働き方改革に対応した勤怠管理の方法とは?労働基準法改正による影響を解説
近年、働き方改革による労働基準法などの法改正が進められています。
企業としては、法改正の内容を理解し、勤怠管理の方法も法改正に対応したものに変更しなくてはなりません。
今回の記事では、働き方改革による法改正の内容と、それに対応した勤怠管理の方法を解説します。
働き方改革に対応した勤怠管理システムも紹介しますので、法律を遵守した勤怠管理を行うにはどうすれば良いのかお悩みの勤怠担当者の方は是非最後までご覧ください!
「勤怠管理とは何なのか」「何を管理すべきなのか」についてはこちら!
▼勤怠管理とは?効率的な方法とクラウド勤怠管理システムの選び方
この記事でわかること
- 働き方改革に伴う法改正の内容
- 働き方改革に対応した勤怠管理の方法
- 働き方改革に対応した勤怠管理システム
こんな人に向いている記事です
- 働き方改革に対応した勤怠管理を行いたい方
- 働き方改革に対応するため勤怠管理システムの導入を検討している方
目次
働き方改革の目的・企業の課題
実際に働き方改革が勤怠管理にどのような影響を与えるのかを理解するためには、前提として、働き方改革の目的を押さえておく必要があります。
ここでは、働き方改革の目的と、それに対応するため企業に課された課題について解説します。
働き方改革の目的
働き方改革の目的は、多様な働き方を選択できる社会を実現し、労働人口の減少を防ぐことにあります。
現在、日本では少子高齢化による労働人口の減少が問題視されています。
労働人口、すなわち社会に出て働いてる人数の減少は日本の生産力、国力の低下に直結するため、労働人口の減少への対策は日本における重大な課題となっているのです。
労働人口の減少に対応するためには、労働人口を確保することはもちろんですが、それだけでは賄いきれません。
では何が必要なのかと言うと、少ない人数、少ない労働時間でも成果(売上)を出せるようにすることです。
この二つを実現するため、働き方改革で多様な働き方を許容し、個々の労働者の生産性向上を図っているのです。
働き方改革における企業の課題
働き方改革の実現に向けて、企業に与えられた課題は大きく分けて次の3点です。
- 長時間労働を是正すること
- 正規雇用・非正規雇用の格差を是正すること
- 多様な働き方に対応した労働環境を整備すること
長時間労働は、長期的な視点では労働者の健康を害するなど生産性の低下を招くものです。
多様な働き方を認めるというニーズに応えるためにも、長時間労働は是正される必要があります。
現在の日本では、非正規雇用の労働者が多く、またそれらの非正規雇用労働者と正規雇用労働者との格差が大きくなっています。
労働人口の増加を目指すうえでの妨げとなっている格差を是正し、非正規雇用でも働く意欲を持つ人を増やすことが企業に課された課題の1つです。
また、「子育てや介護と仕事を両立させたい」「テレワークで場所に捉われずに働きたい」といった多様な働き方のニーズに対応することも、労働人口の確保、生産性の向上に繋がります。
これらの目的のため、企業には企業には多様な働き方に対応した労働環境を整備することが求められているのです。
テレワークにおける勤怠管理の方法とポイントについてはこちら!
▼テレワークでの勤怠管理はどうする?3つの課題と解決方法を解説
勤怠管理に影響を与える法改正
働き方改革では、労働基準法など多くの法律で改正が行われています。
改正法の内容は、これまで企業が行ってきた勤怠管理の方法に影響を与えるものも多くなっているため注意が必要です。
ここでは、勤怠管理に影響を与える法改正の内容を紹介します。
勤怠管理にかかわる法律についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
▼勤怠管理における法律・労働基準法改正の重要なポイント【2022年版】
年次有給休暇取得の義務化
年間で10日以上の有給休暇が付与される労働者については、年に5日以上の有給休暇を取得させることが義務化されました。
日本では、有給休暇が付与されても周囲を気にしてなかなか休みにくかったり、何かあった時のために取っておきたがったりといった風潮があり、有給休暇の取得率が低いという問題がありました。
その文化を是正し、従業員に適切な休みが与えられるようにすることが目的です。
残業時間の罰則付き上限規制
労働基準法32条では、1週間につき40時間、1日につき8時間が労働時間の上限とされています(法定労働時間)。
ただし、会社が労働組合等との間で労働基準法36条に基づく協定を締結すれば、月に45時間まで、年間で360時間までの法定時間外労働が認められます。
これを「36協定」と呼びます。
そして、繁忙期など月に45時間の時間外労働では対応できない場合、これまでは特別条項付き36協定を締結することで上限なく時間外労働が認められていました。
しかし、時間外労働の上限がないと、労働者の健康被害のリスクが高まり、生産性の低下を招くことになります。
そのため、働き方改革による法改正で、特別条項付き36協定を締結する場合であっても、時間外労働に上限規制が設けられました。
