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不動産業でkintone活用!案件管理の脱エクセルを成功に導く手順とは?|株式会社レアルジャパンさまのアプリ開発事例

不動産業kintone活用事例 脱エクセル案件管理を実現

不動産業では多くの場合、従業員それぞれが明確に「担当」を持って仕事に取り組んでおり、なかなか会社全体で情報が共有されないケースが少なくありません。
各担当が責任をもって案件を管理している……と考えれば良いことかもしれませんが、管理者の立場からすれば各担当者が抱えている案件の量や金額、状況などを把握しておきたいですよね。

そこで今回は、会社全体の案件状況を一元管理できる状態にするべく、kintoneを導入して案件管理を脱エクセルしたアプリ開発事例をご紹介します。
会社全体で案件の状況を把握したいとお考えの不動産業の方は、ぜひそのノウハウを自社にも取り入れてみてください。

直接聞かないと状況がわからない……エクセル案件管理の課題

三重県松阪市を拠点とする株式会社レアルジャパンさまは、「地域社会への貢献」をテーマに宅地開発や分譲、仲介、管理コンサルタントなどの不動産事業を展開しています。

株式会社レアルジャパンさまでは元々買い付けする土地、つまり案件をエクセルで管理していました。
エクセルはあくまで個人管理のため案件情報が社内で共有されておらず、各担当者のみが把握している状態
そのため、管理者が会社全体の案件情報を確認するにはエクセルを提出してもらう担当者へ直接聞きに行かなくてはいけない状況でした。

エクセルによる案件管理の問題点は情報共有だけではありません。
エクセルの場合、全ての情報が横一列になるため管理項目が増えれば増えるほどどうしても横に長くなって見にくいだけでなく、「いつどこをどのように変更したか」といった更新履歴が残りません
そのため、エクセル上でどの部分を更新したのかがわからず、「いったいいつからこのステータスのままなのか」「当初からどこが変わったのか」など、正しく進捗状況を追うことができない状況でした。

社内で案件情報を共有しにくいことや扱い辛く履歴が残らないことから案件管理がブラックボックス化しており、「担当者しかわからない」「その担当者も記憶頼り」という状態を改善したいと考えた株式会社レアルジャパンさま。
それに加えて不動産業の特性から社外に出ることも多いため、PCでしか閲覧・編集ができないエクセルを卒業し、スマホなどから「いつでも」「どこでも」場所を選ばずに情報を確認できる環境を求められていました。

案件管理をkintone化!脱エクセルのポイントを解説

株式会社レアルジャパンさまが案件管理のブラックボックス化を解決するために導入を決めたのはkintone(キントーン)でした。
kintoneとは、自社の業務に合わせてドラッグ&ドロップで「アプリ」を作ることができる業務改善プラットフォームです。
パソコンでもスマホでも、端末や場所を選ばずクラウド上のデータを閲覧・編集できるため、まさに株式会社レアルジャパンさまにぴったりのクラウドツールだったのです。

エクセルからの切り替えはkintoneの得意とするところですが、ただエクセルの項目をkintone上に移し替えても、従業員視点では「入力方法が変わっただけ」であまり便利にならず、むしろ前とやり方が変わって使いにくい、と従業員の協力を得られないケースが少なくありません。
せっかくkintoneを導入しても使われなければ意味がないので、株式会社レアルジャパンさまではkintoneアプリ構築の際に2つの工夫をしました。

置き換えるアプリは入力コストをできるだけ下げて便利さを感じてもらう

これまでの管理方法をいきなり変えると、抵抗が起きて十分に活用してもらえない可能性があります。
ただでさえ、エクセルは一覧に行を追加して入力するところをkintoneの場合には詳細画面に入って登録する必要があるため「前により手間がかかる」と思われてしまうことが少なくありません。

そこで、まずはできるだけ従来のエクセルの使い方を変えないようアプリを作成しつつも、ただ項目を配置するだけではなく入力コストをできるだけ下げるための工夫も行いました。
例えば計算フィールドを使ってこれまでは手入力が必要だった項目が自動的に入力されるようにしたり、チェックボックスで選択してもらったり。

一つ一つは小さな改善ですが、これによって「エクセルより入力が楽かも」と感じてもらうことが重要です。
結果として、小さくても利用者に成功体験を得てもらうことで抵抗感をなくすことができました。

コムデック レアルジャパン 買い付け管理

慣れてきたら経営者が見たい情報のための項目を追加

エクセルを置き換えたkintoneの案件管理アプリに慣れてきたタイミングで、これまでエクセルでは管理できていなかった項目を追加しました。
これまでエクセルでは管理できなかった項目とは、「管理者・経営者視点で知りたい情報」のことです。
最初は必要最低限の項目にしておき、kintoneでの入力に抵抗がなくなったタイミングで項目を追加することで、これまでは難しかった+αの入力項目にも対応してもらいやすくなります。

例えばその案件、つまり買い付けしたい土地を売買してもらえるかどうかの確度を記録する営業確度という項目を追加しました。
担当している従業員視点ではもちろん感覚的に理解していることですが、経営者や管理者からすると「その案件の確度はどれくらいなのか」「どういう経緯でその確度になったのか」は把握しておきたい情報の一つです。

この営業確度の管理には、行を随時追加できる「テーブル形式」を用いることで、いつその確度に変わったかを時系列で記録していけるようにしました。
これによって、確度の推移やそのきっかけをkintone上で確認でき、後から確度が高くなった要因は何だったのかを分析できるようになりました。この分析データは、今後の業務改善等に活用することができます。

