kintoneの『テーブルコピー』を条件分岐処理プラグインでスマホ対応化|株式会社松村製作所さまのアプリ開発事例
kintoneを活用する中で、アプリ同士を連携させてデータを自動でコピー・集計することでより効率よく業務ができるようにするプラグインを使う場面が多々あります。
しかし、それらのプラグインはまだまだスマホに対応していないケースも多いのが現状です。
皆さんの中にも、「外出先でスマホからkintoneを操作しようと思ったら、プラグインが動かずいつものように登録・編集できなかった」という経験をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、テーブルコピーをするためのプラグインを変更して、スマホで使える環境を実現した株式会社松村製作所さまの事例を紹介します。
本記事でご紹介しているプラグインの設定内容は、こちらの動画でもご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
目次
お弁当の注文がパソコンからしかできない…スマホからも操作できるようにしたい!
株式会社松村製作所さまは、東京都昭島市に本社を構える板金加工業者さまです。
踏切で使われる警報灯や駅の行先案内表示板などを製造されており、鉄道インフラを60年以上にわたり支えていらっしゃいます。
株式会社松村製作所さまでは福利厚生として食事補助があり、お弁当を希望する人は会社でまとめて注文してもらえます。
注文の集計にはkintone(キントーン)の「弁当注文アプリ」を活用されており、従業員がそれぞれ日付とメニューの一覧表に希望を入力して送信する仕組みです。
個人が送信した注文情報は「弁当注文確認アプリ」に反映されます。
こちらのアプリにはカレンダー形式で従業員から注文された弁当が表示されるので、担当者はこのアプリを見てお弁当屋さんに発注することができます。
個人が入力した「弁当注文アプリ」のデータを「弁当注文確認アプリ」にコピーする工程では、「テーブルデータコピープラグイン」が使われることが多くなっています。
このプラグインは、テーブルデータをレコードに変換して、別のアプリにコピーするもので、弁当注文アプリに登録した後、コピーボタンを押すことで弁当注文確認アプリにテーブルの一行一行のデータが別々に弁当注文アプリへと登録される仕組みです。
ただ、テーブルコピープラグインには1つ弱点があり、スマホ版のkintoneでは動作しません。
株式会社松村製作所さまの場合、スマホで「弁当注文アプリ」に入力しても、「弁当注文確認アプリ」に反映するためのボタンが表示されませんでした。
これでは、毎回わざわざ事務所のパソコンを開かなければお弁当注文を完了できません。
そこで今回は、スマホ版のkintoneからもテーブルデータをコピーできるようアプリを改善して、外出先でもお弁当を注文できる仕組みを整えることにしました。
実はテーブルコピーもできる!条件分岐処理プラグインとは
今回、スマホで使えない「テーブルコピープラグイン」の代わりに使ったのが「条件分岐処理プラグイン」です。
条件分岐処理プラグインは、あらかじめ指定した条件を満たす場合に、自動で入力したり、エラーチェックをしたりできるプラグインです。
WEBで無料公開されているため、ダウンロードすればすぐに使えます。
よく使われるのは、次のような場面です。
- 生年月日を入力したら、年齢を自動計算する
- 空欄の項目があったら、入力漏れのエラー表示をする
- 見積もりが受注になったら案件管理アプリに見積内容を自動的にコピーする
「この場合はこう処理する」という条件さえ設定すれば、自動でさまざまな業務をアシストしてくれます。
テーブルデータには対応していないと思われがちですが、今回のアプリ開発で試したところ、実はテーブルデータもコピーできることが分かりました。
条件分岐処理プラグインの詳しい機能についてはこちらの記事でも紹介していますので、あわせてご覧ください。
▼入力効率大幅アップ!kintone条件分岐処理プラグインの使い方徹底解説!
条件分岐処理プラグインを使ったテーブルコピーの設定方法
ここでは、条件分岐処理プラグインを使ったテーブルコピーの設定方法を紹介します。
条件分岐処理プラグインの設定画面にある「動作パターン」の「自動アプリ間更新」で、次の2つの設定をおこないます。
1つめは、更新するレコードの条件です。
「注文日+氏名」と「更新キー」で重複チェックができるよう設定します。
今回扱う情報はお弁当の注文なので、同じ日に同じ人が複数のお弁当を注文することは想定していません。
もし、「注文日+氏名」が重複するデータがあった場合は、上書きして更新する仕組みになっています。
扱う情報によっては、更新キーをより細かく設定した方が良いケースもあるため、その場合は絶対に被りのないレコード番号を使うのがおすすめです。
2つめに設定するのは、更新するフィールドについてです。
今回のアプリ開発では、注文者名や金額、種類、更新キーなど、計7項目を選択しました。
最後に「更新先に存在しないデータは自動追加する」という項目にチェックを入れておくのがポイントです。
これで、「弁当注文アプリ」のテーブルデータが、「弁当注文確認アプリ」に自動で反映されるようになりました。
条件分岐処理プラグインを使うと、他にも自動計算やエラーチェック、書式変更など便利な機能が活用できます。
それぞれの詳しい設定方法については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▼入力効率大幅アップ!kintone条件分岐処理プラグインの使い方徹底解説!
条件分岐処理プラグインを活用するメリット
弁当注文アプリのプラグインを「テーブルデータコピープラグイン」から「条件分岐処理プラグイン」に置き換えたことで、お弁当の注文がスマホからもできるようになりました。
これまでは、「条件分岐処理プラグイン」をテーブルデータに使うイメージがあまり無かったのですが、今回のアプリ開発で対応できることが分かったのは大きな収穫です。
条件分岐処理プラグインを使えば、「弁当注文アプリ」に保存するだけで自動的に「弁当注文確認アプリ」に反映されるため、ボタンの押し忘れも防げます。
ただし、仮で保存したい場合でも自動でコピーされてしまうため、「管理者が一度確認してから一括で反映したい」といったケースには対応ができません。
コピーするタイミングを自分で決めたい場合には、反映のタイミングに関する条件を1つ追加するか、もしくは従来の「テーブルデータコピープラグイン」を使うといった対応が必要です。
スマホに対応したプラグインで、kintoneをフル活用しよう!
株式会社松村製作所さまでは、スマホに対応したプラグインを活用することで、外出先からもお弁当の注文ができる環境が整いました。
今回のお弁当注文というテーマは、企業の本質的な業務には関係ないかもしれませんが、スマホでのkintone活用が進んだという点に、大きな意義があります。
スマホに対応したプラグインを活用すれば、外出先でもスキマ時間を活用して業務が進められるようになるからです。
例えばスケジュール管理やタスク管理、申請承認などは、移動中や手待ち時間の数分で片づけられます。
こうした小さな時間の積み重ねが、業務効率化や残業削減にもつながります。
kintone活用では、業務の目的や利用シーンに応じて、適したプラグインを選択することが大切です。
「このアプリがスマホで使えたらいいのに……」と思ったことがある方は、ぜひプラグインの使い方も見直してみてください。
株式会社コムデックでは、お客様のご要望をお聞きして、その場でkintoneアプリを構築する対面開発を行っております。
今回のような「kintoneをスマホでも使いたい」という課題の他に、次のようなお悩みも解決できるサービスです。
- 自社の業務を解決するのに、どんなアプリを作れば良いのか分からない
- IT部門の人材が不足して、アプリ構築に手が回らない
- kintoneを導入したけどメンテナンスできる人がいない
お客さまのご要望を聞きながら、その場でどんどん構築・改善できるので、すぐに使えることがメリットです。
kintone活用にお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。
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