大量のiPad端末の一元管理をクラウドツールで実現!|ほめちぎる教習所 伊勢さまの事例
最近はDX化が進んでおり、従業員に1人1台ずつiPadを支給する企業が増えてきました。
一方で、端末が増えて管理が追いつかなくなっていたり、セキュリティ面で不安を抱えていたりする方も多いのではないでしょうか。
端末管理が一元化されていないと、新しい端末やアプリの追加に多大な手間がかかり、また紛失や盗難による情報漏洩のリスクも高くなります。
そこで今回は、IT資産管理ツールを使ってiPadの一元管理を実現した、ほめちぎる教習所 伊勢さまの事例を紹介します。
iPad管理にお悩みの方は、是非ご覧ください。
目次
60台以上のiPad管理が利用者任せになっている……アプリやセキュリティを一元管理したい!
ほめちぎる教習所 伊勢さまは、以前は「三重県南部自動車学校」という名前で運営しており、60年以上の歴史がある自動車学校です。
「ほめて伸ばす」をコンセプトに、モチベーションを大切にしながら運転技術の向上を支援する教習所として、注目されています。
そんなほめちぎる教習所 伊勢さまでは、社員用に60台以上のiPad端末を導入されています。
ただ、管理はエクセルによる簡単なものだけだったので、さまざまな弊害が出てきていました。
例えば、アプリケーションの管理は利用者任せになっていて、詳細な利用状況がブラックボックス化している状態でした。
また、新入社員向けの端末のセットアップをするのにも、1台あたり3時間ほどかかっていました。
アプリケーションの更新やソフトの入れ替えが発生した場合には、1台ずつの作業が必要で、全体で10時間近くかかっていたそうです。
さらに、紛失時の対応フローが明確でないことも課題でした。
DX推進のため、個人情報を含む「教習原簿」をiPad端末で運用したいのですが、今のままではセキュリティ面に不安が残ります。
そこでほめちぎる教習所 伊勢さまは、この状況を改善したいと考えられました。
まずは、iPad端末のIT資産管理の効率化を目指します。
加えて、セキュリティを強化して、安心して利用できる環境も整えます。
端末追加時や紛失時の対応フローを明確化・簡略化することで、管理者の負担も軽減できるのが理想です。
以上のことをふまえて、今回は「LANSCOPE Endpoint Manager Cloud(ランスコープ エンドポイントマネージャー クラウド)」と「Apple Business Manager(アップルビジネスマネージャー:以下ABM)」というツールを使って、一元管理の仕組みを構築することにしました。
LANSCOPE Endpoint Manager Cloudは、端末をクラウド管理できるツール
構築の流れを解説する前に、今回利用する2つのツールの特徴を簡単に紹介します。
1つめのツール「LANSCOPE Endpoint Manager Cloud」は、パソコンやスマホ、iPadを一元管理するためのツールです。
パソコンはWindowsとmacOS、モバイル端末はiOSとAndroidにそれぞれ対応しています。
資産管理や操作ログ、セキュリティ対策などが、これ1つでまかなえるのがメリットです。
以下はLANSCOPE Endpoint Manager Cloudでできることの一例です。
- テレワークで社外にある資産の最新状態を把握する
- 業務に必要なアプリを一括でインストールする
- いつ・誰が・何をしたのかといった操作ログを最大5年間保存する
- リスクのある操作に対してポップアップで警告する
- USBメモリやSDカードなどの利用を制御する
- 紛失・盗難時に遠隔操作でロックや初期化をする
料金は契約するプランによって異なりますが、最もシンプルなものは1ヶ月300円/台〜利用できます。
Apple Business Manager(ABM)は、Appleの端末やアカウントを統合管理できるポータルサイト
Apple Business Manager(ABM)は、MacやiPhone、iPadなどの端末やアカウントを管理するための、IT管理者向けポータルサイトです。
組織での利用を前提としていて、利用する際は個人ではなく法人のApple IDが必要です。
ABMを使うと、アプリやブックの組織単位での購入が可能になります。
また、各自で作成する個人用のApple IDとは別に、IT管理者が管理できるユーザー固有の管理対象Apple IDを作成できることもメリットです。
