労働生産性とは?計算式や向上させるための3つのポイントを解説
長時間労働の是正や業務効率化の話題になると、必ずと言って良いほど「生産性」という言葉が出てきます。
しかし、ひとことで生産性と言っても色々な種類があり、それぞれ意味するものが違うのをご存知でしょうか。
この記事では、生産性の中でも働き方改革で注目を集める「労働生産性」についてわかりやすく解説します。
労働生産性とは何か、どのように計算するのか、またどうすれば労働生産性を向上させることができるのか知りたい方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
この記事でわかること
- 労働生産性とは何か
- 労働生産性の計算方法と具体例
- 労働生産性を向上させる方法
こんな人におすすめの記事です
- 労働生産性の計算方法を知りたい方
- 自社の労働生産性を向上させたい方
目次
労働生産性とは?
労働生産性とは、労働者1人あたりまたは1時間あたりに生産できる成果のことを指します。
そもそも生産性とは、何かを作るときに必要な原材料や設備、エネルギー、人手などの投入量と、それによって得られる産出物の割合を表す言葉です。
生産性には、資本生産性や全要素生産性などさまざまな種類がありますが、その中でも労働生産性は労働に焦点をあてた指標になります。
労働生産性に近い指標として「人時生産性」がありますが、人時生産性に関してはこちらの記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
▼人時生産性とは?計算式と改善するための3つのポイント
労働生産性の2つの種類
労働生産性には、「付加価値労働生産性」と「物的労働生産性」2種類があります。
「付加価値労働生産性」は、生み出した成果に対しての付加価値(=粗利)に着目するのが特徴です。
例えば、車を1台生産して150万円で売れた場合、150万円が全額利益になるわけではありません。
そこには材料費や工場の設備費、人件費などがかかっていますので、仮にそれらが120万円だとすると、残りの30万円が付加価値ということになります。
一方「物的労働生産性」では、生み出した成果の量や販売金額に着目するのが特徴です。
先ほどの例で言うと、車「1台」や販売金額「150万円」という数字を使います。
国や業種ごとの生産性を比較する場合には、同じ尺度で測れる付加価値労働生産性が用いられることが多くなっています。
なぜ労働生産性を向上させる必要があるのか?
今、「生産性の向上」は企業が取り組むべきこととして真っ先に挙がる事項です。
では、何故労働生産性を向上させなければならないのでしょうか?
それは、人手不足による長時間労働と、それに起因する健康被害とコストの増加が問題となっているためです。
少子高齢化による人手不足はすでに始まっており、今後さらに加速する見込みです。
労働生産性が上がれば、限られた人数で今と同じかそれ以上の成果をあげることができ、人手不足の問題が解消できます。
また、生産性が向上すると残業や休日出勤も減るため、従業員にとってはワークライフバランスが改善されるというメリットもあります。
これは人件費などコストの削減にもつながるため、企業にとってもメリットです。
労働生産性の計算式
ここからは、労働生産性の計算式について解説します。
労働生産性は産出量(アウトプット)と労働投入量(インプット)の割合なので、次の式で表せます。
労働生産性=産出量(アウトプット)÷労働投入量※(インプット) |
※労働投入量については、労働者数を用いる場合と、労働時間を用いる場合があります。
ただ、前述の通り労働生産性には「付加価値労働生産性」と「物的労働生産性」の2種類があり、計算に用いる数値が異なるため以下で詳しく見てみましょう。
付加価値労働生産性の計算式
付加価値労働生産性の計算式は次の通りです。
付加価値労働生産性=付加価値額(アウトプット)÷労働投入量(インプット) |
例:5人の従業員が3時間で100,000円を売り上げた場合
(その商品の材料費等は40,000円とする)
1人あたりの付加価値労働生産性=(100,000円-40,000円)÷5人=12,000円
1時間あたりの付加価値労働生産性=8100,000円-40,000円)÷(5人×3時間)=4,000円
物的労働生産性の計算式
物的労働生産性の計算式は次の通りです。
物的労働生産性=生産量(アウトプット)÷労働投入量(インプット) |
例:5人の従業員が3時間で300個の商品を生産した場合
1人あたりの物的労働生産性=300個÷5人=60個
1時間あたりの物的労働生産性=300個÷(5人×3時間)=20個
