kintoneで在庫管理!棚卸作業を劇的効率化!|製造業 株式会社小島製作所さまのアプリ開発事例
御社では棚卸をどれくらいの頻度でやっていらっしゃいますか?
毎月、四半期、年に一回等各企業・店舗によってタイミングは様々ですが、棚卸の目的は在庫管理だけではなく、会計や資産評価のためにも必要です。
棚卸は会社全体が持っている原材料・半製品・製品等の在庫を正確に数えなければならないため、膨大な時間と労力がかかります。
取り扱う商材の多い企業の場合、通常の業務を止めて一日棚卸にかかりきりということも珍しくありません。
紙やエクセルで在庫情報を管理している場合、棚卸業務はさらに手間がかかります。
棚卸のために棚卸表を準備したり、棚卸後の金額計算に手間がかかって苦労している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、棚卸にkintoneを導入して効率化を実現した株式会社小島製作所さまの事例を紹介します。
「棚卸の時期は業務がストップしてしまう」「深夜まで残業しなければならない」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください!
目次
棚卸をエクセルで集計するのが大変…在庫数を入力するだけで自動集計できるようにしたい!
株式会社小島製作所さまは、名古屋市中川区に本社を構える製造業の企業さまです。1919年の創業以来、排水システムに使う器具やマンホールなどを製造し、水回りのインフラを支えて来られました。
株式会社小島製作所さまは100年以上の歴史がある企業さまですが、ITやビッグデータの活用など、最新技術の導入にも積極的に取り組まれているのが特徴です。
作業指示書の作成業務や、営業日報の管理にkintone(キントーン)を導入することで、業務効率化を進めて来られました。
過去のkintone活用事例については、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▼kintoneと基幹システムを連携して作業指示業務を効率化!|製造業 株式会社小島製作所さまのアプリ開発事例
▼kintoneの日報アプリで営業活動を一元管理!|製造業 株式会社小島製作所さまのアプリ開発事例
今回、株式会社小島製作所さまがさらなる業務効率化のために着目したのが棚卸業務でした。
株式会社小島製作所さまの棚卸は年に1回。
データはエクセルで管理し、在庫を数えて入力・集計したうえで金額を算出するという運用方法です。
在庫にはそれぞれ8桁または10桁の「商品コード」が付番されており、さらにそのひとつの商品を構成する細かな在庫には13桁の「明細コード」が付与されています。
例えば、商品コード「10000001」の商品は、明細コード「1000000100001」「1000000100002」「1000000100003」で構成されており、商品コードと明細コードは親子の関係となります。
在庫数の管理は親である商品コード単位で行いますが、在庫金額の集計は子である明細コードごとにおこなっているため、株式会社小島製作所さまの棚卸はかなり複雑です。
株式会社小島製作所さまには約1万点もの在庫管理すべき商品があるため、単純に在庫をチェックするのに時間がかかるのはもちろんのこと、明細ごとに金額を算出するのにも手間がかかります。
それらの課題に加えて、エクセルでデータを管理していたため過去データの参照に時間がかかるという課題もありました。
そこで株式会社小島製作所さまでは、kintoneを使って棚卸を効率化したいと考えられました。
棚卸業務は年1回のことなので、なるべくシンプルでわかりやすい手順での運用を目指し、アプリ開発がスタートしました。
複雑な棚卸も個別にkintoneアプリ化でスッキリ整理
棚卸に必要な情報は、商品コード、明細コード、単価、基幹システム上の理論在庫数などがあります。
そこでまずはkintoneでそれぞれの情報を管理するアプリを作成し、最後に集計アプリで情報を紐づける仕組みを構築することにしました。
実際に作成したアプリは以下の通りです。
- 商品構成マスタ:8桁または10桁の商品コードと、13桁の明細コードを紐づけるアプリ
- 商品明細マスタ:明細コードごとの単価、サイズ、区分を管理するアプリ
- PC在庫数:基幹システムで管理している理論在庫数を登録するアプリ
- 棚卸入力者リスト:棚卸実施者を管理するアプリ
- 棚卸入力:棚卸実施者が商品コードで在庫数を入力するアプリ
- 棚卸集計‐最終参照用:卸入力のデータをもとに明細コードごとに集計した結果を管理するアプリ
