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在庫管理をkintone化!業務効率化の鍵は徹底的な「見える化」にあった|製造・小売・飲食業 株式会社勢乃國屋さまのアプリ開発事例

kintone×在庫管理 アプリ間連携で在庫管理を効率化!
担当者が時間をかけて在庫を目視で確認し、紙・エクセルに記入、発注は在庫量から感覚で……

そんな形で在庫管理をおこなっている企業様の中には、「もっと簡単に、リアルタイムな在庫量を把握できるようにならないかな……」「発注が必要なタイミングで自動で通知してくれないかな……」とお考えの方も多いのではないでしょうか?

紙やエクセルでは、最新の状況が確認できなかったり記載ミスが起こったりと、非効率になりがちな在庫管理。そんなお悩みも実はkintoneで解決できるんです!

今回は、kintone在庫管理システム導入により業務効率化とミス削減を成功させた小売・飲食業 株式会社勢乃國屋さまの導入事例をご紹介します。

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目視で確認、紙で記録……在庫管理を仕組み化したい

伊勢神宮内宮に繋がる宇治橋正面にお店を構える株式会社勢乃國屋さま
明治時代の創業から長きにわたり、伊勢神宮へお参りする方々に向けたお餅や最中を製造、販売してきました。
また、伊勢ならではのお土産物や地場の食材を使ったお食事を提供されています。

株式会社勢乃國屋さまの看板商品であるよもぎのお餅「神代餅」は、自社工場内で製造されています。
保存料や着色料などの添加物を一切使っていないことが特徴で、原材料にもこだわった本格派の草餅となっています。

そんなこだわりのお餅を製造するための原材料の在庫管理は、紙と目視による手作業で行っていました。

神代餅の工場では、材料の在庫は担当者さんが目視でチェックし、紙に記録していました。
発注は本社でおこなうため、発注の際には工場から本社へ連絡が必要です。

原材料の発注状況などを把握しているのも、基本的に担当者さんのみ

「材料の在庫が減ってきているけれど、発注済み?」と口頭で確認する等常に気を付けている必要があり、また「発注しそびれていた!」入荷が製造予定ギリギリになってしまったり、逆に重複して発注してしまったりすることもあったといいます。

工場内の商品生産に関わるさまざまな記録が紙ベースのため、必要な情報を得づらく、仮に得られたとしてもその情報が最新のものかというとそうではありません

また、担当者さんしか把握していない内容が多く、属人的になってしまっていることも課題と言えるでしょう。

これらの課題を解決するために、株式会社勢乃國屋さまの在庫管理を仕組み化する取組がスタートしました。

kintoneを活用しての効率化と見える化を提案

在庫管理の仕組み化のために、まず必要だと考えたのが「担当者さんしか在庫状況を把握していない」という状態から脱すること、つまり「誰もが在庫情報を把握できる状態をつくる」、情報共有が解決のカギとなります。
社内のリアルタイムな在庫情報共有のために、株式会社勢乃國屋さまが選んだのはkintone(キントーン)でした。
もともと数年前からkintoneを導入し、社内の情報管理をkintoneで行ってきた株式会社勢乃國屋さま。

今回も、kintoneを使って在庫管理を仕組み化できるのではないかと考えられたのです。

とは言え、在庫管理をイチから作るのはなかなか大変。

ただ在庫を入力していくアプリならすぐに作れますが、それでは目視で確認して記入していた紙を置き換えただけにすぎません。

お餅一つあたりに使う原材料の分量は決まっているため、入荷した原材料を入力したら、製造したお餅の量に比例して既定の量が減っていく形が理想です。

そのためには、原材料や製品のマスタデータはもちろん、製造の記録と連動して在庫量を変動させる仕組みが必要となります。

そこで、株式会社勢乃國屋さまが導入されたのがkintone在庫管理システムです。

kintone在庫管理システムには、「棚卸機能」「在庫管理機能」「在庫移動履歴管理機能」「生産伝票機能」「仕入登録機能」「出荷登録機能」等、在庫管理に必要な基本のアプリが含まれており、商品の在庫や移動履歴をデータ化して一元管理が可能となります。

このシステムを活用して在庫や移動の履歴などを見える化することで、最新の情報をkintone上で誰でもチェックすることができ、在庫量のリアルタイムな把握や発注/入荷の履歴管理はもちろん、何をどれだけ製造したかの管理もできるようになるのです。

計画から出荷まで、現場の業務フローに沿ったアプリを開発し連携していく 

今回導入を提案させていただいたkintone在庫管理システムは、仕入や出荷、在庫移動履歴、生産伝票、棚卸といった、生産や在庫に関わる複数アプリの連携があらかじめ組み込まれています。
完成したパッケージをただ導入するのではなく、株式会社勢乃國屋さまの実際の業務の流れに沿って、アプリの内容をブラッシュアップし、本当に使えるアプリに育てていくことがポイントです。
株式会社勢乃國屋さまの生産業務フローは、出荷予定数をもとに「いつ何をどれだけ作るか」を決めて工場で必要数を生産する形でした。
先ほどお伝えした通り、在庫をkintone上で見える化するためには「製造(生産)の結果から使用した在庫量を算出する」ことが必要です。