良く見る一覧はトップページからワンクリックで遷移

ここまでご紹介したのは従業員にkintoneアプリを使ってもらい、浸透させるための工夫でした。
しかし、株式会社レアルジャパンさまで実施した「kintoneを使いやすくする工夫」はそれだけではありません。
通常、kintoneのトップページからアプリにアクセスするためにはトップページ左のアプリの一覧から選択する必要があります。
お知らせ部分にアプリで作成した一覧やグラフを張り付けしてそこからアプリに入ることもできますが、一つ二つならまだしも複数表示すると縦に長くなってしまいパッとアプリにアクセスすることはできません

コムデック レアルジャパン 買い付け管理

kintoneでは、各アプリの一覧やグラフごとにURLが割り当てられています。
そこで、経営者や管理者が見たい一覧を案件管理アプリに作成するところは通常と同じですが、各一覧にワンクリックでアクセスできるリンクアイコンをトップページに設置しました。

画像内のアイコンはすべて同じ「案件管理アプリ」の異なる一覧へのリンクとなっています。
各一覧にはよく見る絞り込み条件を適用済みとなっていますので、細かな操作や検索などの手間を省いて見たい情報へすぐにアクセスできます。

コムデック レアルジャパン 買い付け管理

kintoneのポータルへのアイコン表示は、こちらの動画で詳しく解説しています!

※アイコンは自動では表示されませんので、kintone外のサイトなどであらかじめ作成しておく必要があります。

不動産業の案件管理をkintone化するメリットとは?

従来のエクセルによる案件管理では、経営者や管理者が案件状況を確認したい時には各担当者に案件の進捗を聞きに行く必要がありました。
これでは、余計な手間や時間がかかってしまうだけではなく、うまくいっていない案件がもしあった場合には対応が後手に回ってしまう可能性も考えられるでしょう。

しかし、kintone化することですべての案件が共有され、kintoneを見れば会社としてどれだけの案件が今動いているのか、そして各案件がどういう状況なのかを把握できるようになりました。
担当者ごとの案件数も可視化できるため業務量を把握するのにも一役買っています。

加えて、案件情報を閲覧・管理できるのはパソコンだけではありません。
スマホやタブレットからでも場所や時間にとらわれず状況を確認し、内容を編集することが可能になっています。
外出の多い不動産業の案件管理において、出先からも情報にアクセスできることは大きなメリットと言えるでしょう。

kintoneはエクセルとは違い、情報の変更履歴が残るため、どこが変わったのを追うことも可能です。
案件に関わるさまざまな情報をkintoneに集約することで、情報のブラックボックス化を防ぐことができるのです。

コムデック レアルジャパン 買い付け管理

ただし、kintoneによる不動産業での案件管理にも、少なからずデメリットはあります。
例えば、既に登録してある案件の情報を編集したい時には、まず案件名で検索して「詳細画面を開いてから」編集する必要があります。
この作業が案件数の分だけ発生することになる他、エクセルなら「全ての情報を一覧から一気に入力できる」というメリットがありますので「詳細画面に入る」というひと手間があるのはデメリットと言えるでしょう。
また、スマホから利用する場合には商談履歴などのテーブルデータがパソコンのように横一列ではなく縦に表示されるため見にくいというご意見もありました。

コムデック レアルジャパン 買い付け管理

スマホからテーブルデータを表示したときの見え方

手順の工夫でkintoneの社内定着をスムーズに!

今回ご紹介した株式会社レアルジャパンさまの事例では、エクセルの案件管理を脱し、kintone化に成功されました。
kintoneを導入し、個々で管理されていた情報が共有されてブラックボックス化を脱したこと、そしてkintoneによる一元管理で場所や端末を選ばず案件情報を確認できるようになったことで、大きな業務改善へとつながっています。
今後はkintoneを社内全員で使いこなすことによって、さらに買い付け管理を効率化させたいと考えているとのことです。

案件情報のブラックボックス化は、不動産業の企業様の多くが課題に感じているポイントではないでしょうか?
もし御社が不動産業で、案件管理のkintone化を検討されている場合には、社内に定着しやすいよう手順を工夫するのがおすすめです。
kintoneなら簡単に項目を追加できるから、といきなりこれまでのエクセルになかった項目をあれもこれもと追加してしまうと、従業員視点で使いにくいアプリとなってしまう可能性があります。
まずは実際に使う立場の従業員に寄り添い、「使ってもらう」ことを優先してその中でkintone化のメリットを感じ取ってえるようにしてみてはいかがでしょうか?

kintoneを活用することで、ただ案件管理を脱エクセルできるだけではなく、蓄積したデータを元に分析をおこなうことも可能となります。
不動産業の課題をまとめて解決できる「不動産業務改善パッケージ」もありますので、kintoneの導入を検討されている企業様や、kintoneを導入してみたけれどいまいち使いこなせていない……という企業様は検討されてみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

西道 涼

『クラウドサービスの先導者』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 主に中小企業のクラウドサービスの提案から導入支援まで、一貫してサポートさせていただいております。 たくさんのクラウドサービスが普及する中、どのクラウドサービスが自社に合っているのか…お悩みではありませんか? 是非一度御社の理想をお聞かせください。ぴったりのクラウドサービスをご提案させていただきます!

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