原価管理のkintone化で出勤要らずの経理業務へ|建設業 株式会社泰成さまkintone導入インタビュー
kintoneを導入され、リアルタイムに集計されてくる原価管理を実現した株式会社泰成さま。
krewDataやkrewDashboardといった拡張ツールも導入し、kintoneをフル活用していらっしゃるように見えますが、導入は思った以上に大変な面もあったと言います。
今回は、前回の記事ではご紹介しきれなかったkintone導入のきっかけや、導入時の苦労、これからkintoneを導入される方へ向けたアドバイス等、経理担当の山本さまに本音で語っていただいたインタビューの様子をお伝えします!
インタビュー企業紹介
株式会社泰成さま 三重県松阪市にある建設業の企業さまです。 「東日本大震災」の復旧工事も手掛けており、東北地方を中心として最近は日本全国へと現場が拡大しておられます。 今回インタビューにお応えいだいたのは、kintone導入を決定した経理担当の山本様。 現場が全国に点在し、資料を集めてくるだけで時間がかかる……そんな「建設業あるある」をkintoneを活用してどう解決したのか?きっかけや大変だったこと、その他のIT活用までじっくりお伺いしました! |
目次
ペーパーレス化のきっかけは「長期休暇で海外旅行に行けるくらい『何処でも仕事ができるようにしたい』」!?
コムデック
こんにちは!本日はよろしくお願いします。
株式会社泰成 山本さま
よろしくお願いします、インタビューもZoomなんですね。
コムデック
以前は直接お伺いして、お写真も撮らせていただいて……という方式だったんですが、非対面・非接触推奨ということで今回はZoomでお話をお伺いしていきます。
コムデック
弊社はZoomで打合せ実施する機会も多く、さすがにもうみんな慣れてきた感じですが、泰成さまはいかがですか?
株式会社泰成 山本さま
うちもZoomはフル活用してますよ!現場が遠方なので、そもそも物理的には集まれませんから。
個人にiPadも配布してるので、各個人単位でZoomに入ってもらって、毎週木曜日に全体で会議してます。
コムデック
泰成さまの場合には現場が全国ですし、集まるだけでとんでもないコストになりますもんね……!
各個人にiPadを渡していらっしゃるとのことですが、それ以前はどうやって会議をしていらっしゃったんですか?
株式会社泰成 山本さま
iPadを配る前は、各現場の事務所にみんなで集まって、PC1台から皆で参加……という感じでした。
iPadと一緒にDropboxも導入したので、今は会議前に共有フォルダに資料を入れてもらうようにしています。
コムデック
ZoomにDropbox、さらにLINE WORKSやkintoneも活用いただいている泰成さまですが、ITを使っていこう!となったきっかけはなんだったんでしょうか?
株式会社泰成 山本さま
きっかけは、正直に言うと『出勤したくない』からだったんです。
家から会社まで片道40分、往復にすると1時間半弱もかかるんですよ。
それだけあったら、その時間でいくらでも仕事進められるわ!と思って。
コムデック
往復1時間半はつらいですね……都会ならそれくらいの通勤時間当たり前かもしれませんが、電車と違って車を運転していたら他に何もできませんし。
どんなところから、またいつぐらいからIT活用を始められたんでしょうか?
株式会社泰成 山本さま
7年くらい前から、まず「事務所に届いた請求書をスキャンしてメールで送ってもらう」「支払先と金額をExcelで一覧化」ということを始めました。
コムデック
7年前というと2015年!?
地方の中小企業がコロナでやっと重い腰を上げ始めた2020年のさらに5年前から取り組んでいらっしゃったんですね。
株式会社泰成 山本さま
ただ、最初はIT化をしているという認識は全くありませんでした。
当時は会計ソフトもクラウド型ではなかったので、事務所の従業員が入力するときには電話で連絡をもらってこっちは一度落として……終わったらまた連絡をもらってこっちが起動して……みたいなことを繰り返していましたしね。
作業時間が被らないようにするために、私は遅い時間に使うようにしたり。今考えると、出来る範囲でIT活用しようと頑張っていたんだなと思います。
コムデック
クラウド型ではない、いわゆるオンプレ会計ソフトの宿命ですね。
株式会社泰成 山本さま
事務所にいる従業員さんには負担をかけてしまった面もあるんですが、そのおかげもあって、コロナよりずっと前から私は自宅で仕事ができています。
できれば趣味の海外旅行に行っても問題なく仕事ができるくらいの環境を整えたいですね。
コムデック
コロナが落ち着いたら是非、PCを携えてお出かけください!
株式会社泰成 山本さま
そのころには、逆に『何処にいても仕事しなきゃいけない』って青ざめているかもしれません(笑)
kintone導入のきっかけは各現場の原価管理
コムデック
『何処でも仕事をできるようにする』ための中核を担うツールと言っても過言ではないkintoneですが、泰成さまはkintoneを契機としてコムデックにお声掛けいただきましたよね。
いったいどのような経緯でkintoneを知ったのでしょうか?
株式会社泰成 山本様
kintoneを使っていらっしゃる企業さんの実際の画面を拝見したことがきっかけでした。
ちょうどその頃、現場も増えてきたこともあって、エクセルを駆使して原価管理することにも限界を感じていて。
そんな時にちらっと見せてもらったkintoneの画面が「エクセルっぽいけどエクセルじゃない!なんだこれ!」って感じで。
コムデック
『エクセルでの原価管理に限界を感じていた』とのことですが、どんなところに課題感をお持ちだったんですか?
