案件管理と在庫管理を連携!出荷時の検品までスムーズに|タッチパネル輸入販売業 ナイスモバイル株式会社さまのアプリ開発事例
一般的な卸売業の業務プロセスは、お客様の注文内容を正確に倉庫などのバックヤードに伝え在庫を確保し、該当商品の数量や内容を検品したのちに出荷作業を行います。それぞれの業務で携わる人員が変わるため、特に在庫管理以降の工程に伝達ミスなども起こりやすい業務です。
もし注文から出荷までをデータで一元管理できれば、人的な伝達ミスや思い込みを防ぎ、日々の出荷量の可視化や予測もできるようになります。
最後の工程のため業務量のコントロールが難しい検品や出荷を担当する部署の業務量削減や人員の配置の適正化も可能です。
そこで今回の記事では、案件管理のデータと出荷管理のデータを連携し、案件管理から在庫管理、出荷管理までの業務をkintone化することで毎月700枚にも及ぶ手書きの書類作成作業を削減したナイスモバイル株式会社さまのkintoneアプリ開発事例を紹介します。
在庫管理や検品管理、出荷作業の効率化を実現したい事業者さまは、ぜひ参考にしてください。
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目次
案件管理と在庫管理をkintone化!脱エクセルで自動在庫引き当て
ナイスモバイル株式会社さまは、長野県に本社を構え、全国に拠点を展開しているタッチパネル輸入販売業の企業さまです。
タッチパネル関連製品の導入プロデュースなども手掛け、ITによる働き方改革の支援を行っておられます。
ナイスモバイル株式会社さまでは以前よりkintone(キントーン)を導入して出荷情報を管理していたものの、見積書や在庫管理はエクセルで管理していました。
案件情報や在庫管理のデータが一元化されていないため、それぞれに共通した情報を都度登録する必要がある状態だったのです。
そんな折、企業のDX化の進展によりタッチパネル関連製品の需要が急増、出荷量とそれに伴う作業量の増加を効率的に管理する必要に迫られたことで「kintoneによる案件管理・在庫管理の一元化」を進めていくことになりました。
入荷した製品をまず在庫管理アプリに登録することで、製品一台一台に対して番号が割り振られます。
その後お客様から注文が入ったら、案件管理アプリに受注した製品を登録することで在庫が引き当てあられます。すると、自動的に在庫管理アプリ側の情報も書き換わり、どの案件に対してどの在庫が引き当てがされたのかという情報が自動で入力されます。
自動で在庫が確保されるため、リアルタイムな在庫数を把握できるようになりました。
自動で在庫を引き当て、案件管理アプリと在庫管理アプリの連携を実現した業務改善事例はこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼案件管理・在庫管理をkintoneで一元化!KANBANプラグインで進捗管理がずっと楽に|タッチパネル製品輸入販売 ナイスモバイル株式会社さまのアプリ開発事例
そんなナイスモバイル株式会社さまの次なる課題は、在庫管理の次の工程である検品や出荷業務の改善でした。
今日の出荷はどれくらい?月700枚の作業指示書を手書きで作成
ナイスモバイル株式会社さまの当時の業務フローでは、案件と在庫管理のデータはkintone化していたものの、そこから先の「倉庫から実際の製品を出庫して検品して出荷する」という製品管理の部分については連動できていませんでした。
営業担当側からは「今出荷がどういう状態なのか」がわからず、出荷担当者側からは出荷時に必要な情報が連携されていないため「いつどれくらいの製品を発送しなければならないか」を事前に把握するのが難しい状態だったのです。
業務量が把握できないと、どれだけの人員を確保しておけばいいのかもわかりません。
加えて、製品を検査するために必要な作業指示書も手書きで作成をしており、最低でも月300枚、多いときには700枚以上を手動で書いていたというのですから、この業務の改善は喫緊の課題でした。
ナイスモバイル株式会社さまの課題
- 案件管理や在庫管理と、出荷・検品業務がそれぞれ独立しており、状況が把握できない
- 検査時に必要な作業指示書を手書きで作成していた(月300枚~700枚)
- 日々の出荷量とそれに伴う作業量や必要な作業人員が把握しづらい
これら三つの課題を解決するために、案件管理・在庫管理から出荷管理(検品管理)までを連携するkintoneアプリのカスタマイズがスタートしました。
案件管理から出荷情報を自動登録!指示書の印刷まで一元管理
案件管理・在庫管理と出荷管理を連動させるにあたり重視したことは、なるべくシンプルに運用できるようにすることでした。
今ある案件管理や在庫管理のアプリを活かしながら、仕組みを複雑化せず使えるようにするべく、「案件管理から自動的に検品に必要なレコードを作成する」形を検討した結果、以下のような流れで出荷管理までの一元管理を実現しました。
1.案件管理アプリに出荷する製品の情報を登録
まずは、案件管理アプリで、出荷対象の製品情報を登録して在庫に引当てます。こちらは先ほどご紹介した記事ですでに構築した仕組みです。
こちらの画像では、「同じ製品を3台」出荷するとして登録してあり、それぞれ在庫も引き当てられています。
