kintoneでレンタル品の在庫管理を効率化！出庫表の自動作成も可能に｜ホームステージング業 株式会社サマンサ･ホームステージングさまのアプリ開発事例
在庫管理を紙やエクセルで行っている企業さまは多くいらっしゃいますが、その一方で、アナログな方法を用いた在庫管理では入出庫の管理に手間がかかり大変です。
そんな時、kintoneを活用すれば在庫管理を簡略化できます。
面倒な二重入力や転記の必要もありません。
当記事では、kintoneによる在庫管理でレンタル品の入出庫を正確に管理し、出庫表作成の自動化も実現したホームステージング業 株式会社サマンサ･ホームステージングさまのアプリ開発事例を紹介します。
「在庫管理に手間がかかって大変」「もっと管理のフローを簡略化したい」とお考えの企業さまは、ぜひ最後までご覧ください。
目次
商品の入出庫管理を簡単にしたい！kintoneで一元化できる？
株式会社サマンサ･ホームステージングさまは、東京都江東区に本社を構え、ホームステージングの普及を目指す国内のリーディングカンパニーです。
ホームステージングとは、売却・賃貸物件の室内を家具や照明、小物などでモデルルームのように演出する販売促進サービスのことです。
不動産の売買･賃貸をスムーズに行えると、近年注目を集めています。
そんな株式会社サマンサ･ホームステージングさまの業務には、各住宅やお部屋へ必要に応じた家具や家電、照明機器などを貸し出すレンタル品の管理があります。
レンタル品の動きを正確に把握するために必要となるのが在庫管理です。
例えば「〇月〇日にA住宅へB商品を貸し出す」「〇月〇日にB住宅からCの商品が返却される」という一連の流れを把握できていないと、スムーズに業務を進められません。
しかし、株式会社サマンサ･ホームステージングさまではこれらのレンタル品の在庫管理を紙やエクセルを用いて行っており、管理にかなり手間がかかっていました。
そこで、「kintone(キントーン)」を導入し、在庫管理の効率化を図ろうと考えた株式会社サマンサ･ホームステージングさま。
kintoneを使えば、在庫データを一元管理でき、リアルタイムでの在庫状況の把握も可能になります。
kintoneはドラッグ&ドロップだけで業務に必要なアプリを構築できるのが特徴の業務改善プラットフォームです。
kintone(キントーン)とは？できること･できないことまとめ アプリの活用事例もご紹介！
kintone導入後、株式会社サマンサ･ホームステージングさまのほうで以下のような「在庫管理アプリ」を作成され、実際に運用されていました。
在庫管理アプリ内では、商品情報だけでなく、商品の現在の状況までしっかり管理できます。
しかし、このアプリでは、実際の業務を進める上で一つ問題がありました。
実際に在庫をレンタルする際には、その場所に貸し出す商品を取りまとめて、倉庫からピッキングするための出庫表を作成する必要があります。
一つの場所に複数の商品を貸し出すとき、「この部屋に貸し出しているものは何で、いつ返ってくるのか」を調べるためには毎回案件名で検索をかけなくてはわかりません。
またkintoneの標準機能では一覧画面を所定の書式に合わせて印刷することはできないため、株式会社サマンサ･ホームステージングさまが使っている「出庫表」の形でデータを出力することができないのです。
また、株式会社サマンサ･ホームステージングさまが扱う商品は1点ものが多く、返却の際には元の倉庫に戻される場合もあれば別の倉庫に行く場合や購入されることもあるため、管理は余計に複雑になります。
そこで、在庫管理に関わる入出庫の部分もkintone化することで、在庫管理をよりわかりやすく効率化したい、とコムデックにご相談いただきました。
商品の貸出を管理するアプリを作成！出庫表の作成も可能
新たに貸出と返却を管理するアプリを作成し、在庫管理アプリと連携して管理していく運用を目指した株式会社サマンサ･ホームステージングさま。
商品の貸出については「貸出管理アプリ」を作成して管理するように仕組みを構築していきました。
貸出管理アプリでは、案件名を登録すると以下のように同じ案件名を含んだ在庫の一覧、つまり「同じ場所に貸し出す家具の一覧」が表示されます。
関連レコードの下の「明細コピー」をクリックすると、関連レコードに表示された家具の分だけ、下のテーブルに明細が追加されます。
この仕組みによって、「この案件に貸し出す家具は何がいくつあるのか」は貸出管理アプリを見れば分かるようになりました。
レコードを保存すると、在庫管理アプリから画像を自動で取得してテーブルに表示します。
kintoneの標準機能ではルックアップで画像を取得してくることは難しく、またテーブル内の情報を元に関連レコードを各行ずつ表示することもできないため、この部分はJavaScriptでカスタマイズしています。
レコードが登録できたら「プリントクリエイター」で出庫表を作成します。
プリントクリエイターは、kintoneに登録されている社名や金額などの情報を用いて、簡単に帳票が作成できるkintoneの連携サービスです。
例えば、今回の株式会社サマンサ･ホームステージングさまのように、貸出管理アプリの情報をもとにして自社のフォーマットに合わせて出庫表を自動作成できます。
