(入庫・製造・出荷の各アプリから計算) 工数・原価集計(日報・仕入・経費の各アプリから案件ごとに集計) 売上・粗利集計(部門別売上・顧客数などからリアルタイム集計) 「請求書アプリ」(締め日が来たら、「案件管理アプリ」のデータをもとに集計して請求書に使うデータを作成) 「スケジュール管理アプリ」(マスタからタスクやスケジュールを自動作成、登録) |
BI/ダッシュボード:krewDashboard/krewSheetのXrossモード
データの集計・分析にクロス集計やピボットテーブルを使いたい場合にオススメのプラグインが2つあります。
それぞれ特徴が異なるため、やりたいことに合っているプラグインはどちらかを判断することが大切です。
krewDashboard | krewSheetのクロスモード | |
ポイント |
期間や分類の絞込みがワンクリックでできる
【閲覧向き】
|
集計表上で入力できる
【入力向き】
|
こんな ご要望向き |
絞り込み条件を頻繁に変更したい
詳しく分析したい
|
進捗を管理したい
一覧上で入力したい
ないデータも表示したい
|
おすすめ 活用シーン |
売上の集計
原価管理
予実管理
顧客や従業員評価、分析
人時生産性の分析
|
進捗管理
日別/月別のチェックシート
人員配置表
|
これらのプラグインについてはこちらの記事もご覧ください!
▼kintoneプラグイン機能比較!krewSheetとkrewDashboardどちらを使うべき?向いているアプリを解説!
外部共有(1):じぶんページ/kViewer
kintone内の情報や集計結果を社外の人と共有したいけれど相手はkintoneアカウントを持っていない、ということもあります。
そんな時には「じぶんページ」や「kViewer(ケイビューワー)」を使いましょう。
外部からの問い合わせ対応や報告作業のコストが削減できる上、相手も知りたいタイミングで必要な情報の取得が可能に。
お互いに時間のロスが減り、満足度向上や他社との差別化にも繋がります。
じぶんページ | kViewer | |
ポイント |
・シンプルで使いやすい
・ユーザーごとに公開情報を設定できる
・双方向のやり取りが可能
|
・たくさんの情報を一画面に表示できる
・閲覧のみ
・FormBridge等他のサービスと連携できる
|
向いている端末 | スマホ | PC |
おすすめ 活用シーン |
介護業
入居者様のご家族に日々の様子を共有・脱連絡帳
|
士業
依頼された手続きの状況等を共有
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外部共有(2):FormBridge
独自の問い合わせフォームやGoogleフォームを活用している企業さまも多いですが、外部から登録されたデータがそのままkintoneに登録されたら便利ですよね。
「FormBridge(フォームブリッジ)」を使えば、WEBフォームに登録されたデータが自動的にkintoneに連携されるため、転記が不要になります。
向いている操作端末:パソコン/スマホ(モバイル) 活用してほしい人・アプリ・場面:外部からの情報登録 |
外部共有(3):kintone for LINE WORKS
社内の連絡手段にLINE WORKSを導入しているなら、「kintone for LINE WORKS」もぜひ追加しましょう。
kintoneには標準機能に通知があり、条件や通知先設定などの指定も可能です。
ただ、通知を確認するためにはkintoneへログインしておいたりメールをチェックしたりする必要があります。
kintone for LINE WORKSは、kintone内のデータの動きに合わせて指定したLINE WORKSグループやユーザーに通知が飛ばせます。
さらに、kintoneアカウントを持たない(kintoneアカウントを組織で共有している、外部にいるなど)人にも通知が可能。
通知の見落としが減るほか、通知だけで状況を把握できたり、履歴も残るので後から見返しやすいといったメリットがあります。
向いている操作端末:スマホ(モバイル) 活用してほしい人・アプリ・場面:管理・事務職向き(閲覧向き)/「案件管理アプリ」「日報アプリ」「営業管理アプリ」など |
kintone for LINE WORKSについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています!
▼kintoneとLINE WORKSを連携して通知の抜け漏れを回避!連携のメリットと活用事例を紹介
外部共有(4):会計連携
会計や請求書発行は専用システムを導入している企業さまも多いですが、kintoneとデータ連携させることでバックオフィス業務をかなり効率化できます。
kintoneアプリで管理している情報をマスタとしてデータ連携すると、情報を何度も登録する必要がなくなるほか、仕訳も一度登録したらそれを活用した自動仕訳も可能になるなど、作業時間が大きく削減でき、ミスや漏れも防ぐことができます。
向いている操作端末:パソコン 活用してほしい人・アプリ・場面:管理(バックオフィス) |
会計連携については、こちらの動画でも詳しくご紹介しています!
kintoneで管理する人事評価!いい会社づくりはスタッフの成長支援から
kintoneは業務改革だけではなく、人事評価にも活用できます。
業務の効率化やスリム化が進んだら、ぜひ人事評価にもkintoneを展開していきましょう。
kintoneはデータが蓄積されて履歴が追いやすいほか、コメント機能で細かなやり取りができるなど、さまざまな使い方ができます。
具体的な人事評価制度の仕組みやkintoneの活用方法は下記の記事をチェックしてください。
▼「企業価値が向上する」効果的な評価制度とは?「続ける」ために必要な2つのポイント
▼kintoneで評価制度を管理する7つのメリット
プラグインを活用してkintone活用の幅を広げよう!
第24回のDX担当者勉強会では、コムデックおすすめのプラグインを一挙ご紹介しました。
kintoneにプラグインをうまく追加して使えば、業務を効率化することはもちろん、必要な数字を見える化すること、関連業務アプリと連携させること、人事評価に活用することなど、さまざまな活用が可能です。
アプリは運用スタート後でもカスタマイズができるという特徴を活かし、どんどん活用の幅を広げていきましょう。