会計ソフトの乗り換えを検討すべきタイミングはいつ?準備・手順と注意点を解説
会計業務に不可欠な会計ソフトですが、何年も前から変わらず同じ製品を使い続けていると、機能面や効率面で不満を感じることがあります。
最近はクラウド型の会計ソフトも普及してきているため、インストール型からの乗り換えを検討している経理担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事では、会計ソフトの乗り換えを検討すべきタイミングや手順、乗り換える際の注意点について詳しく解説します。
この記事でわかること
- 会計ソフトの乗り換えを検討すべきタイミング
- 会計ソフトを乗り換える際の手順
- 会計ソフトを乗り換える際の注意点
こんな人におすすめの記事です
- 会計ソフトの乗り換えを検討している方
- 会計ソフトを乗り換える際の手順や注意点を知りたい方
目次
会計ソフトの乗り換えを検討すべきタイミング
会計ソフトを実際に乗り換えるのは決算の切り替わりの時期がベストですが、乗り換えを検討すべきタイミングは大きく以下の3つです。
業務効率を上げる新たな機能が必要になったとき
会計ソフトに新たな機能が必要になったときは、当然乗り換えを検討するタイミングです。
例えば、DX化に対応して他のソフトと連携したいときや自動入力で業務を効率化したいとき、税理士との情報共有を素早く行いたいとき、月次決算を早めて経営状況を見える化したいときなどが挙げられます。
クラウド型の会計ソフトなら、アカウントさえ付与すればどの端末からでも、同時に何人でも作業できるのがメリットです。
時間や場所を問わないためテレワークに対応できるのはもちろん、忙しい経営陣が外出先からデータを確認して状況を把握することも可能です。
他にも、インターネットバンキングやクレジットカードと連携して明細を取得し、自動で仕訳登録できるなど、これまで手動で行ってきたことを効率化できる機能が備わっています。
昔から変わらずインストール型の会計ソフトを使い続けてきた企業では、クラウド型の会計ソフトに乗り換えることで大幅な業務効率化が期待できるでしょう。
クラウド会計に乗り換えることでバックオフィスの業務全体がどれだけ効率化されるかについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼バックオフィス全体の効率アップを実現するクラウド会計活用術
法改正や会計基準の変更があるとき
法改正や会計基準の変更が行われる場合は、会計ソフトのアップデートが必要です。
税率など計算のもととなる数字が変わったり、書類の様式が変わったりするため、更新せずに使い続けるのはおすすめできません。
インストール型の会計ソフトでは、追加料金を支払って最新版のソフトを入手し、利用するパソコン1台ずつに自分で設定するという方法が主流です。
一方、クラウド型の会計ソフトではサービスの提供元がアップデートに対応してくれるため、追加の費用や設定作業の心配がありません。
こうした違いから、法改正などのタイミングでインストール型からクラウド型に乗り換える企業が増えています。
直近で言うと、電子帳簿保存法への対応がこれに当たります。
御社の会計ソフトは、電子取引のデータ保存要件を満たしているでしょうか?この機会に、一度確認してみてください。
※電子帳簿保存法についてはこちらのページで解説しています!
