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【具体例つき】DXの成否を分ける!DX設計図のつくりかた

社会の変化のスピードに対応し、自社も変革していくためにはDXが不可欠である…

これまでコムデックが幾度となくお伝えしてきたことです。

今回は、第17回担当者勉強会でお伝えしたDXを成功に導くために必要なDX設計図についてご紹介します!

中小企業におけるDXのゴールとは?

中日新聞様のインタビューでもお伝えいたしましたが、中小企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)とは「先行き不透明な社会に適応していくための手段」であり、DXそのものが目的ではありません。

社会の変化にデジタルの力で適応する目的は、「より社会に必要とされる存在に自社をアップデートすること」、つまり、よりお客様に自社の価値を感じていただくための競争優位性を獲得することです。

お客様がより自社に価値を感じてくださっているかどうかを図るためには、以下の五つの要素を検討する必要があります。
  • 去年より良い商品/サービスを顧客に提供できてるかどうか
  • 同業他社よりも良いサービス体験を顧客に提供できているかどうか
  • 自社の顧客をよりファン化できているかどうか
  • 新しい顧客は増えているかどうか
  • 顧客が新たに望んでいる事を理解しているかどうか
これらの要素をまとめて、「新たな顧客体験(CX:カスタマーエクスペリエンス)」を提供することがDXの目的になります。
ただ業務を効率化することは「デジタル化」にすぎず、その先の事業価値向上まで取り組んでこそのDXなのです。

DXが上手くいかない理由…ゴールのイメージが不明確

そうは言っても、なかなか中小企業ではDXが進んでいっていないのが現状です。

その理由は、漠然と「DXしよう!」と伝えられるだけで、具体的に自社がどこを目指して何をすればいいのか現場の方がイメージできていないことが大きいと言われています。

経営者様の考えには先ほどお伝えしたような「顧客貢献」があったとしても、それが従業員全員にまで伝わっているのか?事業価値を向上させるとは、具体的にどのようなことをすればいいのか?そのためには何をしなくてはならないのか?

ただ業務を置き換え、効率化するだけの「デジタル化」であればツールがあればできるかもしれませんが、DXはお客様にとっての付加価値を向上させることが目的となるため、従業員の「行動」が変わる必要があります。
そのために、「自社におけるDX」をまずは整理しなくては、現場の方は動けません。

ゴールとプロセスを明確に!DX設計図を作ろう

  • DXのゴール(お客様にとっての付加価値)
  • 社内の業務におけるプロセスと、そのプロセスに活用するデジタルツール
  • 各プロセスにおける数値目標
これらの要素を落とし込み、「ゴールはどこなのか、そのために何を使って何をすればいいのか」を明確化したものがDX設計図です。

DX設計図の要素①業務プロセス

DX設計図の一番上に来るのは自社の業務の流れプロセスです。

まずは現状の業務プロセスを洗い出し、その作業は本当に必要なのか?必要であるのならかかっている時間はどれくらいなのか?生産性の観点から、そのプロセスは変えるべきではないか?といった検討をしていきます。

ここで重要となるのは、プロセスは部署割り関係なく会社全体で考え、この設計図を見たときに従業員が自分の部署だけではなく会社の業務全体を把握できるようにすることです。

プロセスは各会社によって異なりますが、事業別に概ねの流れがあります。

以下は建築業、介護業、自動車販売業、小売業の業務プロセスの一例です。

DX設計図の要素②デジタルツール

整理したプロセスで、どんなデジタルツールを現状使っているのか、ツールの機能が重複しているものは無いか?どのツールを使えば全体の業務の流れがスムーズになるのかを検討します。

ここでポイントとなるのは、使うべきツールは「クラウドでいつでもどこでも情報を確認でき、なおかつモバイルでも使えること」

「どこでも仕事ができる」が当たり前の現代において、「会社でしか使えない、確認できない」は生産性を下げる要因となってしまいます。

また、よくお伺いするのが「全部のプロセスをオールインワンで実現できるシステムは無いのか」というご要望ですが、そういったシステムは高額であることや、細かい所には手が届かず結局Excelに逆戻り…といった事例が多くあります。

様々なデジタルツールを1ライセンス等から使えるクラウドサービスだからこそ、ツールの特性を理解した上でその業務プロセスに最適なツールを使い分けることが重要です。

DX設計図の要素③KGI/KPI(数値目標)

