士業でkintone活用!社労士業務改善パッケージの導入手順・効果とは?|neo社労士事務所さまのアプリ開発事例
顧問先からの依頼に応じて各種社会保険の手続きや労務相談など、多岐にわたる業務を行う社会保険労務士。
依頼される手続きは多種多様であるため、顧問先ごとの手続き管理が属人化したり、タスクの抜け漏れが発生することも少なくありません。
顧問先から依頼された手続きの全体的な進捗管理や、顧問先別にどれくらいの時間をかけたかといった工数管理が行えず悩まれている先生方も多いのではないでしょうか?
今回の記事では、それらの課題に対してkintoneを導入し、従来の業務管理方法を大きく改善した社労士事務所さまの事例をご紹介します!
目次
紙やエクセルで手続管理が属人的に…kintoneでゼロからアプリを作るのは難しい?
沖縄県にて助成金申請代行業務を中心に社会保険・労働保険の各種手続き代行をされているneo社労士事務所さま。
助成金の申請に強いことが特徴で、元労働局の助成金アドバイザーの方も所属していらっしゃいます。
neo社労士事務所さまでは、元々各担当者自身が紙やエクセルを使ってタスクの管理をしていたことから、全体を統括すべき管理者が各担当者のタスクの状況を把握できていない状態でした。
その他、当時のneo社労士事務所さまの業務課題は以下の通りです。
- 顧問先から依頼された手続きを紙やエクセルで管理しているため、抜け漏れの危険性が高い
- 各担当者が個人で管理しているため、今現在どんな状況なのか、実際に作業したかどうかを管理者が把握できない
- 顧問先が加入している社会保険毎に実施すべき手続きがことなるため、担当者以外は手続きを実施できない
- 業務量がわからず、負荷が偏っている可能性がある
脱紙、脱エクセルによってこれらの課題を解決したいということで、neo社労士事務所さまが導入を検討されたのがkintone(キントーン)です。
kintoneとは、自社の業務に合わせたアプリをドラッグ&ドロップで簡単に構築できる業務改善プラットフォームで、業種を問わず様々な業務で脱紙・脱エクセルを実現できます。
しかし、アプリ作成経験がないところからスタートして、自社の業務を全てカバーできるアプリを構築するのは容易ではありません。
もちろん、コムデックラボの記事やYoutubeの動画を見れば自社の業務に合わせた構築のヒントはありますが、それを元にアプリを作っても「エクセルや紙の資料の代わりに、ただ入力項目を置いただけ」のアプリでは手続の抜け漏れや属人化を解決することはできないでしょう。
そこで、neo社労士事務所さまが導入を決めたのは、あらかじめ社労士の業務に対応した手続きなどを包括的に管理できるようにアプリやプラグインが設定された「社労士業務改善パッケージ」でした。
社労士の業務課題を解決する「社労士業務改善パッケージ」とは?
neo社労士事務所さまが導入を決めた社労士業務改善パッケージとは、顧問先の基本情報や契約内容、決算月や昇給月などを管理する顧客管理アプリから、入社や退社、介護、出産育児、傷病に伴う休職など顧問先に不定期に発生する手続きを管理するアプリ、給与計算や賞与支払届、算定基礎届など決まったタイミングで発生する手続きを管理アプリまで網羅した、社労士専用のkintoneアプリパッケージです。
社労士業務改善パッケージを導入することで、あらかじめ顧問先ごとに設定しておいた各種手続きに関するタスクが自動作成されるため抜け漏れの心配がなく、その顧問先の担当者以外でも手続きを実施することができます。
手続の期日も自動計算され、期日が近づけばアラートで知らせてくれるため、うっかり期日を過ぎてしまったというミスも防ぐことが可能です。
各手続の進捗状況や担当者別の手続き量をグラフや表でリアルタイムに見える化できるため、管理者は各担当者に直接聞いて回らなくても業務負荷や状況を把握し、業務の再配分を検討することができます。
さらに、顧問先別にどれくらいの時間をかけたかといった工数の分析もできるようになるため、無理のない組織運営に繋がる業務改善が可能です。
社労士業務改善パッケージの主な機能一覧
- 顧問先/契約管理
- 入退社などの不定期手続きの自動作成
- 給与計算などの定期的に発生する手続きの自動作成
- スケジュール/アラート管理
- 日報管理/分析
- 請求/採算管理
※社労士業務改善パッケージの詳細な機能については、こちらのページもご参照ください。
社労士業務改善パッケージの内容やその他の事例については以下の記事でも紹介しています!