さらに、ABMなら自動デバイス登録も可能になります。
自動デバイス登録とは、新しい端末を購入した際、Appleや取扱店を通じて、端末に触れることなく自動で初期設定ができるというものです。
任意のMDM(Mobile Device Management)にも自動登録できるため、IT管理者の作業を大幅に削減できます。
ただし、ABMはMDMと連携して利用するサービスなので、単独では完結しません。
ABMのみの登録はできますが、実際に各端末に設定したり、配布したりするためにはMDMが必要です。
運用テストをしながら、段階的に管理体制を構築
ここからは、管理体制の構築の流れを解説します。
はじめに、現状の管理体制をヒアリングして課題を洗い出し、最適な運用方法についてご提案します。
実現したいことやコストをふまえて、LANSCOPE Endpoint Manager CloudとABMの導入を検討し、運用検証を実施しました。
次に、システム環境の構築と運用フローの設計を行います。
ほめちぎる教習所 伊勢さまでシステム環境を構築し、端末を紛失したときはどうするのか、端末の追加やアプリ更新の際はどうするのか、といったフローを明確にしました。
システム環境と運用フローが整ったら、まずは各課の課長のみに先行してiPadを配布し、運用テストを実施します。
実際に現場で使ってみて気付いた課題を1つずつ改善しながら、iPadをより快適に使えるよう調整していきます。
運用テストがクリアできたところで、全員にiPadを配布し、本格運用の開始です。
運用開始後も、経過観察とフォローを適宜行います。
開発元と連携しながら、現場の業務に支障をきたさないよう慎重に運用開始
今回のシステム構築では、いくつか乗り越えなければならない壁がありました。
1つめは、LANSCOPE Endpoint Manager CloudとABMという組み合わせの先行事例が少ないという点です。
情報収集に苦労しましたが、両者のサポート窓口と緊密に連携を取り、段階的に検証しながら進めていきました。
2つめの壁は、既存システムとの兼ね合いです。
ほめちぎる教習所 伊勢さまでは、自動車教習所向けの専用システム「ノイマンシステム」が既に稼働していたため、LANSCOPE Endpoint Manager Cloudとの親和性の確認が必要でした。
万が一、システム間で相互干渉してしまうと、教習所業務に支障をきたすことになるため、慎重に確認作業を行いました。
こうした事情で、実際に運用を開始するまでには予想以上の時間を要しましたが、十分な検証期間を設けたことで、本番環境での混乱を最小限に抑えられました。
iPadをクラウドツールで一元管理するメリットとは
ほめちぎる教習所 伊勢さまは、iPadをクラウドツールで一元管理したことで、運用管理の効率化とセキュリティ強化という大きく2つのメリットがありました。
まず、運用管理の効率化として、IT管理者の手間を大幅に削減できました。
例えば、新しい端末のセットアップに以前は3時間かかっていましたが、ツール導入後は半分以下になっています。
また、アプリケーションの更新やソフトの入れ替えも、以前は10時間近くかかっていましたが、ツールの導入によって管理端末から一気に60台分の設定ができるようになったので、1時間程度で完了します。
セキュリティ面においても、インストールアプリを一元管理できるため、業務上不要なアプリのインストールを制限できるようになりました。
紛失時には遠隔でロックや初期化ができるため、生徒の個人情報が漏洩するリスクが減ったこともメリットです。
唯一のデメリットは、ABMを導入するためにiPadの初期化が必要になるという点です。
ただ、一度設定してしまえば今後は一元管理できるようになるので、長期的に見ると運用コストは大幅に削減できます。
iPadの一元管理ならコムデックにご相談ください
ほめちぎる教習所 伊勢さまは、クラウドツールを導入することでiPadの一元管理を実現されました。
LANSCOPE Endpoint Manager Cloudはパソコンにも対応しているため、今後はiPadだけでなくパソコンの一元管理にも活用していきたいとのことでした。
コムデックでは、お客さまのIT環境に関するあらゆるお悩みを解決する、IT環境サポートサービスをご提供しております。
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