そのため、まずは「いつどの商品をどれだけ作るのか」を管理する、生産計画をアプリ化しました。

「いつどこにどれだけ出荷するか」を元に、それらの出荷予定を取りまとめて「いつどの商品をどれだけつくるか」を算出。

シンプルな生産計画アプリですが、これで日々の生産計画はだれでも把握可能になります。

生産計画アプリから、もともとkintone在庫管理システムに含まれる生産伝票を作成できるように連携させました。

生産に必要な材料の量や包装資材などはマスタアプリで管理しているため、生産伝票アプリに生産予定数量が入力されると、必要な材料や資材の情報が自動でセットされ生産伝票が作成されるようになっています。

このようにしてひとつずつアプリを組み立てていくことで、材料の出入り、生産数量、出荷などがデータとしてチェックできる、株式会社勢乃國屋さまのkintone在庫管理システムが完成。

kintoneをチェックすれば、誰でもいつでも材料の在庫や移動履歴がはっきりと確認できる状況になったのです。

生ものを扱う工場ならではの繊細な部分は手作業も加えてフォロー

こうして進んでいった株式会社勢乃國屋さまのkintone在庫管理システム構築ですが、「製品の単位」と「製造時の単位」の違いで設定が難航した部分もありました。

例えば、生産計画で登録する商品の出荷数量単位は「個」ですが、実際に製造するときのお餅「臼」単位、あんこ「パレット」単位になります。

この単位の違いは、お餅であれば1臼当たりお餅いくつ分か、を概算し、それを元に計算、単位変換を行うことで解決しました。

他にも、季節(温度や湿度)によって同量の材料から生産できる商品個数が異なることも在庫管理に大きく影響する課題です。

湿度や温度によって1臼で作成できるお餅の個数が変わってしまうため、マスタから参照してくるだけでは対応しきれない恐れがありました。

この点は、生産計画アプリに登録する際、マスタアプリから参照しながらも1臼あたりの個数を季節に合わせて手動設定できるようにし、必要な臼数の論理値を自動計算させる、という仕組みにしてクリア。

現場の状況に沿ったアプリを作成することができました。

また、複数のアプリを連携させた在庫管理システムであるため、現場に導入した後、従業員さんたちに使いこなしてもらうまでには少し時間もかかりました。

アプリそのものに詳細な使い方を記載することで「見ればわかる」状態を目指しました。

見える化やデータ化によって業務効率が大幅にアップ!

生産や在庫管理にkintoneを導入した結果、最新の材料在庫数量や移動履歴が誰でも把握できる「見える化」が実現しました。

データはkintone上にあるため、工場内に居なくても手元のスマホやPCなどでチェックが可能です。

また、課題であった原材料の発注についてはkintoneの通知機能も活用。

システム内で、発注を掛けるタイミングとなる材料残量をそれぞれ設定し、基準値を下回ると通知が届きます。

在庫をこまめに確認していなくても発注のタイミングは逃さないため、納品がギリギリになってあわてる、ということがなくなりました。

工場から本社へ連絡する業務は、kintoneから本社の担当者さんへも通知を飛ばすことで不要に。

本社側でそのまま発注を掛けられ、やり取りの手間や時間のゼロ化も実現したのです。

さらに、仕入取引先からの請求書確認なども、発注履歴がkintone上に残るため簡単に突合できるようになりました。

発注情報を登録すれば、各仕入先ごと、区分ごとに自動で集計されます。

労力のかかる棚卸業務の改善へ……

工場へのkintone在庫管理システム導入により、「目視・紙」を卒業して大きく効率化された株式会社勢乃國屋さま。

今後は、このシステムを活かして棚卸業務の効率化を目指されるそうです。

これまでは、棚卸表を作成したうえで、1から全ての数量を数えてチェックしていた棚卸業務。
kintoneの更新を日々しっかりと実施しておけば、データと実際の量のすり合わせのみで済むようになります。

仕入単価を登録することで在庫単価も自動計算できるなど、kintoneの活用で棚卸業務の大幅な効率アップが可能なのです。

長く続けている業務を思い切って改善し、変えずに大切にしていきたい部分にこだわりつづけていかれる株式会社勢乃國屋さまのこれからが楽しみです。

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この記事を書いた人

佐田 薫士

『kintoneスペシャリスト』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 主にkintoneのカスタマイズを得意とし、サイボウズ認定資格である「kintone Associate」「kintone Customization Specialist」「kintone AppDesignSpecialist」「System Design Expert」を取得しています。 kintoneは他ツール(RPAや販売管理システム等)との連携も得意としていますので、皆様の業務の手助けになりそうな事例を見つけ、是非ご相談ください! youtube「kintone芸人」で検索!

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