建設業におすすめのクラウド会計ソフトは?導入するメリット・選び方を解説
建設業の会計業務は、プロジェクトが長期にわたることや特有の勘定科目を使うことなどから、とても複雑で処理が難しいのが特徴です。
その専門性の高さは「建設業経理士」という資格も存在するほどですが、必ずしも全ての企業に建設業会計のスペシャリストが在籍するわけではありません。
そんなときに頼りになるのが、クラウド会計ソフトです。
クラウド会計ソフトを導入すると、会計初心者でも正確かつ迅速に会計処理ができます。
この記事では、建設業でクラウド会計ソフトを導入するメリットや選び方、おすすめのソフトについて詳しく解説します。
この記事でわかること
- 建設業でクラウド会計ソフトを導入するメリット
- クラウド会計ソフトを選ぶ際のポイント
こんな人におすすめの記事です
- 建設業でクラウド会計ソフトの導入を検討している方
- クラウド会計ソフトの選び方を知りたい方
目次
建設業の会計の特徴
建設業の会計業務には、工業簿記をベースとした「建設業会計」という独自の会計基準が採用されています。
建設業が他の業種と異なる点は、次の通りです。
- 着工から完成までが長期にわたることがある
- 現場ごとに収支や原価を管理しなければならない
- 特殊な勘定科目を使う
最大の特徴は、着工から完成までが長期にわたるという点です。
一般的な企業では、製品を作ったり売ったりするサイクルが数ヶ月以内に完結します。
しかし、建設業ではトンネルを掘ったり大きなビルを建てたりと、工事によっては完成までに何年もかかることが珍しくありません。
そのため、売上と原価を対応させる処理が複雑になるのが特徴です。
また、ほとんどの企業が同時に複数の工事を抱えているため、現場ごとに収支や原価を管理する必要があります。
さらに、会計処理では建設業に特有の勘定科目を使うのも特徴です。
例えば、一般企業で言う「売上高」のことを「完成工事高」、「売掛金」のことを「完成工事未収入金」と表します。
以上のような特徴から、建設業界には「建設業経理士」という専門の資格が存在するほど、会計業務が複雑なものとなっています。
建設業でクラウド会計ソフトを導入する4つのメリット
複雑な特徴をもつ建設業の会計ですが、正しく処理するためにはクラウド会計ソフトの導入がおすすめです。
クラウド会計ソフトとは、インターネットを通じて利用する会計ソフトのことを言います。
従来の会計ソフトがパソコン1台ずつにインストールして利用していたのに対し、クラウド会計ソフトはインターネット環境さえあれば、いつでも・どこでも利用できるのが特徴です。
クラウド会計ソフトについては、こちらの記事でさらに詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▼クラウド型会計ソフトとは?従来のソフトとの違い・導入方法を解説
クラウド会計ソフトを導入すると、次のようなメリットがあります。
- 工事別の仕訳や原価管理ができる
- 銀行や決済サービスと連携できる
- 経営レポートがリアルタイムで確認できる
- 税理士とのやりとりがスムーズになる
それぞれについて詳しく見てみましょう。
工事別の仕訳や原価管理ができる
クラウド会計ソフトには自動仕訳の機能があるため、簿記の知識が浅い人でも簡単に処理できるのがメリットです。
建設業に特化して開発された会計ソフトの中には、工事別に仕訳や原価管理ができるものもあります。
「マネーフォワードクラウド会計」のようなメジャーな会計ソフトでも、工事名でタグ付けするなどの工夫をすれば、CSVデータで抽出して工事別の集計が可能です。
原価管理は会計ソフトとは切り離して実施するのであれば、その部分はkintoneで行うのもおすすめです。
kintoneで行う原価管理については、こちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼原価管理をkintone化!脱エクセルでリアルタイム自動集計|建設業 株式会社泰成さまのアプリ開発事例
銀行や決済サービスと連携できる
クラウド会計ソフトは、銀行や決済サービスと連携して明細データを自動取得できます。
そのため、わざわざ銀行に出向いて通帳に記帳したり、入出金データを1件ずつ手で入力したりする必要がありません。