最終的にお客様にとっての自社の付加価値を上げるためには、「デジタルツールを導入して、便利になった」という感覚的な効果ではなく、「そのツールの導入でどんな結果が出れば経営上効果があったと言えるか」をきちんと定義しておく必要があります。
KGI(Key Goal Indicator):企業が目指す数値目標(期末時点) ※売上(粗利)向上
KPI(Key Performance Indicator):KGIを達成するために必要な構成要素
例:営業機会をどれだけ作れたか、成約率がどれくらいか、顧客単価がどれくらい上がったか
KGI、KPIを設定する時のポイントは、以下の3点!
  • 数値として明確/計測可能
  • 実現可能な目標であること
  • KPIを達成していけばKGIが達成されるような仕組み(因果関係)があること
ここで設定したKPIに向かって、従業員の方がデジタルツールを活用しながら自分自身の行動を変えていくことがDXの本質となります。

実際にコムデックで設定しているKPI、KGIの例は以下の通りです。

LTV(ライフタイムバリュー:顧客から生涯にわたって得られる利益)と人時生産性を向上させるために、顧客のリピート率アップや追加のサービス契約、間接業務の時間削減、分業化等をKPIとしています。

こちらを自社の業務にあわせて作成し、まずはゴールを明確化することがDXの第一歩と言えます。

DX設計図の要素④顧客体験価値(CX)

ここがDXのゴール、すなわち「お客様にとっての付加価値」です。

各プロセスでデジタルツールを活用し、KPI、KGIをクリアした上でどんな付加価値をお客様に提供できるのか?どんなところに新たな価値を感じていただけるようになりたいのか?を明確化します。

ここでポイントとなるのは、価格や機能性といった物理的価値だけではなく、満足感や安心感といった感情・経験という「体験価値」を重視すべきということです。

機能や性能を高めることはもちろんですが、それらは差別化を図りにくく、すぐに陳腐化してしまいます。

しかし、「満足感」や「喜び」といった体験価値は模倣されにくく、顧客をファン化する大きな要素となります。

一体何が顧客にとっての価値になるか…これを知るためには、各デジタルツールに蓄積されたデータからまず顧客の現状を理解し、どこが価値を感じてもらう要素になっているのか、顧客の求めていることを分析する必要があります。
分析した上で仮設を立て、その仮説が正しいのか検証をしてまたこの設計図をアップデートしていく…

DX設計図は一度作って終わりではなく、半年程度のサイクルで更新していくことが望ましいと考えています。

実際にコムデックが作成した建築業、介護業におけるDX設計図モデルがこちらです。


DX設計図作成のポイントまとめ

  1. DXの目的は「事業価値を向上させ、顧客にとっての付加価値を提供すること」であり、業務効率化はその手段の一部
  2. どのような状態が事業価値が高いといえるのか、従業員全員がゴール(CX,KGI,KPI)を認識するための「DX設計図」が必要
  3. まずは業務プロセスの洗い出しと整理、各プロセスで活用するデジタルツールを選定する
  4. デジタルツールはクラウドファースト、モバイルファースト
  5. KPI/KGIは数値で測れるものになっており、KPIを達成していけばKGIが達成されるような仕組み(因果関係)があること
  6. CXはデータから判断……そのためにも脱アナログ、デジタル化が必須要件
自社のDX設計図は描けそうでしょうか?

これらのポイントを押さえ、まずは業務プロセスの洗い出しから取り組んでみてください!

CXの次は…EXを高めてDXを成功に導く

今回はDX設計図を中心に、CXを生み出し、高めていくことがDXの目的であるとお伝えしました。

しかし、DXを成功に導くためにはもう一つ、EXも欠かすことのできない要素となります。

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この記事を書いた人

生田 智之

『DXの第一想起者』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 kintoneをはじめとする、各社に合ったクラウドサービスの提案から導入、伴走まで一貫したサービスを得意としています。 また、youtubeではkintoneのノウハウを大公開する「kintone芸人」として活動しています。 「DX化したいけど具体的なイメージができない」「こうなりたい!はあるけど手段がわからない」…等の想いをお持ちの企業様、是非一度ご相談ください!

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