株式会社泰成 山本様
現場監督もそれぞれ自分のやり方で原価管理表は作っているんですが、社宅費とか現場だけでは把握できない原価というものがどうしてもあって、現場監督からそれらの経費について確認したい、って連絡が来るんですよね。
会計ソフトに打ち込みが終わっていないと原価の情報を出力できないんですが、他の業務を優先してしまってどうしても打ち込みが後回しになってしまいがちで……結果的に、一か月か二か月前のデータしか確定していない状態だったんです。
それに加えて、現場の人が知りたい情報と会計上知りたい情報ってやっぱりちょっとズレがあるので、会計ソフトから出したデータを見やすいように加工するためにまた二度手間三度手間……みたいな。
現場は現場のタイミングがあるので、連絡が来る度、現場ごとにそれをやっていると、原価管理だけで膨大な業務量になってしまったんです。
コムデック
「現場と経理で知りたい情報にズレがあり、それぞれで原価管理表を作っている」というのは建設業の企業様でよくお伺いする課題の一つです。
泰成さまも、原価管理にかかる手間をなんとかしたい!ということでkintoneを導入いただいたんですね。
「現場と経理でそれぞれ工事台帳を複数作成」を含む、建設業によくある課題とそれを解決するkintone活用についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼建設業でよくある課題をkintoneで解決!建設業業務改善パッケージ
kintone導入初期の失敗と苦労、おすすめの導入方法とは?
コムデック
原価管理を効率化したいということでkintone導入を決められた泰成さまですが、kintoneの最初の印象はいかがでしたか?
株式会社泰成 山本様
最初に打合せをした生田専務に「これできますか、あれできますか」と色々質問させていただいて、全部「できます!」って自信をもって答えていただいたので安心して導入を決めました(笑)
なので一番最初のkintoneに対する印象は、「こんなに便利なツールなら、もっと早く知りたかった!」ですね。
コムデック
kintoneは汎用ツールなので、自社の業務に合わせて構築していけるのが特長な分、概ねの業務課題に対して「できます!」という回答になりますね(笑)
もちろん、実現するためには工夫やカスタマイズが必要なことも多々ありますが……それから、導入は順調だったんでしょうか?
株式会社泰成 山本様
それが、結構大変でした……というより、今も絶賛大変です(笑)
ちょっと簡単に考えすぎていたというか、なんでもできると思っていたら、案外融通が利かないぞ?という感じで。
コムデック
元々、何でも自由に入力できるエクセルを利用していた場合、特にそう感じる部分が多いかもしれません。
具体的には、どんなところが大変だと感じていらっしゃいますか?
株式会社泰成 山本様
自動で集計ができてリアルタイムに数字が反映される、勝手に会計用と現場用の工事台帳が出来上がる……というのはもちろん大きなメリットなんですが、それらを実現するためにはとにかく「kintoneへの入力」が前提となりますよね。
kintoneの画面も、エクセルで入力するのと大きく変わらないように工夫して作ってもらったので、自分の感覚では「入力すればいいのね」という感じだったんですが……
コムデック
RPA等で一部入力を自動化することは可能かもしれませんが、手元にある紙の情報を自動で吸い上げることはまだ難しいので、どうしても「入力」は必要になりますね。
株式会社泰成 山本様
これは私の反省でもあるんですが、kintoneの会社全体への導入を従業員さんに入力してもらう必要がある「日報」と「お弁当代の清算」から始めてしまったんですね。
原価管理上ここが結構大変なところだったので、まずそこから……と着手したはいいものの、従業員さん目線で考えると「これまでやらなくてもよかったことをやらなきゃいけない」んですよ。
コムデック
「やるべきことが増える」となるとどうしても抵抗感が生まれますよね……。
株式会社泰成 山本様
うちの場合、元々各現場監督さんのやり方に任せていたので、会社として統一の原価管理のフォーマット等はなかったんですね。
そこへ急に「統一してkintoneでやるからよろしく!」と言われても……となりますよね。
今考えると、日報のような直接現場の方に影響のある部分ではなくて、まずは事務だけで処理する部分からkintone化して、その上で「今こういう風に変えていって少しずつ効率化しているから、ちょっと協力してもらえませんか?」という風に協力を仰いでいく方がよかったのかなぁと思います。
コムデック
他の会社さんでも、導入初期は「データ入力は事務が一手に引き受ける」等工夫して現場の方の負担を減らすようにしていらっしゃるところが多いです。
あとは「新しいツールを入れる目的とメリット」をしっかり時間を取って説明すると、納得して使ってもらいやすかったり……従業員さんの負担を考えると、導入の順番やストーリーがとても重要と言うことですね!
株式会社泰成 山本様
これからkintoneを導入される会社さんは、是非そこを検討して進めることをおすすめします!
今後のIT活用の展望 電子帳簿保存法やインボイスへの対応を
コムデック
最後に、これから先、どんなIT活用に取り組んでいきたいとお考えでしょうか?
株式会社泰成 山本様
kintoneの活用を根気強く進めるというのは大前提として、2年間の猶予ができましたけれどやっぱり電子帳簿保存法には対応していかないといけないですよね。
あとはインボイスとか……建設業はまだまだ手書きの請求書もあるので、まずはそこから、ちょっとずつ整えていってもらえるようにしないとなと思っています。
コムデック
是非今後とも、泰成様のIT活用のお手伝いをさせていただければ幸いです。
本日はインタビューにご協力いただきありがとうございました!
株式会社泰成さまの原価管理の仕組みについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
エクセルの原価管理表からどうやってリアルタイムに集計できる原価管理を実現したのか、その全貌を是非ご覧ください!
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