krewSheet Xrossモードで工事の人員配置表をkintone化!|総合建設業 株式会社太昭組さまのアプリ開発事例

建設業において、限られた人員で効率よく仕事を進めるためには適切な人員配置が欠かせません。
そのため、案件受注を検討する上で「どの工事にどの従業員が携わっているか」「いつからいつまでその従業員が拘束されるか」といった施工スケジュールと人員配置は非常に重要な情報です。
今回は、建設業における人員配置の検討をkintone化し、脱エクセルを図った企業さまのアプリ開発事例をご紹介します!
目次
予実管理をkintone化!次の目標は人員配置
山口県を中心に島根や広島、東京でも事業を展開する総合建設業の株式会社太昭組さま。約2年前から業務にkintoneを導入しはじめました。
工事台帳や顧客管理、見積管理などの脱紙・脱エクセルを順調に実現し、複数のkintoneアプリからデータ集計等を行えるkrewData(クルーデータ)プラグインも活用しています。
現在は、期別の目標進捗管理や見積書の申請などkintoneを中心に据えて業務を再構築し、従業員の皆様への浸透を進めているところです。
株式会社太昭組さまにおける予実管理へのkintone導入プロセスはこちらをご覧ください!
▼kintoneで予実管理!実績集計はkrewDataで自動化|総合建設業 株式会社太昭組さまのアプリ開発事例
目標達成にはリソースが重要!
株式会社太昭組さまの予実管理は、現在の進捗を管理できるのはもちろんのこと、「まだ見込み段階の案件が成約になった場合の目標達成率」もリアルタイムでシミュレーションできるようになっています。
しかし、建設業において「どの案件を成約へ導けば目標達成できるか」を検討するためには、ただ単純に金額だけを見れば良いわけではありません。
工事を行うためには、当然その現場で仕事をする従業員が必要です。
そのため、「その案件が予定される工期に自社リソースが空いているか」、つまり自社の従業員がその工事にその期間中携わることができるかどうかが目標達成の鍵となるのです。
予定される工期に自社のリソースが成約済みの工事で埋まっていたら、当然ながら受注したとしても工事はできません。
受注には自社リソースの空きが必須となりますので、受注に向けて動く前に最新の自社リソース(人員配置)の状況を把握する必要があります。
人員配置の状況が把握できれば、適切な受注の判断ができるだけではなく、工期の調整を交渉するという選択肢も生まれます。
このように重要性の高い人員配置管理を、株式会社太昭組さまではもともとエクセルで行っていました。
目指せ人員配置の脱エクセル!
株式会社太昭組さまが元々利用していた人員配置管理のエクセルは以下の通りです。
現場名と工期、その現場に配置される従業員名が表示されており、月ごとに誰がいつまでその工事に関わるかを記載しています。
資料自体は見やすく、配置もわかりやすくなっています。
しかし、エクセルでの管理には以下のような課題がありました。
エクセル人員配置管理の課題
- 共有に手間がかかる
- 共有すると最新ファイルの把握がしづらい
- 最新のファイルが行方不明になり、対象の工事が増えたときや工期が変更になった場合などに更新されているのか判断できない
- 会議中に話し合いに沿って編集する際、数式崩れなどが起こりやすい
すでにkintoneを業務に活用していた株式会社太昭組さまでは、建設業において受注や売上に大きく関わってくる人員配置の管理にもkintoneを活用し、これらの課題を改善したいと考えておられました。
まずはガントチャートで人員配置を実装!でもエクセルに逆戻り…何故?
