kintoneで原価集計を自動化!脱エクセルで原価管理にかかる時間が3分の1に|建設業 協成工業株式会社さまのkintone活用事例
建設業ではエクセルを利用して原価管理をおこなっている企業さまが多く、「全て手入力しなくてはならない」「資料が出揃ってからその月の原価が確定するまで時間がかかる」「工事ごとに細かく分類が必要で煩雑」といった課題を抱えているケースが少なくありません。
kintoneを導入すれば、これらのお悩みを解決して時間をかけずスムーズに原価管理ができるようになります。
ゼロからアプリを開発するのではなく、建設業に特化した「kintone建設業業務改善パッケージ」を導入すればさらにスピーディに原価管理をkintone化することが可能です。
この記事では、kintoneの導入により原価表が自動集計され、請求書の確認作業も3分の1に減らすことに成功した協成工業株式会社さまの事例をご紹介します!
目次
エクセル原価管理にかかる膨大な時間を削減したい
科目ごと細かく入力していく必要がある建設業の原価管理では、次のような課題を抱えていることが少なくありません。
建設業の原価管理における課題
- 現場ごとの予算の消化状況をリアルタイムで把握できない
- 現場監督と経理で見たい項目や数字が異なるため、工事台帳を複数作る必要がある
- 過去の原価管理が正確にできておらず、新規の見積り精度が低い
- 情報が複数のエクセルに分散しており、転記や集計に時間がかかる
- 各現場の日報等、資料が揃うまで時間がかかり、請求書が正しいかを確認するまで時間がかかる
特に、建設業では現場ごとに原価管理を行う必要があり、資材等はもちろんのこと従業員の労働時間についても原価として計上する必要があります。
岡山県を中心に建設業を展開する協成工業株式会社さまも、エクセルでの原価管理に大きな課題を抱えていました。
先ほど挙げた課題の中でも、協成工業株式会社さまが特に改善したいと考えていたのは以下の二点です。
- 複数のエクセルで原価管理を行っていたため、情報が散逸し集計作業や転記に時間がかかる
- 協力会社から送付される労務費の請求書が正しいか否かを確認するための資料が整っておらず、突合せ作業に時間がかかる
実際に、協成工業株式会社さまが原価管理のために利用していた資料の一部がこちらです。
複数の資料にデータがまたがっており、これらを集約するのに膨大な時間がかかっている状態でした。
これらの課題を解決し、原価管理にかかる時間を削減するためには、散逸している情報を集約・連携し、二重三重に原価を入力する手間を無くす必要があります。
加えて、原価となる情報が正しいかどうかをチェックする仕組みも必要です。
自動的に原価情報を集計するために、協成工業株式会社さまが導入したのはkintoneの建設業業務改善パッケージでした。
kintone建設業業務改善パッケージで原価情報の自動集計が可能に
kintoneの建設業業務改善パッケージは、建設業のエクセルのよる原価管理で抱えがちな課題を解決するために必要ないくつかのkintoneアプリをあらかじめセットにしたものです。
kintoneは自社の業務に合わせてマウス操作だけでアプリを作ることができる業務改善プラットフォームですが、ゼロから構築していくのには時間も手間もかかります。
そこで、「建設業の業務で必要となるkintoneアプリ」をあらかじめまとめて、一気に導入できるようにしたのが建設業業務改善パッケージとなっています。
建設業業務改善パッケージの機能の内、原価管理に関わる部分を簡単にご紹介します!
出面管理(日報)機能
- 現場社員や外注社員の日ごとの労働時間を記録する機能
- 現場に入退場する際、スマホのボタン一つで時間を一括入力することができる
- 登録された情報は「労務費」として原価計上される
経費管理機能
- 外注費燃料費・旅費交通費・弁当代・宿泊費等、各経費科目ごとに経費を登録できる機能「会計用仕訳科目」と「現場用仕訳科目」を入力できるため、一つの費用に対
- して「現場監督が知りたい集計」と「経理が会計処理上知りたい集計」を行うことができる
支払通知書管理機能
- 外注費を元に、下請け先への支払額を算出する機能
- 弁当代や燃料費等の立替金と相殺することができる
工事台帳機能
- 各工事の経費や日報を集計し、リアルタイムな原価管理を実現できる機能
- 全体の金額、現場別の金額、特定の期間での金額等、知りたい情報に瞬時にアクセス可能
- 現場用の工事台帳と経理用の工事台帳をワンクリックで切り替えできる
建設業業務改善パッケージについて、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください!
▼建設業でよくある課題をkintoneで解決!建設業業務改善パッケージ
豊富な機能が揃っている建設業業務改善パッケージですが、パッケージを導入しただけで魔法のようにエクセルからkintoneに原価管理を置き換えできるわけではありません。
協成工業株式会社さまでは、建設業業務改善パッケージを導入した後、自社に合わせてカスタマイズすることにより、原価表の自動集計と、外注先の日報に基づいた請求情報と突合できるデータの自動作成に成功しました。
kintone建設業業務改善パッケージを自社に合わせてカスタマイズするときのポイントとは?