大幅な時間短縮になるとともに、手作業による入力ミスも防げるのがメリットです。
経営レポートがリアルタイムで確認できる
クラウド会計ソフトは、インターネット環境さえあればいつでも・どこでも確認できるのがメリットです。
例えば、出張先からスマホやタブレットでアクセスしたり、会議中に必要になった数字をその場で確認したりすることもできます。
収益やキャッシュフローなどは日々の仕訳データをもとに自動集計されるため、会議前に残業して資料を作る必要もありません。
これにより、迅速な経営判断が可能になります。
税理士とのやりとりがスムーズになる
クラウド会計ソフトでは、データがクラウド上に自動保存されるため、アカウントさえ付与すれば顧問税理士もログインできるようになります。
顧問税理士が対応しているソフトを選べば、USBや紙の資料でやりとりをしなくても、オンライン上で同じ資料を見ながら打ち合わせができるのがメリットです。
建設業でクラウド会計ソフトを選ぶ際の3つのポイント
便利なクラウド会計ソフトですが、たくさんの種類があるのでどれを選べば良いのか迷ってしまうかもしれません。
そんなときは、次の3つのポイントに注目して比較しましょう。
建設業に特有の勘定科目に対応しているか
建設業の会計では、以下のような独自の勘定科目を使用します。
導入するソフトが、これらの勘定科目に対応できるかどうかの確認が必要です。
勘定科目 | 内容(商業・工業簿記) |
完成工事高 | 売上高 |
完成工事原価 | 売上原価 |
未成工事支出金 | 仕掛品 |
完成工事未収入金 | 売掛金 |
未成工事受入金 | 前受金 |
工事未払金 | 買掛金 |
ただし、導入時には設定されていなくても、勘定科目や補助科目の追加・削除が自分で簡単に設定できるソフトであれば問題ありません。
他のシステムと連携できるか
クラウド会計ソフトを選ぶ際は、他のシステムと連携できるかどうかの確認も必要です。
みなさんの企業でも、すでに会計以外のさまざまなシステムを導入しているかと思います。
例えば、業務管理システム・請求書発行システム・給与管理システムなどです。
仮に、請求書発行システムと会計システムを連携すれば、入出金予定の仕訳が自動で作成できますし、給与管理システムと連携すれば、部門単位で給与仕訳が自動で作成できるなどのメリットがあります。
必ずしも全てのシステムと連携させる必要はありませんが、連携したいもの・しなくて良いものを整理することも、ソフト選びのポイントになります。
使いやすさやサポート体制に問題がないか
クラウド会計ソフトを選ぶ際は、使いやすさやサポート体制も重要です。
使いやすさについては、建設業に特化した専門的なソフトなら完璧かというと、そうとも限りません。
会計担当者の簿記レベルによっては、専門的過ぎるソフトは使いこなせない可能性があります。
逆に、他の業種でも広く使われているメジャーなソフトの方が、会計初心者でも直感的に操作できるよう設計されていることが多いです。
また、ソフトの導入時には操作方法や設定について不明点が出てくることが予想されます。
そのため、サポート体制が充実しているかどうかの確認も大切です。
サポート窓口の受付時間や、電話・メール・チャットなどの問い合わせ方法も確認しておきましょう。
建設業のクラウド会計ソフトなら「マネーフォワードクラウド会計」がおすすめ
建設業の複雑な会計業務を正確に処理するためには、クラウド会計ソフトが強い味方になります。
クラウド会計ソフトを導入すると、銀行や決済データが自動で連携できたり、経営レポートがリアルタイムで確認できたりして、大幅な業務効率化が可能です。
ソフトを選ぶ際は、対応している勘定科目や他のソフトとの互換性、サポート体制などをチェックしましょう。
どの会計ソフトにすべきか決めかねるという方には、マネーフォワードクラウド会計がおすすめです。
マネーフォワードクラウド会計なら、銀行はもちろんのこと、クレジットカードや電子マネーなど2,400以上の金融機関と連携できます。
また、サポートサイトも充実しており、相談窓口はAIチャットが24時間体制(別途有人チャットありという点も安心です。
無料のお試し期間も1ヶ月あるため、実際に画面を見て操作しながら検討できます。
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