タイムカード打刻にはルール設定が重要!不正打刻・誤りを防止する方法
紙のタイムカードで労働時間を管理している企業は多くありますが、単にタイムカードの打刻機を設置するだけでは不正打刻や打刻ミスの懸念もあり、労働時間を適切に管理することは至難の業です。
加えて、打刻だけでは遅刻や早退、残業時間はわからないため、手で書き込んだり、集計を行ったりする必要があります。
タイムカード打刻で労働時間を適切に管理するには、ある程度社内のルール設定をしなくてはなりません。
そして、そのルールは当然労働基準法等の法律に準拠したものである必要があります。
この記事では、なぜタイムカード打刻にはルール設定が必要なのかを説明したうえで、ルールの具体例やタイムカード打刻の問題点などを解説します。
タイムカードによる勤怠管理に課題を感じている担当者の方はぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- タイムカード打刻を導入する場合の注意点
- タイムカード打刻のルール設定の方法
こんな人におすすめの記事です
- タイムカード打刻のルール設定の方法を知りたい方
- タイムカードから勤怠管理システムへの切り替えを検討している方
目次
タイムカード打刻による勤怠管理にルールが必要な理由
企業がタイムカードによる打刻を導入する目的は、従業員の労働時間を客観的かつ正確に把握するためです。
従業員の労働時間を客観的かつ正確に把握することは、働き方改革による労働安全衛生法の改正によって、企業に課された義務となっています。
この目的を達成するためには、各従業員が自身の判断で打刻のタイミングを決めるのではなく、企業として、打刻のタイミング・ルールを明確に定める必要があります。
例えば、従業員ごとに「会社に来てすぐ打刻を行っている」「会社に来て着替えてから打刻を行っている」がバラバラでは、記録上は労働時間に差が出てしまいます。
なお、この例の場合には「会社に来てすぐ打刻を行う」が正しい運用となります。
このように、ルールが曖昧な状態で打刻の記録を集計しても、客観的で正確な労働時間を把握できているとは言えません。
企業がタイムカード打刻により従業員の労働時間を客観的かつ正確に把握するためには、打刻のタイミング、打刻できない場合の対処方法など、明確なルールが必要なのです。
タイムカード打刻ルールの具体例
ここでは、タイムカード打刻で従業員の労働時間を客観的かつ正確に把握するための具体的なルールを紹介します。
自社におけるルール設定の参考としてご利用ください。
出勤時、休憩時、退勤時の打刻ルールを明確に
タイムカードの打刻は、出勤時と退勤時に行うのが基本です。
打刻のタイミングとしては、出勤したらすぐに、業務が終わり次第すぐに打刻するというルールを明確に定めてください。
必ずしも必要ではありませんが、休憩時間も含めて労働時間を正確に把握するためには、休憩時間の打刻もルール化するのが望ましいと言えます。
休憩時間を打刻することは、休憩が長すぎる従業員を戒めるだけでなく、休憩をしっかり取れていない従業員をフォローするのにも役立ちます。
最低限、法律で定められた休憩時間(6時間を超える労働時間の場合に45分以上、8時間を超える労働時間の場合に1時間以上)を取得できるように業務負荷を分散する等の工夫をしましょう。
打刻のタイミングを明確に
タイムカード打刻は、従業員の労働時間を把握するために行うものです。
そのため、前提として「労働時間」とは何か?を把握しておく必要があります。
労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間のことです。
基本的には、会社に出勤してから業務を終えるまでの時間と考えて問題ありませんが、次のような時間も労働時間に含まれることは理解しておくようにしましょう。
- 作業着への着替えなど業務に必要な準備のための時間
- 清掃など業務に関連した後始末の時間
- 使用者の指示があり次第すぐに業務を開始するために現場で待機を命じられている時間
- 参加が義務付けられている研修などの受講時間、教育訓練の時間
- 使用者の指示による業務に必要な学習の時間
タイムカード打刻のタイミングは、これらの時間が労働時間から除外されないタイミングで行うことを明確にしなくてはなりません。
直行、直帰の場合のルールを明確に
出張による直行、直帰や在宅勤務などでタイムカードを打刻するタイミングがない場合のルールも明確にしておかなければなりません。
メール報告や、ワークスペースへのログイン時間の記録など、何を基準として労働時間を把握するのかを就業規則などで明記しておくようにしましょう。
タイムカード打刻の問題点
ルールを設定したとしても、タイムカード打刻によって労働時間を把握するにはいくつかの問題点も残されています。
ここでは、タイムカード打刻による労務管理の問題点について解説します。
タイムカードの保管期間と違反した際の罰則についてはこちら!
▼タイムカードを含む勤怠データの保管期間は基本は5年!違反した際の罰則は?