法人化や事業規模を変更するとき
個人事業主から法人化するときや、事業規模が変更になるときも会計ソフトの乗り換えを検討すべきタイミングになります。
特に個人事業主から法人化する場合は、従来の帳簿をそのまま使用することはできません。
個人事業主では「青色申告決算書」や「収支内訳書」を用いますが、法人では会社法に基づく「決算報告書」として「賃借対照表」や「損益計算書」「株主資本等変動計算書」などの帳票が必要になるためです。
したがって、個人事業主が法人成りする場合は会計システムの乗り換えどきと言えます。
この他、課税事業主となったときや事業規模が拡大して経理作業の効率化を図りたいときなども乗り換えを検討すべきと言えます。
会計ソフトを乗り換える際の手順4ステップ
会計ソフトを乗り換える際の大まかな手順を4ステップで解説します。
- 乗り換えの準備をする
- 古い会計ソフトからデータを出力する
- 新しい会計ソフトに入力する
- 正しく移行できたか確認する
導入する会計ソフトによって細かい手順は異なりますが、乗り換え作業の混乱を避けるためにも、あらかじめ全体の流れは把握しておきましょう。
1.乗り換えの準備をする
はじめに、乗り換えの準備として古い会計ソフトと新しい会計ソフトの両方が使える状態にします。
新しい会計ソフトは、会社情報の登録や補助科目の設定など初期設定が必要です。
新しい会計ソフトがクラウド型の場合は、銀行口座やカードとの連携設定もあらかじめ済ませておきましょう。
移行作業を始める前に、前期の残高試算表、当期の開始残高を確認するための賃借対照表なども手元に用意しておくとスムーズです。
2.古い会計ソフトからデータを出力する
次に、古い会計ソフトからデータを出力します。
決算のタイミングで会計ソフトを乗り換える場合は、全ての会計データを移行する必要はありません。
決算の残高や固定資産など限られた項目の移行のみで足りるため、作業が簡単に済ませられるのがメリットです。
3.新しい会計ソフトに入力する
古い会計ソフトのデータを、新しい会計ソフトに入力します。
ソフト同士の互換性がある場合は、操作手順に従ってインポートすればデータが一括で反映されます。
インポートできない場合は、仕訳や開始残高、固定資産などを手動で入力していきます。
何ヶ月分もの会計データを手で入力するのは非効率ですから、最小限の作業で済むように決算の切り替えのタイミングで乗り換えるのがベストです。
4.正しく移行できたか確認する
新しい会計ソフトへの入力が完了したら、最後に正しく移行できているかを確認します。
設定を間違えると毎月間違ったデータを基に残高が計算され続けることになり、気付きにくいので注意が必要です。
チェックの際は合計額だけを見て安心するのではなく、必ずどこかに不備があると思って、内訳も1件ずつ読み上げるなど慎重に確認しましょう。
会計ソフトを乗り換える際の注意点
会計ソフトを乗り換える際の注意点を解説します。
会計ソフトは、有名なもの・人気のものが必ずしも自社に適しているとは限らないため、乗り換えの目的や手間を事前に明確にしておくことがポイントです。
乗り換えの目的やメリットは明確か
会計ソフトを乗り換えるときは、その目的やメリットを明確にしておくことが大切です。
乗り換えの目的が業務の効率化なのか、より複雑な会計処理をすることなのか、それとも税理士との連携なのかなどによって、選択すべき会計ソフトが変わってきます。
また、いずれにしても乗り換え作業には費用や手間がかかりますから、それに見合ったメリットがあるかどうかも重要です。
目的やメリットが曖昧なままだと、手間をかけて乗り換えた結果使い勝手が悪くなった、という事態になりかねないので注意しましょう。
従来のソフトと互換性があるか・データ移行が簡単か
互換性の有無やデータ移行の方法は事前に確認しておくことが大切です。
メジャーな会計ソフトであれば、他社ソフトのデータをインポートできる場合が多いため、乗り換え時の作業を最小限に抑えられます。
手動でデータ入力をしたりするのはかなりの手間になるため、会計ソフト選定の段階からチェックしておきましょう。
公式のサポートがあるか
会計ソフトの乗り換え作業に慣れている人は少ないので、作業中は思わぬトラブルが発生するかもしれません。
また、無事にデータ移行ができても、新しいソフトの使い方で分からないことが出てくることもあります。
そのため、サポート体制が整った会計ソフトを選ぶと安心です。
最近は電話だけでなくチャットやメールで相談できるサービスも増えているので、会計ソフトを選定する際の参考にしてください。
会計ソフトの乗り換えならマネーフォワードクラウド会計がおすすめ
会計ソフトの乗り換えは、経理業務を効率化する必要が出てきたときや法改正への対応が必要になったときに検討し、決算のタイミングで実施するのが基本です。
新しい会計ソフトを選定する際には、目的やメリットを明確にし、互換性やサポート体制も確認したうえで決めるようにしましょう。
どの会計ソフトにしたら良いか迷っている方には、マネーフォワードクラウド会計がおすすめです。
同サービスなら「弥生」や「勘定奉行」「freee」など主要な会計ソフトはもちろんのこと、表計算ソフト「エクセル」からのデータ移行にも対応しています。
サポートサイトも充実しており、メールやチャットでの問い合わせができるため、不明点をすぐに解消でき安心です。
無料のお試し期間もありますので、実際に操作しながら検討してみてはいかがでしょうか。