プリントクリエイターの設定により、これまで別途作成していた出庫表作成の手間が削減できました。
出力した出庫表を元に倉庫から商品をピッキングできたら、kintoneアプリの「ピッキング」項目にチェックを入れることで、「ピッキング対応が終わっていない案件がどれなのか」を容易に把握できるようになっています。
商品の返却は返却管理アプリで管理
商品を貸し出した後の返却に関しては、商品が返却された時に登録するための「返却管理アプリ」を使います。
案件単位で返却されるため、貸出管理アプリからルックアップで貸し出した家具の情報を取得します。
赤で囲んだ部分は、返却された際に「保管」以外に「廃棄」や「販売済」に変えるケースがあるため、ドロップダウンで変更できる仕様にしています。
黄色で囲んだ箇所に保管先ロケーションを指定するので、もし出庫したときと異なる倉庫に保管する場合でも対応可能です。
もし返却せずそのまま購入された場合には、緑で囲んだ箇所に販売価格を入力します。
各アプリの連携はkrewDataで！商品データの管理も容易に
株式会社サマンサ･ホームステージングさまで在庫管理のために使用するアプリは、元からあったアプリも含め、「在庫管理アプリ」「貸出管理アプリ」「返却管理アプリ」の3つになりました。
3つのアプリを作成･運用することで「かえって管理に手間がかかるのでは？」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、株式会社サマンサ･ホームステージングさまでは「krewData(クルーデータ)」を用いることで各アプリを連携し、二重入力や転記が必要ない仕組みを構築しています。
krewDataとはkintoneのプラグインで、標準機能では難しい複数アプリ間の集計や自動でのデータ登録が可能です。
そのため、アプリを使い分けてもリアルタイムで最新の情報を取得できるようになっています。
アプリを連携することで、それぞれのアプリで管理しているデータを自由自在に同期できます。
例えば、返却管理に登録が完了したら、自動で在庫管理アプリのステータスを更新する、といった処理が可能です。
アプリ間の自動更新を実施するには、各家具を識別するコードが不可欠です。
以前までは識別用の番号として家具IDを設定し、頭に商品カテゴリのコードを付けるルールになっていましたが、桁数や連番の指定などはなく、各々が好きに採番している状態でした。
しかし、このルールでは商品データを探すのに手間がかかるほか、番号に誤りがある可能性があります。
そのため、「商品カテゴリのコード＋5桁」の連番をkrewDataで採番しなおすことで、重複等のない家具IDを振ることができました。
実運用に向けて試行錯誤しながらアプリを改良
今回、kintoneにてアプリを作成しましたが、現状利用できているのは従来の在庫管理の部分のみです。
貸出管理アプリと返却管理アプリは作成したものの、JavaScriptによるカスタマイズが必要だったテーブルへの画像取得や商品の検索がうまくいかず、実際に運用するのは難しかったためです。
しかし、各アプリの修正を加える間も案件は動いてくため、在庫の情報を更新する必要があります。
そこで、今回ご紹介したよりもシンプルなつくりの「入出庫管理アプリ」を作成し、案件名を登録すると対象の家具が関連レコードとして一覧表示されて「完了」項目にチェックを入れると自動で在庫管理アプリの状況が切り替わる仕組みです。
このアプリでも十分に見えますが、ピッキングすべき商品の情報は関連レコードのため、プリントクリエイターを使った出庫表を出力することはできません。
そのため、このアプリではkintoneの標準機能の「印刷」で対応しています。
現在は各アプリの修正は完了しているものの、入出庫管理アプリでの運用がうまくいっているため、そのまま利用しています。
今後は作成した貸出管理アプリや返却管理アプリを活用し、すべてのアプリ･データを連携して運用することでさらに効率化される見込みです。
kintoneで在庫管理を効率化しよう
紙やエクセルを用いた在庫管理では、データの取得に時間がかかるだけでなく、シームレスに在庫状況の共有･把握ができません。
そんな時、kintoneを活用すれば在庫管理を効率化できます。
在庫管理に必要なデータをkintoneに集約できるだけでなく、正確かつリアルタイムでの在庫状況の把握が可能になります。
kintoneのアプリ開発は運用後も試行錯誤が続きます。
作成して運用して、都度不都合があれば改良していく…というサイクルを繰り返すことで、徐々に自社に合った最適なアプリが完成するのです。
株式会社サマンサ･ホームステージングさまでは、kintoneによる在庫管理が実現したことで、今後は棚卸資産として計上し、バランスシートへ反映させることを目標としています。
企業の成長に欠かせない要素として、kintoneによる在庫管理データを活かしていきます。
「在庫管理に手間がかかってコア業務に集中できない」「在庫管理を効率化して、正確な経営判断の材料としてデータを活用したい」とお考えの企業さまは、ぜひkintoneの導入をご検討ください！
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