自社の人員配置管理のkintone化を検討しはじめた株式会社太昭組さま。
まずは、これまで使っていたエクセルの形式を踏襲したkintoneアプリを作成してみることになりました。
元のエクセルでは各月に対象従業員の名前を入れていましたが、より視覚的に判断できれば……ということで、無料で利用できるガントチャートのプラグインを活用。
完成したアプリは、工事名や工期といった情報と担当者名が縦軸に表示され、その従業員が携わる期間がガントチャート形式で表示されています。
ガントチャートプラグインについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
▼kintoneで工程進捗管理を実現!無料vs有料ガントチャートプラグインを比較
無料プラグインのガントチャートでも人ごとの色分けができ、期間も2年間表示できるなど、工期の長い工事を請け負うこともある株式会社太昭組さまのような建設業の企業様でも問題なく利用できます。
表示される情報もエクセルに近く、切り替えへのハードルは低そうに見えました。
しかし、このガントチャート形式の場合、「同じ期間に仕事が重複している人がいるかどうか」(リソースの予定がダブってしまっていないか)を一目で判断することはできません。
新たな工事の受注を検討する上では、「誰がどの工事にどの期間割り当てられているか」だけではなく、「いつ誰が空いているか」こそ把握する必要があるのです。
エクセルで行っていた人員配置管理では、人員配置表とは別に集計欄を設けて「同じ名前の人がその月に入力されている数をカウントして表示」させ、割り当てられている現場数を数値で把握していました。
しかし、無料プラグインのガントチャートは、レコードを「開始日と終了日で指定」するため、「間の月に登録されている人が誰か」を判断してカウントすることができません。
また、登録の方法についても「1従業員が1工事に入る期間」をひとつのレコードとして登録していく必要があり、これまでのエクセルのように一覧画面上で全体を見ながら入力することは不可能でした。
結果として、無料プラグインのガントチャートでは建設業での運用にぴったりのアプリを作成することができず、エクセルでの人員配置管理に戻ってしまったのです。
krewSheetのXrossモードでリベンジ!
そんな折、kintoneのプラグインのひとつ、「krewSheet」のアップデートが発表されました。
kintoneのプラグイン「krewSheet」は、kintoneのもつデータを一覧表示し、エクセルのように操作できることが魅力のツール。
アップデートにより追加されたXrossモードでは、「ピボットビュー」「行列変換ビュー」の2タイプが実装されました。
「ピボットビュー」はkintoneアプリ内のレコードをピボットテーブルのように指定した単位で集計・表示してくれる機能で、「行列変換ビュー」は一覧になっているレコードを指定した行列に合うよう変換して表示できる機能です。
このXrossモードの「行列変換ビュー」を使えば、株式会社太昭組さまの目指す建設業向きの人員配置管理アプリが作成できるかもしれないと考え、さっそくアプリの再構築をスタートさせました。
完成したアプリに表示されている情報はエクセルとほとんど変わりません。
しかし、工事名を取得することで自動的に工期や金額が入力され、リアルタイムな更新・共有が可能となっています。
さらに、以前エクセルで数式を駆使し管理していた、従業員ごとの毎月の割り振り案件数も自動でカウントされて表形式で表示され、一目で誰が空いているか、重複している工事がないかを確認できます。
こうして、受注済みの工事の人員配置だけではなく、交渉中の未受注案件についても人員配置のシミュレーションができるkintoneアプリが完成しました。
krewSheetのXrossモードについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
▼kintoneプラグイン機能比較!krewSheetとkrewDashboardどちらを使うべき?向いているアプリを解説!
使い勝手にクセあり、それでも切り替えを決断したポイントは
krewSheetのXrossモードを活用し、建設業における人員配置の管理をkintone化した株式会社太昭組さま。
エクセルからkrewSheetに切り替えたメリットは以下の通りです。
- kintoneアプリでの管理を運用することで自動的に共有され、誰でもどこからでも最新の状況が確認できるため受注検討や工期交渉などに活用しやすい
- 工事管理アプリと共有できるデータ(工期や金額)を紐づけているため、工事名を取得すればすべての情報が自動入力される
- 人員配置の過去のデータが蓄積され、いつでも参照できる
- 数式が直接入力されているわけではないため、数式崩れなどが起こらない
krewSheetのXrossモードは、エクセルのような表示ではあるものの、エクセルと全く同じように入力できるわけではないため、運用にはコツや慣れが必要でした。
しかし、情報共有の面でメリットが大きく、脱エクセルをしていくという会社方針の元、現在は画面キャプチャを挿入したマニュアルを用いて、徐々に使い始めていただいています。
プラグインも合わせて活用することで、kintone化のメリットは増幅する
一度は断念した建設業における人員配置表のkintone化。
株式会社太昭組さまではアップデートされたプラグインを活用することにより、人員配置管理を脱エクセルしてkintoneで行えるようになりました。
kintoneそのものはもちろん、プラグインも日々アップデートされています。
以前は難しかったことも、今のkintoneなら、あるいはプラグインを活用すればできるようになるかもしれません。
もし御社が人員配置や工事のスケジュール管理でお悩みのようであれば、株式会社太昭組さまのようにkintoneを活用してみるのはいかがでしょうか?
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