建設業業務改善パッケージを導入し、まずは既に終了した工事のデータをテストとして登録いただくことで使用感や集計の仕組みをご確認いただきました。
その上で、カスタマイズしたいポイントを修正→また使ってみて修正……というサイクルを繰り返し、従来の仕組みとの並行運用期間も設けながら徐々にエクセルでの集計からkintoneでの集計へ切り替えていきました。
協成工業様が元々のkintone建設業業務改善パッケージをカスタマイズしたポイントは、大きく以下の3つです。
- 日報のカスタマイズ
- 請求情報集計のカスタマイズ
- 原価集計表のカスタマイズ
協成工業株式会社さまでは、もともと「自社社員の日報」と「協力会社社員の日報(現場監督が作成)」を分けて管理していました。
建設業業務改善パッケージでは、協成工業株式会社さまにおける「協力会社の日報」に相当する一種類の日報しかなかったため、まずは自社社員向けの日報アプリを作成!
一日に複数現場に行く場合や、夜勤を行うケースにも対応できるようにプラグインを駆使してカスタマイズを実施しています。
入力のしやすさと原価管理の自動化を両立した社員日報のカスタマイズ事例はこちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼kintoneの勤怠管理で社員日報集計にかかる工数を大幅削減 | 建設業 協成工業株式会社さまのアプリ開発事例
建設業業務改善パッケージに元から含まれていた日報アプリは「協力会社日報」としてリニューアルし、なるべく手間なく入力いただけるような仕様にしています。
工数・残業・お弁当代の自動集計を実現した協力会社日報については、こちらの記事で詳しくご紹介しています!
▼kintoneで協力会社の日報を一括管理して二重チェックの手間を削減|建設業 協成工業株式会社さまのアプリ開発事例
登録されたデータは毎日自動集計され、支払先別・現場別に振り分けて別アプリに登録されます。
協力会社から届く請求書と突合しやすいだけではなく、人別・協力会社別の前日時点での工数や残業時間をすぐに把握可能です。
それまでは届いた請求書と日報の内容が合致しているかを確認するために膨大な時間がかかっていましたが、kintoneでその時間も削減することができました。
協力会社日報を自動集計して支払先別・現場別に振り分けて別アプリに登録することで、届く請求書と突合しやすい状態を実現しています。
請求書を確認するためのデータを自動作成した事例はこちら!
▼日報の数字を元にkintone上で請求書との照合データを自動作成し大幅な時短に成功| 建設業 協成工業株式会社さまのアプリ開発事例
これらのカスタマイズの結果、以前までは複数のエクセル資料を作成し、ひとつひとつ確認しなければならなかった原価表が、全て自動集計されタブの切り替えによって確認できる状態になりました。
また、「現時点で登録されているものすべてを集計した暫定の原価表」と「確認が完了し、金額確定済みのデータだけを集計した原価表」をそれぞれ確認できるようになっています。
原価管理表を見やすく・絞り込みやすくカスタマイズした事例はこちらの記事をご覧ください!
▼エクセルを使用した複雑な原価管理をkintoneで自動化、ダッシュボードで見える化まで実現 | 建設業 協成工業株式会社さまのkintone活用事例
原価表の自動集計を実現し確認作業にかかる時間も3分の1に
協成工業株式会社さまでは原価表の自動集計と日報からの請求書の自動作成に成功し、協力会社からの請求書の確認作業に要する時間も3分の1にまで短縮できました。
以前は手書きの日報から個々の集計表を作成して計算していた労務費も、毎日の日報を登録いただくだけで自動的に集計できるように。
個人の日報は登録後に各現場監督に確認してもらう必要がありますが、日報の確認(承認)もkintoneのプロセス管理機能と編集権限機能を使ってオンライン化することで大幅に時間を短縮することができました。
協成工業株式会社さまが業務効率化の取り組みをスタートしてから、集計の仕組みを構築するまでには半年ほどの時間がかかりました。
結果が出るまでに時間を要した理由は、建設業業務改善パッケージをそのまま導入しても、協成工業株式会社さまの希望に沿う形とはならなかったためです。
理想とする原価管理の方法は、企業によって異なります。
業務改善パッケージは建設業界で広く活用されることを想定したアプリパックのため、個々の企業にとってベストな仕組みになっているとは限りません。
協成工業株式会社さまの事例では、建設業業務改善パッケージをベースとしながらも、協成工業株式会社さまの業務に合わせた原価表の自動集計システムを確立するまでにかなりのカスタマイズが必要でした。
協成工業株式会社さまでは、今もさらなる原価管理の効率化に挑戦しています。
今後はより素早く・正確に原価を管理して素早い経営判断を行えるように、細かな調整を継続していくということです。
kintoneの活用により、原価管理の効率化を実現しよう!
kintoneの建設業業務改善パッケージの導入と、カスタマイズにより原価管理の効率化に成功した協成工業株式会社さま。
今までエクセル管理にかかっていた時間が大幅に短縮されるだけでなく、入力ミスも軽減されました。
kintoneは、パッケージの導入や外部システムとの連携、カスタマイズによって、理想の形での運用が可能です。
建設業界で原価管理にお困りの企業さまは、是非kintoneの導入をご検討ください。
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