▼サイボウズ×船井総研×コムデック 社労士向けkintone活用セミナーに登壇しました
社労士業務改善パッケージ導入の手順と期間は?
neo社労士事務所さまの社労士業務改善パッケージ導入に際しては、環境構築後にまずお打ち合わせを実施し、どのような機能があるのか、どうやって使ってもらえば良いのかを説明させていただきました。
その上で、neo社労士事務所さまの実際の業務に合わせてパッケージの仕組みを変えたほうが良い部分、つまりカスタマイズが必要になる部分を洗い出していきます。
社労士という一定のルールに基づいて各種社会保険手続きを実施する業種と言えど、手続きの進め方や管理の仕方は各事務所で異なります。社労士業務改善パッケージでは基本的な管理方法に対応できるようになっていますが、「どこまでの情報をkintoneに持たせるのか」「各手続のタスクをどのくらいの粒度で管理するのか」によっては、パッケージの中身を変える必要があるのです。
従来の受託開発型のシステムであれば、仕様を一つ変えるのにもきっちりと要件を定義して見積を確認してから改修をしていく必要がありますが、kintoneであればそういった改修もスピーディに実施可能です。
実際に使ってみると、「うちはこの項目はいらないけれど、代わりに特有の項目が欲しい」「こういうアラートを出したい」「こういう一覧も欲しい」といった様々なご要望が出てきます。
項目追加や細かい部分の調整はお打ち合わせをしながらその場で変更もできるので、すぐに自社の業務に合ったアプリを使い始めることが可能となるのです。
また、実際にアプリを修正する画面をお見せして修正方法もご案内しますので、簡単な修正であれば自社で実施できるようになり、実際に業務にあたる方の意見を取り入れやすくなります。
neo社労士様の場合、導入を決定してから環境を構築し、最初のお打ち合わせを実施するまでの期間は約1か月程度。
その後必要に応じてカスタマイズを実施し、概ね3か月で実際に使い始めていただくことができました。
なお、neo社労士様の場合にはkintoneをゼロから始める形でしたが、すでにkintoneを利用しているところに社労士業務改善パッケージの機能を追加することも可能です。
社労士業務改善パッケージを実際の業務に合わせてより使いやすく!
パッケージのアプリをそのまま使うことももちろんできますが、自社の業務に合わせてカスタマイズすることで、より使いやすく便利な環境を構築することができます。
このセクションでは、neo社労士事務所さまで実際に行ったカスタマイズ事例を3つご紹介します。
担当者ごとの担当手続きタスクをスレッドで一元管理
前述の通り、社労士業務改善パッケージでは給与計算や算定基礎届など、顧問先との契約に応じて決まったタイミングで発生する手続きや、入退社など顧問先にその事象が発生したタイミングで実施する手続きを自動的に作成する機能があります。
後者の不定期に発生する手続きは一つのアプリに集約して手続きに紐づくタスクを管理できますが、前者の定期的に発生する手続きのタスクは各アプリに手続きが作成されるため、自分が担当している手続きを把握するためには各アプリに入って確認しなくてはなりません。
そこで、各担当者が「自分が処理しなければいけない手続きのタスク」を把握しやすいように、各管理簿アプリ内に「担当者別の一覧」を作成。
一覧には未処理の手続きタスクのみを表示するようにしておけば、終わったものは自動で一覧から消えていきます。
作成した一覧を担当者ごとにまとめてスレッドに表示することで、常に自分がやるべきタスクを抜け漏れなく管理できる環境を実現しました。
また、個別の担当者向けのスレッドとは別に、管理者向けとして各管理簿を横断したタスク状況も可視化しました。
このグラフを見れば、手続き毎のアプリを開かなくてもどの状況にある手続きタスクがどれくらいあるのかを感覚的に把握することが可能です。
助成金ごとに管理簿を作成 条件変更にも対応
社労士業務改善パッケージには、多くの社労士様が取り扱っているキャリアアップ助成金の管理簿を標準で備えています。
しかしneo社労士事務所さまの場合には、助成金申請を強みとしていらっしゃる分キャリアアップ助成金以外もkintoneで管理したいというご要望がありました。