アプリの数が多く、また使用頻度も一年に一度になるため、kintone上に「棚卸」のスペースを作成して各アプリの説明を掲載しました。
これで、棚卸スペースを見れば各アプリがどのような役割で、それぞれのアプリで何をしなければならないのかわかります。
「krewData」を使って集計の自動化を実現
kintoneアプリが作成できたら、次は棚卸の実施に必要な準備をしていきます。
株式会社小島製作所様では膨大な数の商品を取り扱っているため、商品の識別にはQRコードを活用することにしました。そこで役に立つのが「プリントクリエイター」というkintone連携サービスです。
プリントクリエイターは、kintone上のデータを見積書や請求書などさまざまな形式の帳票に出力できるツールです。
出力枚数やレイアウトの自由度が高く、QRコードや画像、バーコードも出力できます。
株式会社小島製作所さまでは、棚卸のためにすべての商品にプリントクリエイターで出力したQRコードを貼ることにしました。
次に、「棚卸入力アプリ」に入力された在庫数を集計する仕組みを構築していきます。
今回のように、複数のアプリをまたぐデータの自動集計で活躍するのが、「krewData(クルーデータ)」プラグインです。
krewDataを使えば、プログラミングの知識がなくてもパズル感覚で集計フローを作成できます。
自動集計のタイミングについても、曜日や日付で定期的に実行する「スケジュール実行プラン」と、アプリ操作との連動や任意のタイミングで実行する「リアルタイム実行プラン」が選べるのが特徴です。
株式会社小島製作所さまではリアルタイム実行プランを利用しています。
実際に作成した集計フローがこちらです。
非常にシンプルなフローですが、このフローで在庫数の集計はもちろん、金額集計まで行えるようになっています。
株式会社小島製作所さまには約1万点もの商品があるため、krewDataのリアルタイム実行プランでは1回の処理上限を超えてしまいまとめて集計できません。
そこで、一度にすべてのデータを集計するのではなく、集計フローを分割し、対象商品をいくつかのグループに分けて集計を行うことで約1万点にも及ぶ商品の棚卸にも対応できるようにしました。
集計の仕組みを構築できたら、実際の運用開始に向けて各種マスタを整理しました。
具体的には、約1万点に及ぶ商品につけられた商品コードとひとつひとつが、どの明細コードで構成されているかを紐づけていきました。
商品の分類を登録し、約4,000件ある明細コードにもそれぞれの単価や区分を設定すれば、マスタの整理は完了です。
棚卸にkintoneを導入するメリットとは
QRコードや集計フロー、マスタ登録が準備できたところで、実際に棚卸を開始します。
今回は、テスト運用としてエクセルでの棚卸と並行してkintoneでも棚卸を実施し、集計結果に問題が無いかをチェックしました。
従業員の方は、スマホやタブレットでQRコードを読み込み、数量を入力するだけ。
商品を確認して、表の中から対象商品を探す必要が無いため、棚卸業務がサクサク進められます。
棚卸にkintoneを導入したことで、株式会社小島製作所さまでは棚卸結果のエクセルを配布・回収する手間がなくなりました。
また、集計作業も自動化されたため、管理者はkrewDataを実行するだけで在庫数と在庫金額が迅速かつ正確に把握できるようになったこともメリットです。
今年は従来の方法と並行してkintoneで実施し、数値が一致するかを確認する必要がありましたが、翌年からはkintoneに一本化できるため、棚卸業務がぐっと楽になるでしょう。
kintoneを活用して棚卸の集計を自動化しよう!
株式会社小島製作所さまでは、棚卸にkintoneを活用することで集計作業を自動化し、大幅な効率化を実現されました。
今後も紙やエクセルで管理しているものをkintone化しつつ、部署間のコミュニケーションや連携強化にもkintoneを活用して、会社全体で情報共有できる環境作りを進めていきたいということです。
株式会社コムデックでは、お客様のお悩みをお聞きして、その場でkintoneアプリを構築する「対面開発」を行っております。
「現状の運用方法が複雑化してしまっている」という場合でも、お客様と一緒に状況を整理しながらアプリ開発を行いますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
コムデックの「対面開発」をはじめとする伴走支援とはどのような支援なのか?お客様インタビューを公開中!是非ご覧ください。
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