具体的には、月に100時間、年間で720時間を超える時間外労働や、2〜6か月の平均が80時間を超える時間外労働は認められず、違反した場合には罰則が科されます。
フレックスタイム制の清算期間の延長
フレックスタイム制では、清算期間のうちに所定労働時間の労働を行えば、始業時間や就業時間を自由に設定することができます。
これまで、フレックスタイム制の清算期間は1か月以内とされていましたが、改正により清算期間を3か月まで延長することも可能となりました。
この改正によって、労働者は3か月の期間内で労働時間を調整することが可能となり、より柔軟な働き方が可能となります。
高度プロフェッショナル制度の導入
高度プロフェッショナル制度は、働き方改革で新たに導入された制度です。
年収が1,075万円以上の専門職の従業員を、労働基準法における労働時間の規制や割増賃金の支払規定の対象外とすることができます。
高度プロフェッショナル制度は本人の同意の下に導入が認められるもので、選択すると規制に縛られない自由で柔軟な働き方が可能となります。
客観的な労働時間の把握義務
労働安全衛生法により、全ての従業員の労働時間を客観的に把握することが義務化されました。
管理監督者や高度プロフェッショナル制度を利用した労働者であっても、従業員である以上は、労働時間を把握しなくてはなりません。
労働時間を客観的な方法で把握することにより、長時間労働を是正し、健康障害を防止するという目的があります。
働き方改革に対応した勤怠管理の方法
勤怠管理に影響を与える法改正を紹介しましたが、ここでは、法改正に対応した勤怠管理を行う方法を解説します。
勤務時間を正確に客観的な記録で把握する
残業時間の上限規制や労働時間の把握義務に対応するため、勤務時間を今まで以上に正確に把握する必要があります。
手書きなどの記録ではなく、タイムカードや勤怠管理システムなどの客観的な記録で、分単位まで勤務時間を把握するようにしましょう。
勤務時間を正確に把握できなければ、残業代の未払いで多額の支払いを命じられたり、上限規制の違反により罰則を科されたりする可能性があります。
有給休暇の取得状況を管理する
これまでの勤怠管理では、有給休暇の付与日数と取得日数の管理は必要でしたが、従業員が実際に有給休暇を取得しているかまでは管理する必要がありませんでした。
しかし、有給休暇の取得が義務化されたため、今後の勤怠管理では従業員が実際に年間5日以上の有給休暇を取得しているかを把握しなければなりません。
一定期間の平均労働時間を管理する
フレックスタイム制の清算期間の延長や残業時間の上限規制により、月々の勤務時間のみならず、月をまたいだ一定期間の平均労働時間を管理することが必要になりました。
なお、フレックスタイム制で清算期間を3か月に延長した場合でも、ひと月の労働時間が週50時間以上とならないようにする必要があります。
管理監督者などの勤務時間も管理する
管理監督者に対しては残業代などの支払いは発生しないため、これまでは管理監督者の勤務時間を管理していなかった企業もありました。
しかし、従業員の勤務時間を把握することが義務化されたため、管理監督者や新たに導入された高度プロフェッショナルの労働時間も正確に管理する必要があります。
管理監督者の勤怠管理に関しては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
▼管理監督者の勤怠管理が義務化!管理職の勤怠管理方法と注意点を解説
フレックスタイム制などにおける勤務時間も管理する
働き方改革のもとでは、多様な働き方に対応した勤怠管理が求められます。
フレックスタイム制など、勤務時間が従業員ごとに異なる場合でも、それぞれの勤務時間を正確に管理する必要があります。
働き方改革に対応するには勤怠管理システムがおすすめ
働き方改革に対応した勤怠管理を行うためには、勤務時間を正確かつ客観的に把握するだけでなく、月をまたいだ平均労働時間の管理も必要です。
タイムカードや出勤簿など従来の勤怠管理の方法では管理に労力がかかり、作業ミスも起きやすいでしょう。
そのため、働き方改革に対応した勤怠管理を行うためには、勤怠管理システムの導入をおすすめします。
KING OF TIME(キングオブタイム)は、働き方改革に対応しており、今後の法改正にもアップデートで対応可能です。
業界シェアNo.1で業種を問わず導入されており、様々な働き方に対応できるため、おすすめの勤怠管理システムとなっています。
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勤怠管理システムを導入して働き方改革に対応した勤怠管理を行おう!
働き方改革における法改正のうち、勤怠管理にかかわる改正を中心に解説しました。
働き方改革によって、勤怠管理はこれまで以上に正確かつ効率的に行うことが求められています。
法改正の内容を正確に理解するのはもちろんのこと、法令を遵守した勤怠管理を行うためには、勤怠管理システムを導入して正確かつ効率的に勤怠管理業務を行いましょう。
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