集計や計算に時間がかかる
タイムカードによって労働時間を正確に記録することができたとしても、全従業員のタイムカードを回収して集計を行うとどうしても時間がかかってしまいます。
また、手作業による転記ミスや計算ミスを完全になくすことは難しく、もしも計算を間違えたまま給与の支払いが行われ、未払いや過払いが発生すると、従業員に大きな迷惑がかかります。
そればかりか会社の信用も落としてしまうため、ダブルチェックを行うなど慎重に作業を行う必要があります。
ヒューマンエラーを完全には防止できない
不正打刻や押し忘れなど、打刻そのものに関するヒューマンエラーを完全に防止することは難しいです。
タイムカードは簡単に代理打刻ができてしまいますし、押し忘れの場合には手書きで補填する必要があるため、完全な正確性を担保することはできません。
打刻のルールを明確化し、修正の際は上長の許可を必須にするなど、不正打刻を防止し、客観的な労働時間を把握できるような体制が求められます。
リアルタイムで勤怠状況を把握するのが難しい
当たり前ですが、タイムカードはあくまで「出退勤の時刻」を記録するもののため、従業員別の定時が何時から何時なのかといった情報はタイムカード外で管理するしかありません。
そのため、タイムカードの打刻だけでは遅刻や早退、残業時間を判断できず、後から集計・確認が必要となります。
月ごとに集計して内容を確認することになるため、月の途中での勤怠状況をリアルタイムで把握することは難しく、残業時間が法定の上限を超過しそうな場合でもそれに気付くことはできません。
場合によっては法令違反になってしまう危険性もあるため、リアルタイムで勤怠状況を把握できる仕組みが必要です。
人によって集計ルールが違う
これは集計を行う勤怠管理担当者の問題ですが、紙のタイムカードからエクセルに転記する際や集計を行う際に、「担当者判断で手を加えている」ことが少なくありません。
例えば、「遅刻しているけれど、この人は普段めったに遅刻しないしなかったことにしてあげよう」や、「計算しにくいから、25分の早退を30分として計算しよう」等、人によってブレがあっては困る処理や、法律的に認められていないことを自社ルールとして適用していないでしょうか?
前者については全従業員同じ処理なら問題ありませんが、人によって異なるのは不平等となるためおすすめできません。
後者に至っては、「実際の早退以上の給与を控除する」こととなりますので違法となってしまいます。
労働時間の丸めについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
▼時給を15分単位で計算する際の注意点・正しい勤怠の計算方法
不正打刻を防ぎ適切に労働時間を管理するには勤怠管理システムの導入を
タイムカード打刻の問題点を解消するには、勤怠管理システムの導入がおすすめです。
勤怠管理システムとは、クラウド上で労働時間などを記録し、従業員の始業・終業の状況を管理するシステムのことを指します。
勤怠管理システムを導入することで、不正打刻を防ぎながら適切に労働時間を管理することが可能となります。
勤怠管理システムのメリット
勤怠管理システムは、打刻した労働時間をクラウド上に記録し、自動的に集計・計算するため、担当者の負担を大幅に減らすことができるだけでなく、手入力による計算ミスの防止にもつながります。
静脈認証などによる打刻方法によって、代理打刻を完全に排除することもできますし、月の途中であっても、いつでもリアルタイムで勤怠状況を確認することができます。
遅刻や早退、残業時間等の集計も自動的に行われるため、そこに担当者による判断や調整は不要です。
勤怠管理システムでは、労働時間だけでなく、休日出勤や有給休暇の日数なども一括して管理できるため、働き方改革に対応した労務管理を行いやすくなります。
WEB勤怠管理システムに切り替えるメリットや注意点についてはこちら!
▼タイムカードによる勤怠管理の3つの問題点とは?勤怠管理システムへ切り替えるメリットと注意点
勤怠管理システムはKING OF TIMEがおすすめ
勤怠管理システムを導入する場合には、KING OF TIME(キングオブタイム)がおすすめです。
様々な打刻方法に対応しており、業界シェアNo.1の実績があります。
導入・運用のためのサポートも充実しているため「勤怠管理システムをうまく使用できるか不安」という担当者の方も安心して利用することができます。
どの勤怠管理システムを選んだら良いのかお困りの場合には、ぜひご検討ください。
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▼KING OF TIME(キングオブタイム)の評判は?料金や導入事例を解説
タイムカード打刻には明確なルール設定を
タイムカード打刻で労働時間を管理する場合には、明確なルール設定が欠かせません。
場当たり的な管理とならないよう、就業規則などで明確にルールを設定するようにしましょう。
もっとも、ルールを設定したとしても、タイムカード打刻による労働時間の管理にはどうしても問題点が残ります。
タイムカード打刻の問題点に頭を悩ませている方は、勤怠管理システムへの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。
勤怠管理システムを使いこなすことができれば、集計・計算作業の手間や、不正打刻の可能性などタイムカード打刻の問題点を解消して、効率的かつ正確な勤怠管理が可能となります。
ぜひ一度、勤怠管理システムの導入を検討してみてください。
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