業種別の労働生産性
労働生産性は、業種や企業の規模によって大きな差があります。
例えば、中小企業庁が公表した「2020年版 小規模企業白書」では、次のようなデータが出ています。
【企業規模別・業種別の労働生産性(抜粋)】
(単位:万円)
業界 | 小規模企業 | 中規模企業 | 大企業 |
建設業 | 304 | 500 | 953 |
製造業 | 248 | 450 | 827 |
運輸業・郵便業 | 277 | 398 | 657 |
小売業 | 131 | 272 | 387 |
宿泊・飲食サービス業 | 105 | 177 | 230 |
※数値は中央値
※労働生産性は付加価値額を従業員数で除した値
出典:中小企業庁:2020年版「小規模企業白書」
これを見ると、建設業は労働生産性が高く、小売業や宿泊・飲食サービス業では低いことが分かります。
また、いずれの業種でも企業規模が大きくなるほど労働生産性が高くなると言えます。
まずは自社の労働生産性(付加価値額÷従業員数)を算出してみて、業界平均に比べて高いか低いかを把握するところから始めてみましょう。
労働生産性を向上させるための3つのポイント
労働生産性の計算方法がわかったところで、自社の労働生産性を向上するためにはどうすれば良いのでしょうか。
労働生産性向上のための代表的な施策は以下の3つです。
- 成果を増やす
- 無駄なコストを減らす
- 労働時間を見直す
各ポイントについて、詳しく解説していきます。
成果を増やす
同じ労働投入量でも生産量が増えれば、労働生産性は向上します。
具体的には、商品を値上げする、生産にあたる従業員のスキルアップをサポートするなどです。
無駄なコストを減らす
生産量が変わらなくても、無駄なコストを減らせば労働生産性は向上します。
事業の見直しをしたり、作業のオペレーションを見直したりすることが有効です。
労働時間を見直す
労働生産性を向上させるためには、労働時間の見直しも必要です。
当事者は真面目に一生懸命やっている時間でも、組織全体で見たら必要のない作業で、生産性を低下させる要因になっているということもあります。
まずは現状の労働時間が何時間で、どのように使われているかを把握することから始めましょう。
勤怠管理システムで労働時間を見える化して業務効率化
労働時間を見直すためには、勤怠管理システムで労働時間を見える化することが有効です。
紙やエクセルのタイムカードで勤怠管理をしている場合、リアルタイムで労働時間を把握したり、こまめに集計・分析作業をしたりすることは困難です。
一方、勤怠管理システムなら打刻するだけで一定期間内の累計時間などが自動で計算され、部署ごとの集計などもボタン1つで可能になります。
労働生産性の算出に必要な「会社全体でどれくらいの労働時間があるか」「部署ごとにどれぐらい時間を使っているか」をひと目で把握できるのです。
労働時間の把握以外にも、勤怠管理担当者がタイムカードを配布・回収したり、集計したりする負担が減り、担当者の労働時間そのものを削減できるというメリットもあります。
従業員自身もリアルタイムな自分の残業時間を把握できるため、時間管理への意識を会社全体で高めることが可能となります。
勤怠管理システムにはさまざまな種類がありますが、迷った時にはKING OF TIME(キングオブタイム)がおすすめです。
KING OF TIMEは勤怠管理システム市場シェアNo.1の実績があり、あらゆる勤務形態にも対応できるのが特徴で、労働時間の管理はもちろんのこと、有給休暇・残業申請の承認機能や、有給休暇管理簿の機能も備わっています。
KING OF TIME(キングオブタイム)について詳しくは、以下記事で解説しています。
▼KING OF TIME(キングオブタイム)の評判は?料金や導入事例を解説
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労働時間を見直して労働生産性を向上させよう!
労働生産性を向上するためには、産出量または粗利を増やすか、コストを減らす、労働時間を見直すことが有効です。
生産高増や粗利増は一朝一夕でできることではありません。
また、コスト削減はもうやりつくしたという企業様も少なくないでしょう。
そんな時は、一度自分たちの労働時間に目を向けてみてください。
意外と、「何にどれだけ時間を使っているか」は管理されていないのではないでしょうか?
労働時間を見直すうえでは、勤怠管理システムが強い味方になります。
まだ導入していない場合には、これを機に検討してみてはいかがでしょうか?
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