管理監督者の勤怠管理が義務化!管理職の勤怠管理方法と注意点を解説
管理監督者は、労働者よりも経営者に近く、労働時間に縛られずに働くものなので残業代が発生しません。
そのため、勤怠管理も必要ないと考えている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、法改正によって労働者の労働時間を把握することが義務化されたため、管理監督者も勤怠管理の必要性が出てきました。
「勤怠管理とは何なのか」「何を管理すべきなのか」についてはこちら!
▼勤怠管理とは?効率的な方法とクラウド勤怠管理システムの選び方
今回の記事では、そもそも管理監督者とはどういった役職なのか、何故勤怠管理が必要となったのかに加えて、管理監督者の勤怠管理を行う場合の注意点について詳しく解説します。
管理監督者の勤怠管理の方法について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 管理監督者とは何か
- 管理職と管理監督者の違い
- 管理監督者に勤怠管理は必要か
- 管理監督者の勤怠管理で注意すべき点
こんな人に向いている記事です
- 管理監督者の定義を知りたい方
- 管理監督者の勤怠管理方法について詳しく知りたい方
目次
管理監督者の勤怠管理は必要?
働き方改革による法改正で、管理監督者の勤怠管理が義務化されました。
ここでは、働き方改革によって義務化された具体的な内容や管理監督者の勤怠管理を行う必要性について解説します。
働き方改革により労働時間の把握が義務化
2019年4月に働き方改革による法改正の一環として労働安全衛生法が改正され、労働者の労働時間の把握が義務化されました(労働安全衛生法66条の8の3)。
第六十六条の八の三
事業者は、第六十六条の八第一項又は前条第一項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者(次条第一項に規定する者を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない。
※e-Gov法令検索より引用
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347AC0000000057
当然のことながら、管理監督者であっても他の従業員と同じく労働者であることに変わりはありません。
従来、管理監督者の勤怠管理については厚生労働省のガイドラインに「管理監督者も労働時間を把握するのが望ましい」という記載があるのみでした。
管理監督者の勤怠管理は義務ではなく、あくまで企業の判断に任されている状態だったのです。
しかし、今回改正となったこの規定により、管理監督者についても労働時間を把握することが義務となりました。
管理監督者の健康管理などのためにも勤怠管理は必要
勤怠管理の義務化は、管理監督者の健康を適切に管理するためという意図もあります。
労働時間を把握することで、管理監督者の過重労働を防止し、健康を保つことにつながります。
従業員の健康管理は義務化にかかわらず必要なことであるため、しっかりと管理を行いましょう。
また、労働時間を可視化することで業務負荷が明らかとなり、業務の分担等業務効率の改善も試みることが可能になります。
管理監督者とは?4つの要件
管理監督者の勤怠管理が義務化されたことの説明をしましたが、そもそも管理監督者とは、どのような労働者のことを指すのでしょうか。
厚生労働省では、管理監督者を次の4つの要件で定義しています。
- 経営者と一体的な立場にあり、重要な職務内容を有していること
- 重要な責任と権限を有していること
- 労働時間等の規制になじまない勤務態様であること
- 賃金等につきふさわしい待遇を受けていること
※「労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために」参照
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/dl/kanri.pdf
社内で管理職と呼ばれる立場にある従業員であっても、この4つの要件を全て満たしていなければ管理監督者とすることはできません。
各要件について詳しく解説していきます。
重要な職務内容を有していること
この要件を満たすには、経営会議に参加して企業の運営に関わる意思決定に関与するなど、経営者と一体的な立場と言えるほどの重要な職務を担当している必要があります。
つまり、企業全体の運営とはかかわらない、一部の部門のみを管理している場合には、管理職であっても管理監督者とは言えないことになります。
重要な責任と権限を有していること
重要な責任と権限があると認められるためには、部下などの従業員の人事権を有しているのかが重要な要素となります。
人事権の要素としては、従業員の労働条件を決めたり、採用の有無を決めたりできるかなどが挙げられます。
人事権は経営者と人事部にあり、自身に人事権がない場合には、管理監督者に該当しません。
