棚卸業務の効率化に成功!kintoneで棚卸表をデジタル化|株式会社旅する温泉道場さまのアプリ開発事例
多い企業では毎月発生する棚卸業務。
温浴施設を運営する株式会社旅する温泉道場さまでは、棚卸業務をスムーズに行いたいというお悩みがありました。
今回、棚卸表をペーパーレス化し、棚卸業務の効率化につながったkintoneの導入事例をご紹介します。
目次
紙中心の棚卸業務の問題点
デジタルではなく、紙の媒体で棚卸表を管理している会社さまも多いことでしょう。
その際、紙の棚卸表の商品の並びと、実際の商品の陳列は必ずしも一致せず、該当の商品を探すのに時間がかかってしまうというお悩みをもった経験はないでしょうか。
また、複数人で棚卸を担当する場合、棚卸後に複数の棚卸表を取りまとめて一つの棚卸表を作ったり、今月の棚卸が終わったら、来月のために新しい棚卸表に「前月在庫」として転記をしたりしていませんか?
紙の棚卸表で棚卸を行っていると、「難しくはないけれど、時間と手間がかかる」「棚卸は実施タイミングが決まっているため、その時だけ慌ただしい」といった状態になってしまいがちです。
紙の棚卸表をデータ化させ、棚卸業務を効率化させたい!
株式会社旅する温泉道場さまは、温泉で癒されるのはもちろん、カフェ感覚でゆったりくつろぐことができる温浴施設を運営しています。
そんな株式会社旅する温泉道場さまで行っていた棚卸は、以下画像のような棚卸表を作成し、毎月手作業で在庫数や仕入数を記入する形でした。
この紙の棚卸表での管理には大きく2つの問題があります。
まずひとつめの問題は、棚卸表では仕入の利便性の観点から商品が仕入先別に並んでおり、実際の商品の陳列や倉庫内の並びとは異なる点です。
表を上から順番に埋めていく、といった処理は行えないため、在庫をチェックした商品を棚卸表から探す際に時間がかかってしまいます。
そのため、株式会社旅する温泉道場さまでは「棚卸時に表からいちいち商品を探す時間」を省くため、倉庫ごとに別の紙資料で在庫を確認し、最後に棚卸表に転記をするという二度手間の管理をせざるを得ない状態でした。
ふたつめの問題は、来月の棚卸のために今月の棚卸の結果を次回用の棚卸表の「前月在庫」部分に転記する必要があり、必要以上に工数がかかっていた点です。
紙で棚卸を行っていると、どうしても記入の二度手間が発生してしまいます。
kintoneによりバーコード読み取りで棚卸時間大幅短縮!集計作業も不要に
記入、転記に時間のかかる紙の棚卸表をアナログからデジタルに移行し、棚卸業務の効率を上げたいというご要望を受け、kintone(キントーン)にて「商品リストアプリ」と「棚卸管理アプリ」を作成。
商品リストアプリに棚卸が必要な商品のJANコードを登録し、タブレットでJANコードを読み取ることで自動的に商品名や単価が表示されるようになりました。
単価と在庫数を元に、自動で棚卸高も集計できるため、電卓をたたいて計算する必要もありません。
さらに、これまでは前月の情報から転記をしなければわからなかった前月末の在庫数も「関連レコード」で表示。
併せてアプリ化した納品書データを登録する「仕入管理アプリ」やPOSデータを取込む「売上管理アプリ」から、ここ一か月間の売上情報や仕入情報も参照できるようになったことで、これまでの棚卸業務の課題であった「前月の情報やそのほかの帳簿からの転記」は不要になりました。
また、「売店」や「倉庫」等複数個所で在庫を保管している場合もあるため、商品アプリに棚卸を実施する場所の情報を入力しておき、棚卸の際にはその場所ごとに在庫数を入力、登録されたそれぞれの場所の在庫数を自動で集計するように設定し、これまでは「この場所で何個、この場所で何個だから合計は…」と手で計算を行っていた時間を無くすことができました。
kintoneで業務効率化+データ活用を実現
株式会社旅する温泉道場さまでは、棚卸に関わる一連の業務をkintone化したことで、仕入から販売までの情報を活用できるようになりました。
さらに、これまでは紙の情報だったため過去の在庫情報を参照するのにも手間がかかっていましたが、これからはkintone上にこれまでの在庫情報がすべて記録され、さらに販売の情報や仕入れの情報と連動させることでデータを活用した分析にも着手できるようになります。
棚卸業務のkintone化によって生まれたメリット・デメリットは以下の通りです。
<メリット>
- タブレットでバーコードを読み取ると商品名等が自動で入るため、紙のリストから探しながら棚卸をしなくてよくなった
- 集計作業が不要になったことで、棚卸業務にかかる時間を短縮できた
- POSのデータを取込を行うことによって、販売データの情報を確認できるようになった
- 蓄積された棚卸の情報を元に分析業務の展開ができるようになった
<デメリット>
- 同じ商品で複数の場所に分かれて保管している場合(売店と倉庫等)、2ヵ所目以降の在庫登録は最初にバーコード読み取りで登録したレコードを探す必要がある(商品名検索)
また、ビフォー・アフターは以下の通りです。
before (kintone導入前) |
after (kintone導入後) |
紙のリストから該当商品を探しながら棚卸作業をしていた | タブレットでバーコードを読み取れば商品情報が入力されるため、「該当の商品を探す」手間が不要になった |
複数の資料を取りまとめて棚卸表を完成させていた | 複数個所の在庫情報も自動集計されるようになった |
棚卸金額を手計算していた | 商品情報に登録している単価と在庫数を元に自動計算されるようになった |
紙資料に前月在庫、仕入、販売、今月在庫を記載し、来月用の棚卸表に在庫数を転記していた | kintoneに情報を集約することで転記作業が不要になった |
棚卸のkintone化から、次は発注業務の効率化へ
棚卸に関連する一連の業務がkintone化し、アナログからデジタルへの移行に成功した株式会社旅する温泉道場さま。
今後は、データ化した在庫情報を元に発注業務を効率化したり、売店の予算建てに活用したりしたいと考えていらっしゃるとのことです。
棚卸表をペーパーレス化させたことにより、棚卸業務の効率化につながり、さらには業務全体の効率をあげていく取り組みはこれからも続いていきます。
株式会社旅する温泉道場さま、ありがとうございました!
⇧⇧600記事/250動画のコンテンツがあるコムデックラボから在庫管理に関する業務改善を学ぶ
この事例を自社でも実現したい!
という企業さまはお問い合わせください!
お問い合わせはこちら
業種に対応した業務改善機能をパッケージ化
ITツール導入の費用が最大450万円補助