2.倉庫出荷管理(出荷管理アプリ)に検品用データを一括作成
出荷すべき製品が登録出来たら、案件管理アプリにある「倉庫出荷管理へコピー」のボタンをクリックします。
このボタンをクリックすると、倉庫出荷管理アプリに自動で検査のためのレコードが作成される仕組みです。
倉庫出荷管理アプリへのデータ一括コピーには、TIS社の「テーブルデータコピープラグイン」を活用しています。
案件管理アプリ内のテーブルに登録した製品データがひとつひとつバラされ、手入力することなく自動的にレコード作成されている状態です。
検品は一台一台確実に実施する必要があるため、あえて別アプリに展開しています。
画像のケースでは、1案件で3台の注文に対して、製品一台ずつのレコードを生成し、製品個体ごとの検査情報(シリアルナンバー、検査合否、検査開始日時、検査終了日時、検査工数)を登録しています。
3.検品作業が完了したら条件分岐処理プラグインでステータスを自動更新
検査を終えて倉庫出荷管理アプリの「案件ステータス更新」ボタンを押すと、TIS社の「条件分岐処理プラグイン」を用いて、入力された個体製品ごとのシリアルナンバーを案件管理アプリと製品管理アプリ(在庫管理)に自動で登録します。
このシリアルナンバーをキーにすることで、案件管理アプリ、製品管理アプリ(在庫管理)、出荷管理アプリ(検品管理)の連携が実現し、どのアプリからも現在の進捗状況を簡単にリアルタイムで確認できます。
ボタンを押せば案件のステータスが「配送手配完了」→「出荷完了」に一括で変わるため、営業担当や出荷担当が手動で案件管理アプリを更新しなくても、検査を終えてからボタンをクリックするだけでステータスを更新できる仕組みです。
4.製品の検査に必要な作業指示書もkintoneから出力!
今まで手書きで作成していた作業指示書(伝票)も、「プリントクリエイター」を用いて、出荷管理アプリ(検品管理)から自動出力できるようにしました。
プリントクリエイターは、自社が既に使っている書類のフォーマットに合わせてkintone内の情報を印刷することができる外部連携サービスです。
あらかじめフォーマットのどこにどの情報を当てはめるかを設定しておくため、出力時にはボタンを押すだけ!
必要情報は全てkintone内の情報から自動印字されるため、手書きの書類を作成する必要がなくなりました。
また、プリントクリエイタープレミアムコースであれば、複数の検査書類を一括で出力することができるため、「今日が出荷日の製品」に絞り込んで一括出力すれば、指示書の作成の手間をほぼゼロにすることができます。
出荷管理をkintone化した効果とは
今までは、現場ごとにアプリを運用しデータを管理していたため、日々の出荷量や作業量の予測にも時間がかかり情報の共有が充分ではありませんでした。
そこで、今回のkintoneアプリカスタマイズでは、以下の3つの効率化を実現しました。
一つ目の改善効果は、データ連携により案件の進捗をリアルタイムで見える化したことです。この改善により、週単位、日単位の出荷量が把握できるようになり、現場の作業量の管理や人員の配置管理がしやすくなりました。
出荷量のグラフもできるため、業務の平準化に向けた分析をおこなうことも可能です。
二つ目の改善効果は、大幅な作業工数削減です。
今まで手書きだった作業指示書(伝票)をkintoneに登録したデータから印刷出力する形式に変更しました。
この改善により、毎月300~700枚発生する手書きの作業指示書の作成時間を15~35時間分削減することができました。
また、データ化は人的ミスの削減にも貢献しています。
三つ目の改善効果は、シンプルな操作で全てのデータが更新できるようになりユーザービリティが向上したことです。
案件管理アプリや出荷管理アプリ(検品管理)など現場ごとに二重管理していたデータを連携することで、現場で使う人達がストレス感じずに操作できます。
案件・在庫・出荷管理の一元化で業務効率化へ
今回のナイスモバイル株式会社さまのkintoneアプリカスタマイズ事例では、既にkintoneアプリを導入し、案件管理アプリと製品管理アプリ(在庫管理)の連携は行われていたものの、その先の工程である出荷管理(検品管理)の連携がとれていないために、日々の出荷量や作業量が予測できず、受注量の増加に対応が難しい状況に置かれていました。
この課題に際して、案件管理アプリ、出荷管理アプリ(検品管理)、製品管理アプリ(在庫管理)の3つのアプリを製品個体のシリアルナンバーをキーとして紐づけることで、どのアプリからも製品個体ごとの進捗状況がリアルタイムで確認できるように可視化しました。
このアプリ連携により、二重管理になっていた入力や更新作業の工数を削減し、さらに今まで手書きで作成した作業指示書(伝票)をkintoneに登録したデータから印刷出力することで15~35時間分の工数削減を実現しました。
「部署ごとでバラバラに運営されているデータを管理し可視化したい」、「在庫管理を効率化したい」、「手書き伝票の作業を減らしたい」事業者さまは、ぜひ、一度kintoneの活用を検討してみてはいかがでしょうか?
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