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給与計算で押さえておくべき基礎知識3つ|初心者向けにわかりやすく解説

初心者必見!給与計算のやり方解説

給与計算の項目や計算方法には一定のルールがあり、そのルールに従って支給・控除等の計算を行う必要があります。
しかし、受け取る側だった時には差し引き支給額しか見ていなかったけれど、いざ給与計算の担当者になってみたら支給項目や控除項目等よくわからない項目がたくさん……と思った方も多いのではないでしょうか?

そこで今回の記事では、給与計算の項目や正しいやり方を初めての方にもわかりやすく解説いたします!
給与計算の基礎を理解し、効率的かつミスなく業務を進めましょう。

この記事でわかること

  • 給与計算で必要な基礎知識
  • 給与計算の項目とルール、正しい計算のやり方

 

こんな人におすすめの記事です

  • 給与計算を基礎から理解したい方
  • 給与計算の基礎や方法を理解して業務に活かしたい方

給与計算の基礎知識

給与計算で最初に覚えておくべき基礎知識は、給与の構造です。

従業員には労働の対価として基本給や各種手当などを支給しますが、その中から健康保険料や税金などを控除します。
支給額の合計を「額面」、健康保険料等の控除額が差し引かれた後の金額は「手取り」という言葉で広く浸透しています。

額面(総支給額):基本給+各種手当+変動的な給与支給額(残業代など)
手取り:額面(総支給額)-控除額=差し引き支給額

変動的な給与支給額は、毎月固定で支払われるものではなく、月ごとに金額が変わるものを指します。

具体的に、総支給額と控除額にどのような項目があるかを確認していきましょう。

額面(総支給額)の内訳

総支給として支払われるものは、基本給と手当、変動的な給与です。手当と変動的な給与は、具体的に以下のようなものがあります。

各種手当

  • 住宅手当
  • 役職手当
  • 営業手当
  • 資格手当
  • 出張手当
  • 通勤手当  など

 

変動的な給与

  • 残業代
  • 休日手当 など

 

上記の対象者や金額などは、就業規定や従業員情報で確認しましょう。
個人で金額が大きく異なる他、昇給のタイミング等で一斉に変更がかかる部分となりますので、注意が必要です。

総支給額に含まれるのは、実はここまでご紹介したものだけではありません。
欠勤控除や早退控除、遅刻控除等差し引くものも総支給額に含まれます。

「支給」ではないのにおかしいではないかと思われるかもしれませんが、次のセクションでご紹介する控除項目には一定の決まりがあるため、欠勤や遅刻早退の控除については支給項目でマイナス表記を行い、支給額から控除するのです。

支給項目で差し引く給与

  • 欠勤控除
  • 早退控除
  • 遅刻控除

控除の内訳

控除は「差し引く」という意味の言葉です。
所得税や住民税といった税金は本来所得額を元に個人が納めるものですが、会社が給与支払い時に控除し、まとめて国や各市町村に収めています。

また、控除には税金や社会保険料などの「法定控除」と会社ごとに定める「法定外控除」があります。

法定控除

  • 所得税
  • 住民税
  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料
  • 介護保険料 など

法定外控除

  • 社宅費
  • 財形貯蓄
  • 社員旅行や忘年会の積立費
  • 団体で加入している生命保険料 など

これらの控除を総支給額から差し引いたものが、最終的に従業員に振り込まれる「差し引き支給額」となります。

給与計算のやり方

給与計算は会社で定められた「締め日」に勤怠を締め、その日までの勤務に関する計算処理に移ります。給与計算に移る前に、就業規則や給与規定、従業員情報(各種手当の支給の有無など)を確認しておきましょう。

締日についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼勤怠の締め処理・締め日とは?やり方と業務を効率化するポイントを解説

給与計算の実施手順は以下の通りです。

  1. 勤務時間の集計
  2. 基本給の計算
  3. 変動的な給与額の計算
  4. 各種手当の計算
  5. 欠勤等支給に含まれるの控除の計算
  6. 総支給額の計算(手順2〜5を合算)
  7. 住民税・社会保険料の計算
  8. 所得税とそのほか控除の計算
  9. 控除額の計算(手順7〜8を合算)
  10. 差引支給額の計算(手順4から7を差し引く)

各項目の計算方法を含む給与計算の詳しいやり方は以下の記事で解説しています。
▼【初心者向け】給与計算のやり方とミスなく効率的に行う方法を解説

給与形態の違い

支給項目と控除項目、そしてそれらを合わせた差し引き支給額という給与の基本構造はどのような従業員であっても変わりません。
しかし、給与計算を行う上ではその従業員の「給与形態」も確認する必要があります。

「日給」「月給」……自社はどれ?

給与形態は主に以下の5つあり、多くの会社では就業規則にて「正社員」や「パート」といった働き方別にどの制度を取るかが定められています。

時給制:1時間あたりの給与額が定められており、労働時間と1時間あたりの給与額を掛けて金額を算出する給与形態
日給制:1日あたりの給与額が定められており、労働日数と1時間あたりの給与額を掛けて金額を算出する給与形態
日給月給制:月の給与額があらかじめ定められており、遅刻・早退・欠勤があった場合にはその分の基本給・手当を月の給与額から減額する給与形態
月給日給制:月の給与額があらかじめ定められており、遅刻・早退・欠勤があった場合にはその分の基本給のみを月の給与額から減額する給与形態
月給制: 月の給与額があらかじめ定められており、遅刻・早退・欠勤があっても減額されない給与形態
※このほかに、週給制等の給与形態も存在します