労働時間等の規制になじまない勤務態様であること
管理監督者は、時間を問わずに経営上の判断や対応が求められるため、他の従業員と同じように始業時間や就業時間に拘束されることはなく、労働時間などを自分自身で調整できる立場にあることが必要です。
つまり、管理職であっても遅刻や早退などで減給される立場の者は、管理監督者ではありません。
賃金等につきふさわしい待遇を受けていること
管理監督者に該当するためには、賃金や賞与が他の従業員に比べて高額であることが必要です。
基本給が他の従業員より高い場合であっても、実質的にはみなし残業代的な性質が強く、それらを考慮すると他の従業員より低くなってしまったり、ほとんど変わらなかったりする場合には、管理監督者とは言えません。
管理職と管理監督者は別物!名ばかり管理監督者に注意
管理監督者の4つの条件を解説しましたが、ここまでを読んで「自社の管理職は管理監督者ではないのでは……?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そもそも管理職とは、部署や課等をとりまとめ、部下を管理する立場にある従業員のことを指します。
部長以上を管理職とするのか、課長以上を管理職とするのかは各企業によって定義が異なり、労働基準法で定められる管理監督者とは別物です。
もちろん管理監督者は管理職の中に含まれますが、管理監督者と管理者はイコールではありません。
ところが、企業によっては「管理監督者は残業代を支払わなくて良い」という点にだけ着目し、本来通常の従業員同様に残業代等を支払うべき管理職を名目上管理監督者にしているところも少なくありません。
会社が残業代の支払いを避けるために管理監督者として扱っていても、要件を満たしていなければ「名ばかり管理者」となるため、残業代の不払いは違法となります。
自社内で管理監督者としている者が本当に4つの要件を満たしているかについては、慎重に判断する必要があるのです。
管理監督者の勤怠管理の注意点
管理監督者には、労働基準法の「労働時間」「休憩及び休日」についての規定が適用されません(労働基準法41条2号)。
そこで、管理監督者の勤怠管理や給与計算を行う場合には、次の点に注意する必要があります。
- 残業代、休日出勤手当はない
- 深夜手当はある
- 有給休暇はある
以下、それぞれについて解説していきます。
残業代、休日出勤手当はない
管理監督者には労働時間の規定が適用されないため、残業時間の概念はなく、残業代が発生することはありません。
また、休憩時間や休日についての規定の適用がないため、休憩を取得させなくても違法とはならず、休日出勤手当が発生することもありません。
深夜手当はある
管理監督者であっても、深夜手当の規定は排除されていないため、深夜帯の割増については適用されます。
22時から翌日の5時までの時間帯に勤務していた場合には、管理監督者にも深夜の割増分を支給しなければなりません。
そのため、管理監督者の勤怠管理についても、全体の労働時間を把握するとともにどの時間帯で勤務していたのかを把握する必要があるのです。
有給休暇はある
有給休暇の規定は管理監督者であっても適用され、管理監督者にも有給休暇が認められます。
他の従業員と同じく、年5日以上は有給休暇を取得させなければなりません。
そのため、管理監督者には休日の規定は適用されないものの、いつ何日の休暇を取得していたのかについては把握する必要があります。
管理監督者の勤怠管理はWEB勤怠管理システムがおすすめ
管理監督者の勤怠管理は労働時間を拘束されないため、従来からの勤怠管理手法であるタイムカードなどで一般の従業員同様に管理するのは非効率です。
WEB勤怠管理システムであれば、正社員、管理監督者等それぞれの働き方に応じた勤怠の集計設定を行えるため「管理監督者は残業や遅刻早退は算出しないが、深夜帯の勤務時間は算出する」等の設定が可能となります。
管理監督者の勤怠管理を適切かつ効率的に行うためには、WEB勤怠管理システムの導入を検討するのが良いでしょう。
WEB勤怠管理システムを導入する場合には、業界シェアNo.1で、働き方改革や管理監督者の勤怠管理にも対応したKING OF TIME(キングオブタイム)がおすすめです。
KING OF TIMEの詳細に関しては、以下記事をご覧ください。
▼KING OF TIME(キングオブタイム)の評判は?料金や導入事例を解説
管理監督者も適切な勤怠管理を
法改正により、管理監督者の労働時間を把握することが義務化されたため、管理監督者についても適切に勤怠管理を行わなければなりません。
管理監督者の勤怠管理では、健康維持のため労働時間の総量について注意するのはもちろんのこと、深夜労働はないかなど、勤務の時間帯を把握することも重要です。
管理監督者の勤怠管理を適切かつ効率的に行うため、WEB勤怠管理システム導入を検討されてはいかがでしょうか?
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