そこで、不定期手続管理同様に、各助成金ごとの申請対象者を登録するアプリから、実施すべき手続きタスクを「助成金管理簿アプリ」内にまとめて自動作成する仕組みを構築。
助成金は定期的に条件や申請時に必要な情報が変更になる他、新たな制度が増えることも多くなっていますが、kintoneであればそれらの変更・追加に柔軟に対応できます。
助成金の対象者を管理するアプリ内に手続きに必要な書類も添付できるようになっており、「kintoneを見れば手続きを進められる状態」を作ることができました。
顧問先毎に異なる手続きも自動作成
社労士業務改善パッケージでは、入社・退社などの不定期に発生する手続きに必要なタスクをひとつひとつ不定期手続管理簿内に自動登録するようになっています。
逆に言えば、定期的に発生する業務全般(給与計算や36協定届、算定基礎届など)については「その手続きを実施したかどうか」だけを管理するチェックリストを各管理簿アプリに作成する形です。
neo社労士事務所さまのご要望は、給与計算や年末調整、36協定届といった定期的に発生する手続きについても「その手続きを実施したかどうか」だけではなく、手続に必要なタスクを細かく登録して誰でも実施できるようにしていきたいというもの。
ただし全ての定期手続業務が対象となるわけではなく、「36協定届・算定基礎届・年度更新」の手続きは全社共通のタスク、「給与計算・賞与計算・年末調整」の手続は顧問先毎に異なるタスクを作成したいということでした。
確かに、給与計算などは各顧問先毎に手当や計算方法が違うことがほとんどのため、顧問先別に注意すべき点をkintoneアプリに落とし込むことができれば、その顧問先の担当者以外でも手順に沿って実施することができます。
そこで、前者については「全社共通のタスクを管理するアプリ」を作成し、後者については入社や退社の手続き同様、顧問先/契約管理アプリの中にその顧問先のその手続きごとに実施すべきタスクを登録していく形にアプリを修正しました。
このカスタマイズにより、定期的に発生する手続きについても細かなタスクを管理できるようになったのです。
社労士業務改善パッケージの導入で得られたメリットとは?
顧問先の情報をkintoneに集約し、自動的に実施すべき手続きを作成できるようになったneo社労士事務所さま。
社労士業務改善パッケージを導入した結果得られたメリットをまとめました。
- 脱紙、脱エクセルを実現し、事務所全体の業務量や進捗状況を把握できるようになった
- 手続きのタスクを自動作成できるため、抜け漏れの心配がなくなった
- 助成金や定期手続き内の細かいタスクを含めて、事務所内の手続きを一元管理できるようになった
- 各担当者が自分や実施すべきタスクを明確に把握できるようになった
- 手続きに必要な書類もkintone内で管理できるようになった
各担当者がそれぞれに管理していた手続きの情報を集約することで、ペーパーレスな業務管理を実現することができました。
現時点では手続の管理に絞ってパッケージの機能をご利用いただいているため、日報や採算管理、スケジュールの機能は使っていない状態ですが、今後はそこもご利用いただくことで顧問先別にどれくらいの時間をかけたかを分析し、さらなる業務改善につなげていくこともできると考えています。
kintone社労士業務改善パッケージの導入で各社に沿った手続き管理を!
kintone社労士業務改善パッケージを導入し、現在の業務フローに沿った形でカスタマイズを実施することで手続きの一元管理に成功したneo社労士事務所さま。
パッケージ導入の結果、業務効率の向上や現状把握が容易にできるようになったため、今後もブラッシュアップを続けて業務効率をあげていきたいとのことでした。
現状のシステムでは顧問先からの手続き依頼の管理が難しくなってきている、事務所の規模が拡大してきており今のままの管理は厳しいとお考えの社労士様がいらっしゃいましたら、kintoneを活用してみるのはいかがでしょうか?
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