パート・アルバイトの方は時給制の方が多く、建設業等は業態的に日給制が多くなっています。
正社員の方については、「月給制」と言いながらも実態的には「日給月給制」または「月給日給制」であることがほとんどです。

月給における欠勤・遅刻・早退の控除方法

時給制や日給制の場合には、労働時間や出勤日数を元に単価を掛けて計算すれば良いため比較的単純です。
しかし、日給月給制や月給日給制の場合には「その月働くべき日数(月の所定労働日数)に対して何日出勤しているか」を確認し、不足があれば控除の処理を行わなくてはなりません。

月給日給制の場合には計算に利用する項目は基本給と一か月の所定労働時間のみとなりますが、日給月給制の場合には各種手当も含めて計算を行う必要があります。
どの手当を計算に含めるかについては会社の賃金規定によりますので、自社はどの手当が含まれるかは計算前に確認をしておきましょう。

月給日給制の場合の計算式

遅刻・早退の場合
基本給÷1か月あたりの所定労働時間×遅刻・早退の時間欠勤の場合
基本給÷1か月あたりの所定労働日数×欠勤日数

日給月給制の場合の計算式

遅刻・早退の場合
(基本給+控除基礎単価に含む手当)÷1か月あたりの所定労働時間×遅刻・早退の時間欠勤の場合
(基本給+控除基礎単価に含む手当)÷1か月あたりの所定労働日数×欠勤日数

給与計算の注意点

給与計算は、従業員の生活面や税金の納付等、様々な面から見て正確さが求められる業務です。
そのため、以下のポイントに気を付けて給与計算を行う必要があります。

給与計算で気を付けるポイント

  • 最低賃金を遵守する
  • 割増賃金を正しく計算する

具体的に気を付けるべき点と計算方法を解説していきます。

最低賃金を遵守する

給与計算を行う時は、最低賃金を遵守することが大前提となります。
最低賃金を下回って支給した場合には従業員への差額支給が必要となり、対応を怠ると企業へ罰則が課せられます。

最低賃金は、「月給制」「日給制」「時給制」にそれぞれ計算方式があります。
最低賃金は各都道府県によって異なりますが、以下の例を参考にして自社の地域の最低賃金をは必ず守るようにしましょう。

【東京都の場合(最低賃金 / 1,041円※2021年10月1日改定)】
月給制(日給月給制、月給日給制を含む)
月給÷1ヶ月平均所定労働時間≧最低賃金額(時給)
例:250,000円÷176時間(1日8時間×労働日数22日)≧1,420円(端数切上)

※上記の月給には、含める手当と含めない手当が存在します。最低賃金を計算するときに適用するか除外するかは、厚生労働省の「最低賃金の対象となる賃金」を基に判断しましょう。
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-12.htm

日給制

日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時給)
例:10,000円÷7時間≧1,429円(端数切上)※1日の所定労働時間は、就業規則や給与規定などで定められている「始業から終業までの時間」から休憩時間を引いたもの。

時給制

時間給≧最低賃金額(時給)

なお、月給制で固定残業代(みなし残業代)を支給している場合には、最低賃金の計算に固定残業代は含めません。
ただし、固定残業代そのものが最低賃金を下回っていないかは注意する必要があります。

固定残業代が最低賃金を下回っていないか確認する場合の計算式

固定残業代÷(固定残業時間×1.25)≧最低賃金額(時給)

割増賃金を正しく計算する

従業員に正当な給与を支払うためには、割増賃金を正しく計算することも大切です。所定労働時間は「1日8時間の労働時間を上限」として設定しますが、残業の場合は25%の割増賃金を計算しなければいけません。

割増賃金は休日や深夜残業などによって変動するため、以下の表で割増率を把握しておきましょう。

勤怠の区分 割増率
時間外労働 25%以上
深夜労働 25%以上
休日労働 35%以上
時間外労働かつ深夜労働(25%+25%) 50%以上
休日労働かつ深夜労働(35%+25%) 60%以上
月60時間を超える時間外労働(※) 50%以上
月60時間を超える時間外労働かつ深夜労働(※) 75%以上

※2023年4月より、月60時間以上残業した場合の割増率が中小企業でも50%に引き上げられるため注意してください。

マネーフォワードクラウド給与で給与計算を効率化!

ここまでご紹介した通り、給与計算には多くの項目があり、それぞれに計算のルールがあります。
これらの計算を紙やエクセル等で自力で行おうとすると、手計算ゆえにミスが発生しやすくなり、各種税率などの変更も自分で調べて対応しなくてはなりません。

このような給与計算を効率化したいなら、クラウド型の給与管理ソフト「マネーフォワードクラウド給与」等のクラウド型の給与計算システムを利用するのがおすすめです。
給与計算におけるルールをあらかじめ設定しておくことができ、税率等の改正も自動で対応するため、出勤日数や残業時間、欠勤日数等の勤怠情報を登録すれば自動で給与計算が完了します。

マネーフォワードクラウド給与であれば勤怠管理システムとの連携もでき、給与計算に関わる業務を正確かつ早く処理することができるため、給与計算でお困りの方は導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

徳田 幾美

『勤怠管理のスペシャリスト』

日本人の心のふるさとである”三重県伊勢市”を拠点に、中小企業のDX化を支援しています。 勤怠管理クラウドKING OF TIMEやMoneyForwardクラウド給与の導入を得意とし、脱タイムカード・給与明細の電子化から人時生産性の向上まで、他クラウドサービスも含めたトータルサポートをご提案しています。 「紙のタイムカードや出勤簿を手で集計していて時間がかかる」「給与明細を手渡ししている」勤怠管理や給与計算でお悩みの企業様、是非一度ご相談ください!

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